湯沢市の移住コーディネーターとして活動中の増永洋子さんから
若畑集落の「鹿島様づくり」のリポートが届いたのでご紹介します!
4月29日に、若畑集落で「鹿島様づくり」が行われました。
鹿島様の衣替えは、この時期を含め、
年に3回(4月、7月、11月)行われています。
鹿島様は、無病息災・豊作祈願などを祈願する地域を守るワラ人形で、
集落の入り口に祀られています。
詳細はこちら→若畑の鹿島様(元気ムラ応援サイト記事)
この日、参加したのは10世帯中9名。
みんなで会話しながら和やかな雰囲気で作業が進んでいきます。
刀の部分など、鹿島様の部品に必要な枝を準備します。
漆の枝を選ばないように気をつけながら、
細いものや、しっかりしたものなど、適した枝を選んでいきます。
古くなった鹿島様の横に、お餅(ぼた餅)を包んでいたワラ(写真左)がありました。
鹿島様の衣替えが行われると、各家庭で作ったお餅をワラで包み、
鹿島様にお供えするのが若畑の風習です。
古いワラの中のお餅は……ありませんでした。
鳥たちが食べてしまったようです。
ワラをよく見ると、全ての包み方・編み方が家庭によって違います!(写真右)
それぞれの方法や工夫を感じますね!!
衣替えが始まりました。
完成近くなると、地域の皆さんはうれしそうに、ほほえんでいます。
自分が作った部分を見て「今年の出来ばえはダメだな~」なんていう声も。
作ったものに満足しない姿もまた伝統を守るのには大切ですね。
完成しました。全員で参拝します。
冬期間の積雪で、ペタっとなっていた鹿島様のワラの兜もこの通り♪
身長1メートルにも満たなく、
小柄で可愛らしい鹿島様はどのようにできているのでしょうか。
(写真をクリックすると拡大表示されますよ)
鹿島様に加え、集落の入り口2か所には、
“にんぎょ様”と呼ばれるワラ人形が祀られます。
新しい鹿島様が完成すると、地域の方がお餅を持ってお参りします。
お供え物は、写真のように枝にかけます。
ワラの中には“ボタ餅”が入っていますよ。
よく見ると、隙間からあんこが見えますね。美味しそうです。
鹿島様づくりを終えると、お地蔵様と神社の冬囲いを外しました。
地域の方とお話しする中で、「自分たちの地域が好き」とおっしゃっていました。
驚くことに、行事や集まりは参加率100%!!
よほどのことがない限り必ず1世帯から1名は参加します。
こうした一人ひとりが地域のことを思う気持ちが、
地域の絆となっていると改めて感じました。
☆☆☆☆☆☆ お ま け ☆☆☆☆☆☆
〈春の恵み〉
地域の方がヨモギとコシアブラを見つけ、天ぷらを作ってくれました。
新鮮で甘く、とてもおいしかったです。
(食べるのに夢中で、天ぷらの写真撮り忘れました。)
春の暮らしを教えてもらい、より若畑の魅力を感じました。
丸いかゆもちを適当な大きさにして、油で揚げます。
その後、甘いタレや砂糖をまぶして出来上がりです。
表面はパリッとしていますが、中はふんわりしています。
甘い味で、子どもたちも大好きです!!
秋に若畑集落で行われる紅葉まつりでは、
市外から若畑もちを求めにお客様も来られます。
作るには手間と時間がかかり、地域でも作れる人が限られているのだとか。
貴重な保存食です。
詳細はこちらから
→若畑もち(元気ムラ応援サイト記事)
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増永さんのリポート、いかがでしたか?
秋田県内では、地域に悪いものが入らないよう、
人形道祖神を祀るところが多く見られます。
「鹿島様」「鍾馗様」「ニンギョ(人形)様」「地蔵様」などなど、
呼び名も形も地域により異なりますが、
その土地に暮らす人々が受け継いできた大事な伝統ですね。
増永さん、リポートありがとうございました!(^^)