11月21日(木)、双方向集落間交流会を開催しました!
今回、交流を行ったのは、秋田市鵜養地域とにかほ市釜ケ台地域。釜ケ台の皆さんが鵜養地域を訪問する形で行い、双方あわせて15名の方に参加いただきました。
当日の様子をご紹介します♪


どちらの地域も、通称“元気ムラ”として当サイトでご紹介していますが、互いに似たような環境に位置する集落の方々が、普段、どのような活動をしているのか、
集落の紹介や実際に現地の取り組みの意見交換をしたりして、今後の活動の励みになることを期待し、企画したものです。

           
集合場所は、秋田市河辺岩見三内地区にある「へそ公園」、地図上では秋田市の中心に位置すると言われています。


    
こちらの展望台から見下ろす景色は、鵜養集落の全貌を見渡せます。
鵜養町内会の石塚会長から、約40haほどを耕作していて、耕作放棄地がほとんどなく、周辺の山々は鵜養地域の財産であることを伝えていただきました。
「ただ、岩見川の上流に位置していることから、水は綺麗ですが、冷たくて収穫量になかなか結び付かないです。」と、課題も話されていました。


釜ケ台の皆さんは初めてみる景色に少し驚かれていた方も。この先には集落はないと聞かされ、「秋田市にもこんなところがあるんだあ」という第一印象の方もいたようでした。

   
その後、鵜養地域が取り組んでいる無農薬栽培の酒米を卸している秋田市の酒造会社所有のライスセンターの見学へ♪
同じへそ公園の敷地内にあり、昨年、建てられたものです。

      
「鵜養地域との共存を図るために、未来を見据えた投資をしました。」と、酒造会社の方から説明がありました。
ライスセンターの意義は、農家と酒蔵(さかぐら)を結びつける役割だと思っています」とも。

          
なぜここで無農薬栽培の酒米づくりをしようと考えたのですか」という釜ケ台の方からの質問に、「集落を流れるきれいな水と景観だと思います。」
と答えられていました。
いずれは自分たちも地域にライスセンターを!という思いなのか、釜ケ台の皆さんは、かなり時間をかけて見入られていました♪


へそ公園を後にして、鵜養集落に向かいました。



       


まずは、地域で原木しいたけ栽培を継承し、秋田市内から通って作業されている田村さんの作業場を見学!
秋田市での仕事を辞め、どうしてここで原木しいたけ栽培を継承したのかなどの経緯を話してくださいました。
※田村さんの詳細についてはこちらから→秋田市鵜養(うやしない)地域で「原木しいたけ」栽培を継承した田村さん夫妻~石塚滿さんからの継承~


続いて、無農薬酒米栽培に取り組んでいる「鵜養酒米の郷」の佐藤代表の田んぼを見学に。
今年の米栽培は終了していますが、田んぼにほとんど雑草がないことに気づいた釜ケ台の方は、「除草をこまめにしているのが稲刈り後の田んぼを見てもわかるなぁ。栽培中はどのくらいのペースで除草をしているのですか。」という質問をされ、「田植え後、3日目から始まります。1週間ごとに年6回です。」との返答に目を丸くされていたような気がします(^-^;

          
時間の都合上、集落内の見学はここまででした。せっかく遠方から来ていただいたので、鵜養の方々は、「伏伸(ふのし)の滝」や「殿渕(とのぶち)」自慢の景観をお見せしたかったことと思います。

町内会館にむかい、昼食のあと、意見交換が始まりました(^^)
            
自己紹介のあと、それぞれの地域の紹介をしていただきました。

まずは、鵜養町内会、石塚会長から。

鵜養は土地改良区がない、草刈りや水利施設の管理など全て町内会で行ってきました。少子高齢化がすすみ、今、やらなければいつやるの?という思いで、新たな事業に着手しています。それが、少しずつ形になってきたかなあと思っています。無農薬酒米栽培に取り組むにあたり、大変な苦労があったのも事実です。」と、主産業が米作りであること、農地を守っていくのも容易くはないということを体験談を混じえ地域の紹介をしていただきました。


