6月23日(日)、横手市福島(ふくじま)地域で、「根っこ掘り」が行われました!
「根っこ」とは、一万年ほど前から草や根などが蓄積し、炭化したもので、正式には「泥炭(でいたん)」と呼びます。
掘り出した根っこは、よく乾かすとストーブや風呂に使う燃料になります。
今回、根っこ掘りには9名が参加しましたよ! 当日の様子をお届けします(^^)/☆
福島地域で根っこ掘りが復活したのは、平成29(2017)年6月。
住民同士が交流する機会を増やそうと、福島地域の有志が始めました!
根っこ掘りについては、江戸時代の紀行家、菅江真澄が著書『雪の出羽路』に記しており、田村根っこの灰は、質が良いものは、献上品や土産物にしていたことなどを書き残しています。
この近隣には山が無く、薪を調達するのは容易ではありませんでした。その話を聞いた弘法大師が、一晩泊めてもらった礼として泥炭地を授けたという伝説も残っています。
主に、福島地域を含む「田村(たむら)」で採れたことから、「田村根っこ」と呼び、自分たちが使う燃料として重宝されていました。さらに、近隣の集落に売って生計を立てるなど、生活の中になくてはならないものだったんですね。
この一帯が泥炭地!
この地中に、根っこが眠っています。
まず、ショベルカーで地表を掘り……
上の写真のような色の粘土層が出てきたら、手掘りで泥炭層を見つけます。
根っこ掘りに参加した女性は、「子供のころ、粘土代わりにして遊んでいた」と、懐かしんでいました。
泥炭層が見えてきたら、いよいよ根っこの切り出し作業!
切り出し作業には、次の道具が活躍します!
●疵(きず)たて ●ヘラ、鍬(すき)
工程1:シャベルで表土を削る
工程2:疵たてで土にマス目を入れる
工程3:鍬で切り、ヘラで取り上げる
根っこを切り取る長さは、45センチほどと決まっているそうです!
最初に切り出した根っこは……
「これは”ぼや根っこ”だな!」
スカスカであまりよくない根っこは、ぼや根っこと呼びます。
燃料として使っても、長持ちしないのだとか。
こちらはその後に切り出した根っこの断面。
堆積した草や根っこがギュッと詰まっています!
これはよく燃えそう!
こちらは、掘り出された根っこ。
細長い根っこと、板状の根っこがありますね。それぞれ、一本上げ、二本上げと名前があるんです。
一本上げは燃料にするときに割らずにそのまま入れられるが、運び出しの時に折れてしまう可能性が高い。
二本上げは大きいため割って燃料にする。運び出しでは安定している。
根っこを売って生計を立てていたころは、折れてしまうと商品価値がなくなってしまうため、一本上げはあまりしなかったそうです。
今回は2段掘りで100個近くの根っこが採れました!
採れた根っこは、秋ごろまで乾かし、冬場のストーブの燃料に使用します。
水分がなくなるまで、よ~く乾かすので、燃料にするころには半分以下まで縮むそうです。
50年ほど前までは、根っこを売って生計を立てていたため、
根っこ掘りは家族の一大作業でもありました。
その当時は、夏休みの子供たちも作業に駆り出されました。
小学校5、6年生になると、切り出された根っこを運ぶ作業を任されたそうです。
今は、根っこを掘った穴は埋めて元に戻しますが、昔は穴が開いたままでした。
その穴に、近くの川が氾濫して流れ込むと、魚も一緒に穴に流れ込むため、子供たちは魚釣りに行くのを楽しみにしていました。
子供たちにとって、嫌な作業だったという根っこ掘りですが、その作業により、楽しみも作り出されていたようですね。
福島地域の鈴木長悦さんは、「住民同士で集まって話す機会はなかなかない。根っこ掘りをしながら情報交換ができる場となっており、とてもいい」と話してくれました。
今年も、わきあいあいと、昔話に花を咲かせながらの根っこ掘りが完了♪
「燃やして真っ赤になった根っこを見ながら一杯やるのが最高なんだよ」と言いながら見せてくれた、楽しみな気持ちが伝わってくる笑顔が印象的でした(^^♪
以上、集落活動コーディネーターが、根っこ掘りの様子をお届けしました!
●おまけ
この日、「福島停留所」は臨時休業でしたが、中では七夕の飾りつけをしていました!
折り紙で作られた飾りがかわいいですね~(^^♪
住民たちから短冊を書いてもらい、ますます賑やかになりそうですね♪