大正14(1925)年に設立された雄勝鉄道は、昭和3(1928)年、湯沢~西馬音内間8.9kmを結ぶ鉄道として開業しました。その後、昭和10(1935)年には西馬音内~梺(ふもと)間が開通し、最盛期には通勤、通学など一日あたり1800人あまりが利用し、10往復の運転がありました。

   しかし、自動車の普及などから公共交通の主役はバスに移行し、昭和42(1967)年に西馬音内~梺間が廃止され、ついには、昭和48(1973)年、湯沢~西馬音内間が廃止となり、その姿を消しました。
   歴史的にも古い貴著な車両3両(デハ3)を町がもらいうけ、記念に保存していましたが、風雪により車体が痛んだため、昭和58(1983)年、地元の方と旧雄勝線の運転手が保存に立ち上がりました。盗まれた部品の代わりを骨董屋で探し、足りないものは特注して製作しました。
2ヶ月あまりをかけて見事に復元された列車は、町が制作した保存のための倉庫の中で、今も静かに当時の様子を私たちに伝えてくれます。


  この車両「デハ3」は、現在も観覧することができます。

令和2(2020)年11月掲載
■参考文献
羽後町発行/「羽後町探訪」
元西ガイドブック作製委員会/水と緑と史跡の里

【お問い合わせ】デハ3号車両保存庫
●住所 〒012-1137 秋田県雄勝郡羽後町西馬音内堀回上石                   地蔵10-3
●電話 秋田県羽後町役場 みらい産業交流課
              0183-62-2111(内線223~225)
              希望日の3日前までにご連絡願います。
●営業時間 9:00~17:00(定休日:土、日、祝日)
※事前予約が必要です。また、冬季期間は積雪により観覧できない場合もあります。

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