2月15日(日曜日)、北秋田市七日市地域の葛黒集落にお邪魔し、「葛黒の火まつりかまくら」のご神木づくりを取材してきました。

 葛黒の火まつりかまくらは、高さ10メートル近いご神木を立ち上げて火を付け、「かまくらのごんごろー!」と叫びながら、無病息災、五穀豊穣を願う小正月行事です。約20世帯が暮らす葛黒集落の伝統行事ですが、平成11年(1999年)、担い手や稲わらの不足により中断していました。平成26年(2014年)、地域おこしグループ「おさるべ元気くらぶ」と行事を復活させて以降、地域内外の人が葛黒集落に足を運ぶようになり、現在は北秋田市無形民俗文化財に指定されています。

 

 今年は大雪にみまわれた秋田の県北地方。葛黒林業センターの屋根の上や道路脇の雪が、北秋田市の大雪の量を物語っています。これでも雪の量は少なくなったそうです。

 

●ご神木の切り出しと運搬



 葛黒集落に到着すると、道路脇の山から、チェーンソーの音が聞こえてきました。住民の皆さんがご神木用の栗の木を切り出していました。切り倒した栗の木をロープで重機とつないで山から引っ張り出すのですが、周辺の木々や電線を巻き込まないよう、神経と体力を使う作業です。

 

 ご神木に飾り付ける竹なども一緒に切り出しますが、腰近くまで積もった雪山での作業は重労働です。途中、ご神木が埋まらないよう、雪を寄せるなど、会場までの運搬は一大プロジェクトでした。


 約30分かけて、高さ13メートルほどの栗の木を市道まで引っ張り出しました!

 

 道路には栗の木の名残が残っていました。ご神木が歩いているようです。



 雪が積もった田んぼの上を歩く住民の皆さん。この日は、朝方は氷点下に冷え込み、霧の中を運搬する様子は絵画のようでした!

 

 会場では、重機で雪を掘り出し、ご神木が倒れないように固定する作業が行われました。

 

 ご神木がバランスよく立ち上がるように、枝を切り落としたり、その枝をロープでくくりつけたりしていきます。このあたりは、住民の皆さんの長年の経験が生かされています。


 

 そして稲わら。この稲わらを全てご神木に飾り付けます!


 

 軽トラックの荷台いっぱい稲わらを載せて、ご神木まで何往復もしました。相当な量です。


 葛黒の火まつりかまくらの主役は、やはり、このご神木です。
 ご神木の高さは、集落の元気の現れともいわれ、どんどん大きな木を使うようになったそうです。住民の若手の方が、飾り付けをする先輩たちを「この人たちは(まつりの)プロですから」と話していました。ご神木づくりには、集落の皆さんの貴重な経験がつまっています。



 作業の合間に住民の方にお話を聞いてみました。火まつりかまくらは、子どもたちの行事で、祭り当日は朝から稲わらをもらいに家々を回ったそうです。住民のほとんどが農家で、稲わらが当たり前にある時代でした。現在は、農業が機械化されたことで便利になりましたが、その分、稲わらの入手が難しい時代に変わってきています。
 12年前に行事を復活させた際、各地から稲わらを集めていましたが、提供してくれた農家が引退することになり、来年の稲わらの確保ができない状態になっています。


 
 
 このように稲わらの入手が困難になったほか、住民の方の高齢化などで、まつりの継続が難しくなっており、運営に携わってきたおさるべ元気クラブでも、市役所等と相談し、今後の形を模索していくそうです。



 こちらは、夕方のご神木立ち上げの様子です。地域内外から葛黒集落に人が集まってきます。今では市のお宝(無形民俗文化財)になりました。


 この日の北秋田市は、気温が10度近くまで上がり、雨が降ることもありましたが、無事にご神木を立ち上げ、子どもたちの「かまくらのごんごろー!」の声が、葛黒集落になりひびきました。

 

 燃えたご神木はご利益があるといわれています。切り分けたご神木を参加者に配り、今年のおまつりも無事に終えることができました。今年一年、地域の皆さんが健やかに過ごせますように!七日市地域からお届けしました!

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 葛黒の火まつりかまくらに使う稲わらについて、
 ご相談、ご協力いただけるという方は、下記までご連絡ください。
 ●おさるべ元気クラブ 事務局(長岐) 090-6101-8906
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