画像:熊野神社と例大祭

   にかほ市琴浦地域の産土である熊野神社は、かつて琴浦地域から南東の方角にある鐙館(あぶみだて)周辺に鎮座していたと伝わっています。神社の歴史は宝治年間(1247年~1249年)以前から伝わっているとされ、その頃には神仏習合のお祭りが行われていました。

 熊野神社が現在の場所へ移されるまで4回ほど場所が変わったと伝えられていますが、初めに移動されたのは永禄元年(1558年)3月15日のことで、鐙館から字下野へ移され、この時、新たに御神体を和歌山県の熊野本宮大社から勧請して祀っています。
 
 熊野神社の祭典は毎年8月第一土曜日に宵宮、日曜日に本祭が行われます。宵宮は、神事の後、直会を行うのみでしたが、およそ20年前に現在の御神輿を購入したことをきっかけに「槲(かしわ)会」を立ち上げ、出店や奉納演芸大会を行うようになりました。
 
 宵宮祭では境内に金魚すくいやモツ煮込みなどの屋台が立ち並び、地域の若者たちがお手伝いに集まります。奉納演芸会は地域の芸達者な方々が歌や踊りを披露し、大いに盛り上がります。
 本祭は、御神輿が地域内を巡幸し、「琴浦熊野神社御宝頭十二段」と呼ばれる獅子神楽も奉納されます。熊野神社は、地域の皆さんが昔から守り続けている大切な宝物です。
 
平成28(2016)年3月掲載
 
【参考文献】
『仁賀保町史』

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