画像:琴浦自治会の活動

   にかほ市の琴浦地域は、平安時代のはじめ頃にあたる大同年間(806年~810年)以前に旧家佐藤忠右衛門の先祖が開いたとされる地域です。年代は確かではありませんが、33軒で始まったと言われ、慶応3年の琴浦村屋並図には、39軒の家が確認できます。

 琴浦地域に自治会のようなものができたのは、「琴浦村」という名称で、村の親方衆が村を取りしきったことが始まりと言われ、平成14(2002)年4月に「琴浦自治会」として、法人化しました。
 
 琴浦自治会は会長、副会長、事務局長の3役がおり、財務部、総務部、警備部、福祉部、厚生部、文化体育部の6つの部会で形成されています。それぞれの部会で様々な企画を担当しており、例えば福祉部はサロン事業や敬老の集いの企画など、文化体育部は子供昔遊び体験や体育レクリエーション大会の企画、運営などを行っています。

 さらに、琴浦地域は津波災害時の「避難困難地域」に指定されていることから、防災訓練にも力を入れています。全市一斉の訓練前に、「訓練のための訓練」として、独自の防災訓練を行っています。

 また、自治会では「自治会要望活動」を毎年欠かさず行っています。各班長が回覧で住民の要望を確認し、上がってきた要望をもとに現地を調査し、その中で優先度が高い要望を取りまとめ、にかほ市へ書類を提出しお願いをします。
この活動は、住民の困りごとを知るためにも、大切な活動と言えます。

 
 そのほか、自治会が支援する団体のことを「琴浦自治会指定団体」と言い、琴寿会、婦人会、熊野神社、琴浦集落百万遍講中などをはじめとした9団体が指定されています。それぞれの団体が、年間を通して独自にいろいろな活動を行っています。
 
 自治会の皆さんは「33軒あった当時から比べると、琴浦地域はかなり大きくなったが、新たに引っ越してきた方々も昔の風習を一緒になって継承してくれる」と話していました。そう話す皆さんの表情には、住民のまとまりの良さや人柄を誇りに思っているように感じられました。
 
平成28(2016)年3月掲載
令和 2(2020)年12月更新

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