仙北市北部川崎地域のほぼ真ん中に、電波塔が目印の小高い山があります。
この山は「観音岳」と呼ばれ、北部川崎地域の象徴的な山となっています。名前の通り山中にはお堂や神社があり、信仰を集めていたことも伺えます。
角館市街地から県道250号線に入ると左に見えてくる大きな鳥居、ここが観音岳の入り口となっています。参道となっている登山道は、電波塔の保守整備のための道路として整備されていました。
最初の小川を渡る木橋に注意して登り始め、少し行くとすぐに小さなお堂があります。さらに中腹付近には大きな社殿を持つ「三角神社」が鎮座しています。この三角神社というちょっと変わった名前は、「院内の神社」、角館の「大威徳山」、そしてこの観音岳を結んだ三角、という意味でつけられたのだそうです。社殿には立派な厨子が納められており、藩主の佐竹公がこの神社を訪れるということで特別に作られたと言われています。また、絵馬や奉納額もたくさん納められており、地元の信仰を集めていることがよくわかります。
神社の裏から頂上を目指して登ると、太平山の小さな祠があり、そこから稜線を登っていくと電波塔の真下に出ます。稜線や頂上からは、木々の間から山谷川崎地区を見下ろせます。
また、登るだけでなく秋の紅葉も美しい観音岳。紅葉の季節になると、周囲の山並みと共に山がオレンジ色に染まるのは一見の価値があります。
平成24(2012)年5月掲載
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