2月11日(日)、大仙市小神成地域の田ノ尻集落にお邪魔しました!
田ノ尻集落には、「天筆(てんぴつ)焼き」「雪中田植え」「紙風船上げ」といった小正月行事が伝わり、
毎年この時期、豊作を祈願し、これらの行事を一緒に行っています。
詳しくは下記の記事をご覧ください!
小神成地域の小正月行事(元気ムラ応援サイト)

午前中は、「天筆(写真上)」を立てる作業や、雪中田植えの祭壇づくりが行われました♪





36軒が暮らす田ノ尻集落。この日は晴天に恵まれ、奥羽山脈が集落から一望できましたよ♪

●雪中田植えの準備
 

 

9時ころになると、雪中田植えに使う稲わら、豆がらや、祭壇に使う道具を持って、住民の皆さんが集まってきました!


●天筆づくり
 

こちらは天筆に使う杉の木と稲わら。稲わらは車で何回も往復して運ぶほどの量です。




一番大変なのが、杉の木に稲わらを固定していく作業なんですが…



「〇〇さん、これ長くねえか?」「これだば、引っ張れば切れるぞ~。見ればわかるって(笑)」
お父さんたちの和やかな会話が飛び交うので、和気あいあいとした雰囲気です。




稲わらの縛り方も、実際にやらなければ覚えられないものばかり。
長年、積み重ねてきた経験が熟練の技になっているんですね。




まず、1本目の天筆を立ち上げます!
「まてよ~!まてまて!無理するなよ~」「はなさないで~」

 

 

見ていておもしろいのが、誰も指示する人がいないことです。
それぞれが、阿吽の呼吸で、やることを見つけて動いています。
住民の方曰く「強制しても面白くないべ?自分たちが楽しくなきゃな」。




天筆が立ち上がりました!大きいですね~。
今年は3本の天筆を立てるそうです。





ここで休憩タイム。
皆さん、いろんなお話を教えてくれました(^^) この雑談の時間も楽しかったです!




こちらは雪中田植えの会場づくりの様子。
柳の木は「芽吹きがよくなるように」、スス払い棒は「害虫を払う」などなど
準備したものには全て、豊作を祈願する意味が込められているそうです。




しめ縄には、幣束、こんぶ、青木の葉、五葉松、キュウリを意味する木を飾り付けます。
こうしてみると、やはり準備が大変そうに見えますが、
田ノ尻集落では、先人から行事の聞き取りをして「覚書」をつくり、
行事を知らない世代にも継承できるように工夫しています。

 

こちらは、使わなくなった看板をもらってきて、祭壇の型どり!



お供え物は、塩や果物を除けば、ほとんどが家々から持参したもの。
お金をかけなくても、自分たちで「作れる」のがすごいですね。




さて、9時から始まった天筆立ても佳境!




お昼前に3本目が立ち上がりました♪ 皆さん、いい笑顔です!




田ノ尻の小正月行事の準備は、一年前の春から始まるそうです。
稲わらの確保のため、誰の田んぼで作付けするか相談し、秋は稲刈り、はさ掛けして乾燥、そして冬まで保管。
1年通して準備が行われているんですね。
大変な作業だと思いますが、田ノ尻の皆さんは会話がとぎれることなく、にぎやかでした♪
「楽しくなければ続けられない」。
「みんなが集まって、顔を合わせるのが楽しいな。仲のいい集落だ」と話していました。



こちらは、集落の家の前に飾られていた、もう一つの「天筆」。これも小正月行事の一つです。
家々に短冊を配り、「豊作祈願」「交通安全」「家内安全」など願いごとを書いて貼り付け、行事本番の日、家の前に立てかけます。
この天筆を、稲わらの天筆の火で燃やすことで願いごとを空に届けるといわれています
「「就職できますように」とか、自分の願いごとを書くんだよ~」とのこと。
田ノ尻の皆さんが、これからも楽しく行事を続けていけますように♪
天筆立ての準備作業の様子をお届けしました!

また、夜の小正月行事本番の様子は下記のリンクからご覧ください♪
2024年・田ノ尻集落の小正月行事~後編~