2月10日(日)に行われた、大仙市小神成地域田の尻集落の火まつりのリポート後編です!
前編は次のリンクから、ご覧ください(^^♪↓
【産地直送ブログ】皆の願いよ天まで届け!大仙市小神成(こがなり)地域田の尻集落の火まつり! ~ 前編 ~

夜、辺りはすっかり暗闇に包まれ、かがり火、神棚、灯ろう、ミニかまくらの温かい光が、会場をほんのり照らし、幻想的な雰囲気になっていました。

  

  

会場には、雪中田植えの型付けを行う男性と、早乙女(さおとめ)の皆さんが集まっていました!

早乙女が腰に下げている籠は、4年前から、有志の男性たちが作っているもの。
師匠となる人がいなかったため、試行錯誤をしながら、昔ながらの籠を形作ることができたそうです。

雪中田植えの田んぼを囲む縄には、キュウリをかたどった木が下げられていたり、柳の木が立て掛けられていたりします。

田んぼの周囲に設置されているものには、「キュウリをかたどった木」は野菜がいっぱい採れるように、「柳の木」は芽吹きがよくなるように……など、それぞれ意味があるんです。
雪中田植えで植える「稲わら」「豆がら」にも、稲は米がいっぱいなるように、豆がらは実がいっぱいなるように……と、それぞれに願いが込められています。

さて、雪中田植えが始まります!
まずは田んぼに型を付け……

早乙女たちが一斉に「稲わら」と「豆がら」を植えていきます!

初めて早乙女を務める方もおり、周囲からは、先輩たちからのアドバイスが飛んできます。

一昨年から早乙女を務めている女性は、14年程前に田の尻集落に嫁いできました。
早乙女を初めて体験したとき、「自分が住んでいる集落で、こんなに珍しい行事を継承していたんだ」と、改めて認識したそうです。

見事に植えきりました!

壮観ですね~!
この「稲わら」には、穂が付いたままなんですよ。

※写真は、準備の際に撮影した稲わら。
珍しいですよね~!

続いて、紙風船上げ!

バーナーで温かい空気を入れ、膨らませていきます。

子供会の紙風船には、0歳から小学6年生までの、20名の名前が書かれています。

もう一つの紙風船には、昨年の甲子園で秋田を沸かせた、金足農業高校の吉田選手の姿も描かれていましたよ!

フィナーレは「天筆(てんぴつ)行事」!

藁でできた「かまくら」に火を付け、その火で「天筆」を焼き、願いを天まで届けます。
子供会の男性たちに天筆行事の思い出を聞くと、
「昔は親父が火を付ける役で、それを子供たちが妨害するのが恒例だったんですよ。藁を巻いた木で叩いて火を付けさせないようにしていました(笑)」と、話してくれました。
「綱引きやったこともあったなあ」
「地面ツルツルでな~!」
と、思い出話に花を咲かせていました。

田の尻集落の火まつりは、天筆行事と雪中田植えの合体から始まり、雪中田植えの型付け、早乙女の衣装を本格的にするなど、単純に受け継いでいくだけでなく、楽しみを増やしていこうと、たくさんの試みを行ってきました。

今年は灯ろうを初めて作ったそうです(写真は準備の際に撮影した灯ろう)。
「楽しくなかったら続かないでしょ?だから、自分たちが楽しまないと!」
そう笑顔で話す水谷会長と、集落の皆さんの姿を見て、積み重ねた歴史の数だけ、たくさんの笑顔が垣間見えたような気がしました。

以上、田の尻集落の火まつりを集落活動コーディネーターがお届けしました!