2月の中旬頃、小神成(こがなり)地域をはじめ、大仙市太田(旧太田町)では小正月行事として「火まつり」が行われています。
小神成地域にある田ノ尻集落の火まつりでは、現在は「雪中田植え」「天筆(てんぴつ)行事」「紙風船上げ」などの小正月行事が一挙に行われています。現在の火まつりの元となったのは、150年以上前から各家々で行っていた「雪中田植え」ですが、時代が移り行き、専業農家が徐々に減少し、それに伴って「雪中田植え」を行う農家も減ってしまいました。
そのため、「天筆行事」と一緒に行うことで、「雪中田植え」の伝統を残そうとしたのです。「天筆行事」とは、長い棒に藁(わら)を結び付けて作った高さ数メートルの塔(“かまくら”もしくは“天筆”と呼ぶ)に、まつり本番の夜に火を付けて燃やし空へ願いを届けるのものです。この際、五色の長い短冊に筆で家内安全や商売繁盛の願い事を書き一緒に燃やすのですが、この短冊のことも「天筆」と言います。
祭り当日は、「雪中田植え」から始まり、田植えが終わると地域住民が4~5日かけて製作した紙風船が上がります。紙風船が空高く舞い上がった後は、フィナーレ「天筆行事」です。冬の夜空に燃え上がる火祭りは、地域の願いを天へと運びます。
今では、これらの火まつり行事は地域住民たちが顔を合わせる大切な機会になっています。
令和4(2022)年2月更新
【関連リンク】産地直送ブログ
→田ノ尻集落の小正月行事(2023年3月掲載)
→田ノ尻集落の火まつり・後編(2019年2月掲載)
→田ノ尻集落の火まつり・前編(2019年2月掲載)
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