画像:根子地域の活動

 北秋田市根子地域では、平成3(1991)年、根子マタギと根子番楽についての調査をまとめた冊子を発行しています。

 マタギと番楽は共に、先祖が残した貴重なもの。根子の「旅マタギ」は広く東北・北陸地方の集落に、根子番楽は秋田方面への山道沿いの集落に、それぞれ影響を与えてきました。「原型である根子のものとの違いを比べることで、新たに浮かび上がる部分があれば」と、マタギの習俗を記録し、番楽の失われた題目を掘り起こしたいと冊子を発行しています。

 また、草刈や根子トンネルの清掃など、集落の手入れは住民が参加して、定期的に行われています。車を使用しない人にとっても、トンネルは大切な生活道路です。
 平成19(2007)年、旧阿仁町議だった山田博康さんが東北電力の支援事業「まちづくり元気塾」に応募したことで。数度にわたって専門家のアドバイスを受け、地元の魅力を再認識する機会になりました。
 
 こうした活動が注目されて、平成20(2008)年度、「県農山村活力向上モデル事業」の対象地区に選定されます。訪れる観光客が通過する「根子トンネル」を抜けてすぐ、集落の入口付近の杉を伐採して、見晴らしの良い眺望でお迎えができるように修景作業を実施しました。また、目立っていた民家の青い屋根を焦げ茶色に塗り替えたことで、隠れ里は景観に溶け込み、より落ち着いた雰囲気に変わっています。
 
 同年、古民家を再生した宿泊・交流施設「二又荘」で、「阿仁の食フェスタ」が開かれました。この後も、外部の人に根子地域に触れてもらおうと「根子番楽まつり」などを開催し、地元の女性たちが腕を振るった郷土料理をふるまうなど、地域を広く外部に発信しています。
平成22(2010)年4月掲載
令和4(2022)年2月更新

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