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語りを聞く

安全寺里山保全会 会長(平成28年度) 安田孝彦さん

画像:安全寺里山保全会 会長(平成28年度) 安田孝彦さん

 

「美田オーナーやってから、ご高齢の方の元気が出たなあ」。朗らかな笑顔を見せながら話してくれたのは、男鹿市・安全寺地域の「安全寺里山保全会」の会長を務める安田孝彦さんです。
安田さんが安全寺自治会の会長を務めていた頃に保全会を立ち上げ、3年間、自治会と保全会の会長を兼任していました。
安全寺地域には「安全寺小学校」がありましたが、現在は「安全寺公民館」として活用されています。小学校があった当時は、運動会や文化祭など、地域の方が集まる行事がたくさんありました。しかし、小学校が閉校してからは行事が少なくなり、長年続けていた盆踊りも行われなくなってしまいました。
また、農業従事者の体力の限界などから耕作放棄地が増え、放棄地は美しい棚田の風景が見られる「なまはげ大橋」から見える田んぼにも及びました。
そんな中、安田さんは地域の老人クラブの会員が4人しかいないことを知ります。地域のコミュニティ活動が停滞していることを知り、「このままでは故郷が死んでしまう」と危機感を覚えたと言います。
「地域活性化を目指しながら、耕作放棄地をなんとかしたい」。その思いから、「農地・水保全管理支払交付金」の政策に向けて動き出しました。稲作をやめていく方々は何が原因でやめていくのかを聞いてみると、草刈りや水路の泥上げなど、維持管理の部分にありました。その部分を地域全体の共同作業として行い、負担を補っていくことができれば、と考えました。
現在、安全寺里山保全会の会員は126人にも上ります。地域の景観を守るために公民館の隣に作った花壇の草取りは老人クラブが担っています。花壇の活動を行うと活動費を得ることが出来るため、その活動費を貯めて、老人クラブの集まりの費用に充てているそうです。この活動が行われてから、老人クラブの会員数が21人に増えました。
また、秋田地域振興局農林部で行っている事業「里山の美田オーナー」にも応募し、平成26年度から活動を開始しました。年に2回、田植えと稲刈りを体験してもらい、地元のお母さんたちが作った料理を味わってもらっています。
地域の外から訪れた方々との交流で、地域の方々が元気になり、老人クラブのみならず、新たに「安全寺こまち会」という地域に嫁いできたお母さんたちの会が出来たり、途絶えていた盆踊りが復活したりと、安全寺地域の会や行事にも活気が出ました。
 
安田さんの目標は「少しでも農業寿命を延ばす」こと。保全会が立ち上がった当時から、農業従事者が8人減少したものの、放棄した田を保全会で管理したり、稲作をやめた方の隣の田を管理する方が管理をしたり、工夫をしているうちに耕作放棄地はほとんどなくなりました。
この活動を長く続けるため、山菜や畑の作物などの今ある資源を加工するなどして、少しでもお金になる活動ができれば、と話してくれました。
 
安田さんが描くのは、御山のふもと、青々とした田が広がる風景の中に住民が元気に暮らす声が響き合う姿なのでしょう。
 
2017年3月31日掲載
 
【関連リンク】産地直送ブログ
今年も安全寺で美田の里オーナー「田植え&かかし作り交流会」!(2017年6月掲載)

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