そして、鵜養酒米の郷、佐藤代表からは「自分は花卉栽培を主に行っていました、米栽培はあまり好きではなかったので。ところが酒造会社から無農薬酒米栽培の話がきて説明を聞いたときに、とても可能性を感じました。まずはやってみたいという思いから、仲間集めのために、1軒、1軒、住民の家をまわり自分の想いを伝えました。」と当初の苦労話も!
佐藤代表の娘さんである原田さんも、「自分はこんな田舎はいつか出るという気持ちで、高校卒業と同時に秋田市内の服飾専門学校にすすみ、農業とは無縁の仕事をしていました。転職を考えていた頃、ちょうど無農薬酒米栽培の話が父のところに来ていて、父がとても楽しそうに見え、ワクワクしている感じを目の当たりにしました。そんな父を見て私も一緒にやろうと思い、故郷に帰ってきました。今では、こんな田舎と思っていた頃の自分がうそのよう。この地が大好きです!」と、佐藤代表の想いにさらに熱さを増して話していましたよ(^^♪


ここまでで、すでに会場内も熱気が沸いてきた感じです。

続いて、釜ケ台地域を代表して(株)ひの里代表の佐藤渓輔さんから、地域についての紹介です。


      
秋田県のどのあたりに位置するのか、伝統芸能や主産業は何かなど話していただきました。
鵜養の方々の反応が大きかったのは集落に400年以上前から伝わると言われている「釜ケ台番楽」の広報活動についてでした。広報を始めてから、5倍以上の公演依頼がくるようになったとか。
情報発信の手応えを感じているようです^^


「今でも、東日本大震災のことがつい昨日のことのように思い出されますが、すでに15年が経過していました。それを考えたとき、15年間はあっという間だなと、この先の15年で何が出来るかを考えていかなければならないと思っています。」と話されていたのが印象的でした!

参加されていた双方の集落の方々からも、たくさんの話をしていただきましたが、ここで全て紹介できないのが残念です。
釜ケ台の方からこんな質問が出ました。
「今までの話を聞いていると、無農薬酒米栽培に取り組むにあたり、リスクや苦労のほうが大きかったような感じをうけるが、どうしてそこまで頑張れるのですか?」と。

「ここにいるメンバーは、あえて困難なことを楽しんでいると思う。そうでなければできないでしょう。」と、石塚会長の回答です。
また、鵜養酒米の郷、原田さんからは「酒造会社の社長さんが、会社でとても大事な杜氏の方をこの地に1年間、住まわせた。私たちと一緒にやっていくんだという本気度を感じました。」とも。

“あえて困難なことを楽しむ”の発言には、釜ケ台の皆さんも少し驚かれている様子でした。
自分たちに置き換えたときにどうだろう?と考えこんでいたような気配も感じてきましたが。。。

まだまだ話がつきないようでしたが、時間の都合上、解散のときを迎えます。
最後に釜ケ台の方が「自分も一度、地域を離れた人間だが、渓輔さんの故郷を愛する想いに共感し、ひの里に入社し米作りを頑張っています。ですが、今日ここに参加し、鵜養の方々の話を聞いてさらに感銘を受けました!地元に戻って活かしていきたい。今日はここに来て、本当に良かったです。」と力強く話してくださったのが、とても印象的でした(^^)/

今回の交流会に参加して「人が人を動かす!」ということを改めて感じた一日でもありました!!


そこに生まれ、土地を守っていきたい思いは同じ!という方々が集まった、双方向交流会だったと思います♪
コロナ禍も落ち着き、こうした交流が再開できる環境になっています。
最後までお読みいただいた皆さんの中で、集落間交流にご興味がおありでしたら、ぜひ、県地域づくり推進課までご一報いただけたらと思います。

なお、鵜養地域の「鵜養酒米の郷」、釜ケ台地域の「ひの里」の方がそれぞれ、この日の感想をインスタグラムに投稿しています。
あわせて、ぜひ、ご覧ください!
【関連リンク】Instagram
・鵜養酒米の郷 @uyashinai.sakamainosato
・ひの里 HI NO SATO @hi_no_sato

以上、秋田市鵜養地域から、集落間交流についてお届けしました♪

●おまけ(^^♪

原木しいたけ栽培に励む田村さんが新品種の栽培に着手したそうです。通常のサイズに比べてかなりのビッグサイズ!
軌道に乗るとよいですね♪