県では、地域づくり支援を行うための基本的な一連の流れを体験しながらスキルを習得することを目的として、
中間支援者確保・育成研修を開催しました!
今回は、“まちあるき”を体験して、地域の将来像について語り合うという内容で、11月7日(木)~8日(金)の2日間にわたり
秋田市の上新城地域をモデルコースとして設定しました。
それでは、2日間の様子をお伝えします♪
●1日目(11/7)
全県の市町村職員、集落支援員を対象に参加者を募り、今回は“まちあるき”ということで人数制限を設けたこともあり、
12名の方が参加しました。
集合場所は、秋田市農山村地域活性化センター『さとぴあ』!
秋田市が農山村の多様な地域資源を活用して、農業や自然、地域文化などに関する体験学習を通じた農山村地域の活性化を図ることを目的として、旧上新城中学校を再利用して5年前にオープンした施設です。
この日は、3つの班に分かれて街中や山間部など3コースを歩いて回ります。
そして、各班のコースに一人、地元住民の方が同行します。
講師はNPO法人いわて地域づくり支援センター、常務理事の若菜千穂さんです。
各班でそれぞれに自己紹介をしたあとは、若菜さんから、日程やまちあるきの進め方のレクチャーを受けました。
「世話係」「カメラ係」「記録係」と役割を決め、集合写真を撮ったところで1時間の設定でそれぞれの班が出発しました!
★五十丁町内コース
歩き始めてから間もなく、町内地図看板を見つけ談義!
参加者が気になったところや話題になった個所を、カメラ係が写真を撮っていきます。
ここが「真山神社」という名前だと知った参加者が住民の方に尋ねると、男鹿市北浦の「真山神社」の系列だと聞いて、カメラ係は早速パチリ!神社の社殿と町内の公民館が渡り廊下でつながっているところも、かなり気になったようです。
旧上新城小学校。「まだ新しい感じ、何かに利活用できないかな…」そんな想いで見入る方も。
★石名坂(いしなざか)町内コース
どちらかと言うと、山間のコースで、田んぼや畑を横目に林道を歩くコースです。
歩いていると畑の向こうの小屋から、モクモクと煙が!
農家の方にお話を聞いてみると、なんといぶし大根の製作真っ最中とのことでした。
皆さん、気になって気になってしょうがない感じ(^-^;
秋田市でもいぶり大根を作るところがあるのかと感心していましたよ♪
記録係の方は、記録を取るのに必死のようでしたが…
このように、それぞれの班で気になったところを10か所以上見つけ、写真を撮り、記録に残して回った1時間となりました。
「さとぴあ」に戻り、振り返りの時間。
各班ごとに写真を撮ってきた場所で、皆が気になったものを話題にしてアイデア出しをしましたよ。
〇民家の干し大根、干し柿
地元の特産品にする。干し柿を使ったお饅頭とか。
〇トーベファームの木
フラワーショップを開催する。(家族で楽しめるような)
〇昌東院の石庭
石庭の模様をつける体験をする。
などなど、各班、最低10ケ所の写真を撮ったので、アイデアは30以上。全部、ご紹介できず残念です。
最後に各班からアイデアの発表、情報を共有したところでこの日の研修は終了。
翌日は、この日出たアイデアを用い、活用テーマに沿って具体的な活動アイデアを文章にしていきます。
●2日目(11/8)
この日の会場は場所を変えて…
みんなの実家「門脇家」!秋田を離れ関東圏で仕事していた方が、5年前に帰郷し、ご自分の地元ではない上新城地域で
民泊施設を始めました。
門脇さん主催の地域イベントや、住民の居場所にもなっています。平日は地域の方がお出かけ帰りに立ち寄り、よく
“お茶っこ”をしているそうですよ。
この日の始めに講師の若菜さんから、前日の感想や疑問をまとめたものを資料としていただきました。
・遠出しなくても田舎体験、身近で里山体験ができる。(上新城の感想)
・小さな気づきを見逃さないようアシストが大切だと感じた。(まちあるきについて)
・時間通りに回れない。時間配分が難しかった。(まちあるきについて)
・地域のコミュニケーションの場としては有効ではないかと思う。(全体の感想)
・車でなく、歩いてみるからこそ気づくことがあるかも。(全体の感想)
この他にもたくさんの意見や感想がありました。参加者にとっては有意義な“まちあるき”になったようです。
そして、この日の本題! 昨日出たアイデアから、どのようにして活用法を見出すのか…
若菜さんからお手本を示していただきましたよ♪
「食・特産品」「にぎわい交流」「子ども・高齢者」「歴史・伝承」の4つのテーマで話し合いが始まりました!
約1時間半、どの班も、どんどんアイデアを練り上げていきます。
途中、ワールドカフェ方式で、他の班の活用法を見て聞いて、そこに新たな意見を取り入れたりし、
4つの班のテーマに沿った活用法が完成しました。
最後にアイデアを絞り込む作業をして、皆さんがそれぞれ自分がいいと思う活用法にシールを貼っていきます。
赤シールが2点、青シールが1点×2で一人4点の持ち点です。
ここでは、講師の若菜さん一押しの活用テーマを簡単にご紹介!
「子ども・高齢者」のテーマ班で『キッチンカーでカフェ巡り』♪
地域にある「冷水井戸」を整備し、この水で美味しいコーヒーを作り、キッチンカーで各町内を回るという案。
普段、なかなか外出しない高齢者のために、地域の湧水を売りにして各町内を回り、そこでコーヒーを販売!
さらには、高齢者の安否確認もできるという地域課題の解決にもつながる発想でしたよ。
「人と話す機会(場)を一か所に集約せず、こちらから出向いていく。高齢者はもちろん、幅広い世代がそこに集まり情報交換の場になると思う。ついでに安否確認できたら、なお良いですね。」との理由でした。
なるほど!!(^^♪
二日間にわたり開催した研修ですが、参加した皆さんのこれからの活動にプラスになるものばかりの内容だったと思います。
若菜さんから、最後の締めとして、ここは重要という話をしていただきました!
二日間の研修で得たスキルを活用し、皆さんがこれから、それぞれの地域に戻り活動を行っていく上で、
「Can・Will・Must」の交わるところ、要するにこの3つの要素を兼ね備えたやり方、ネタを掘り下げていくのが、
最善だと思われる。ある程度、土台が出来ていることに対しても、「Can・Will・Must」で一度立ち止まることも大事です。
2日間を終えての皆さんの感想は…
・『「仕組み×仕掛け」を考えるというところで、仕掛けを考えるのは難しかった。普段からそこまで考える習慣をつけたい。』
・『アイデアがあっても、人を引き付ける魅力づくり(仕掛け)がないと意味がない。』
・『「仕組み×仕掛け」の視点をちゃんと持つようにしたい。』
など、「仕組み」に対する「仕掛け」の重要性を感じた方が多かったように思います。
初日の天候が心配された“まちあるき”。参加者の皆様の意気込みが届いたのか、お天気にも恵まれましたね。
そして、今回のまちあるき研修のためにご協力いただいた住民の方々、『さとぴあ』の皆様、ありがとうございました。
参加者の方々のこれからのご活躍を祈念します!
以上、秋田市上新城地域から「中間者支援者確保・育成研修」の様子をお届けしました♪