日本海の海岸沿いの高台に位置する八峰町の本館地域。その背後にそびえるのが、戦国時代、この地域を統治した武田重左衛門の城があった「本館城址」です。

 慶長10(1605)年、本館城は百姓一揆により落城し、城主の武田重左衛門は自害させられたと伝えられています。この一揆で犠牲になった人々を弔うため、毎年9月中旬、本館自治会によって400年以上にわたり、「たいまつ祭り」が行われています。
 
 夕方の4時頃にたいまつを持って本館城址の山頂へ出発し、犠牲者の霊を供養したあと麓に戻ってきます。山頂には慰霊碑が設置され、静かな日本海の農村にたいまつが浮かびあがる光景は、戦国時代にタイムスリップしたかのようです。悲しい歴史を弔う人々の思いが込められた鎮魂の行事です。

平成22(2010)年4月掲載

■参考文献
『本館城址説明看板』
『夕映の館説明看板』
『松源院パンフレット』

こちらの記事もおすすめです

日本海を臨む「ビューシーライン」

 八峰町の中浜地区から本館地区を通り、白瀑神社を経由して東八森へと続く町道は、通称「ビューシーライン」と呼ばれています。国道101号を見下ろす高台を走るため、青々とした日本海と空をハッキリと眺めることができます。晴天...

自然・施設

ビューポイント

糠森山(ぬかもりやま)

 糠森山に八の字が浮かび上がる  国道101号線を北に向かうと真正面に見えてくる「糠森山」。八峰町の看板的存在であるこの山は標高208m、山肌には大きく八峰町の「八」の字が見えます。夏の盆期間と冬の正月期間、それぞれ一...

自然・施設

ビューポイント

留山(とめやま)

-白神山地のブナ林を手軽に体験-  白神山地の南端部にあたり、手軽にブナ原生林を散策できる「留山(とめやま)」は、白瀑神社の裏手の林道を車で30分程入ると留山入口に着きます。 400年前、森林伐採が続く中、伐採を留め、...

自然・施設

ビューポイント