鹿角市の松館(まつだて)地域は、
1200年前に始まった尾去沢鉱山と深いつながりを持ってきました。尾去沢鉱山隆盛期には、地域の人々は農業を行いながら鉱山で働きました。

 農林業の共同体という意識が色濃く残る松館では、農家が一同に休めるよう「農休日」を設けています。農休日は農家の女性たちに自分の時間を持たせるためにも継続していくべきと考えており、農休日を兼ねた6月第一週の日曜日に行われる集落運動会は、天神グラウンドを会場に長年続いてきている大事な行事です。

 自治会では、道路補修や刈り払いなど集落の環境維持を行っており、その他にも、天神会(老人クラブ)、青年会、子供会、婦人会がそれぞれの活動を行っています。8月5日には、子供会が木枠に絵柄を張り付けた灯篭を持ち、太鼓のあとに続いて集落を一周する「七夕行事」を行います。また「花踊り」と呼ぶ盆踊りを運営するのは青年会。実用的な賞品もつき、集落外の人々でも飛び入りOKな伝統行事です。

 松館のまとまりの強さは、八幡平地域の地区対抗運動会でも発揮されます。松館改善センターには優勝の賞状が山ほどあり、「足の速い人だけが参加するのではなく皆が参加するから勝てる」のが強さの秘訣だそうです。

 そんな自治会活動の中でも、4月24、25日に行われる菅原神社例大祭は、一番の年中行事。地域の信仰の中心となっています。かつては、周辺の学校の子供たちが一斉に集まり、露店が立ち並ぶほどの賑わいをみせるなど、24日の前夜祭は、何よりも楽しみの一つでした。「皆で働いたあと、一杯やりながら会話を交わす」その楽しみを人々は今も共有しています。松館では、住民一体となって地域行事を続ける活動を行っています。

平成23(2011)年4月掲載

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