お寿司屋さんで目にするさば寿司とは違い、大館市中野地域のさば寿司は、こうじで漬けられた鮮やかな色合いを持つなれ鮨の一種で、主に寒い時期に食べられています。
あらかじめサバを酢とみりんに7時間漬けておき、キャベツ、にんじん、大根などの野菜をお好みで切り、野菜を塩で一晩漬けます。次に、お湯でこうじを戻し甘酒にし、サバと野菜の水を切り、交互に混ぜてふのりを入れ、一晩漬けてなじませると完成です。サバはサバ、野菜は野菜で別々に漬けるので、たいへんに手間暇かけて作られている料理です。
甘酒の甘さと、お酢の酸っぱさが程良く合わさり、その甘酸っぱい美味しさに頬がほころびます。野菜の歯ごたえと、魚の柔らかさが合わさった、独特な食感がたまらない一品です。
平成23(2011)年4月掲載
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