6月4日(水曜日)、湯沢市岩崎地域の「ふるさとふれあいセンターかしま館」で第1回目の郷土料理教室が行われました。今では、一般家庭でなかなか作られなくなった郷土料理を、昔ながらの料理そのままでなく、アレンジを加えて一緒に作るのを楽しみましょう というコンセプトで、今年度から始まった事業です。
それでは、当日の様子をお届けします!
今回、講師を務めるのは地域活性化任意団体「いわさきねっと」の代表、大沢沙織さんです。大沢さんは「旅するMinja(みんじゃ)」の屋号でおなじみの方です。キッチンカーで県内のイベントはもちろん、県外にも(主に鳥取県)出かけ、人様の台所でそこの名産品と秋田の食の文化を掛け合わせた料理を提供しています。
Minja(みんじゃ)とは、秋田弁で「台所」という意味とか。
今回のメニューは「季節のフルーツ寒天」「三五八のミネストローネ」「寒天ごはん」の3品です。寒天ごはんって何?三五八のミネストローネ?気になるメニューばかりです。寒天ごはんは、ごはんを寒天で固めるのかと思いきや、粉末寒天を入れた炊き込みご飯を作ることでした。粉末寒天を入れることで、米がコーティングされてパサパサした出来上がりにならないそうです。「うーん、なるほど、そういうことか」と納得です。寒天ごはんの具材を炊飯器に投入し、30分おいてから、炊飯スイッチをいれました。
ごはんが炊き上がるまでに、フルーツ寒天、牛乳寒天を作り、冷蔵庫で冷やし固めました。県南には寒天文化が根付いているのかと思っていましたが、この日参加された皆さんは、家ではほとんど作らないとか。分量や粉末寒天の溶かし方の詳細など、大沢さんに質問攻めの場面も!
「家で一人で、黙々と作るより、相談しながらにぎやかにできるのが楽しい。」と参加者の包丁を持つ手も軽やかでした。
残すは、「三五八のミネストローネ」!三五八と言えば、魚や肉の味付けに使用されるイメージがあるのですが、ミネストローネに染み込ませるのかなと思っていたら
ほんの少しだけ、ミネストローネの具材が入った鍋に投入するだけでしたよ。三五八は東北地方の伝統的な発酵食品ですが、調味料の塩としての役割があるそうです。大沢さんいわく、「発酵食品は県南の食文化でもあるので、麹を取り入れる料理を生活の中に自然に取り入れてほしい。また、発酵食品は体にもとても良いので。」とのことでした。
そして、秋田の伝統野菜「八木にんにく」を最後に鍋に入れました。八木にんにくはあまり煮詰めると風味が損なわれるとか。
(※「八木にんにく」は、増田地域の八木地区で栽培されている江戸時代から続く伝統野菜です。)
ごはんも炊き上がり、この日のメニューが完成!
大沢さんのご好意で、追加の料理が!スイカに三五八とオリーブオイルで味付けをして、スイカサラダの出来上がりです。とっても美味でした。スイカにお塩をかけて食すことはありますが、三五八という発想はなかったですね。参加者の方々も驚きの連続でしたよ。
最後は試食!皆で作り、作ったものを皆で食す時間は癒しのひとときですね。「毎日、毎日、自分の味付けばかりで食べてると飽きてくるの。今日、参加して新しい味を覚えることができて、すごく良かった。」と話す方もいましたよ。
主催した、かしま館の職員の方も、講師の大沢さんも、もっと県南の発酵文化を浸透させていきたいと、次回も三五八を使ったメニューになるようです。
次回は7月2日(水曜日)の予定です。手軽にできるお料理ばかりですので、お近くの方はぜひ「郷土料理の会」に参加してみてください。
以上、湯沢市岩崎地域からお届けしました!
●おまけ
国道13号線沿いに佇む岩崎地域、緑町の「かしま様」!男性の神様と言われています。4月に衣替えをしたばかりで、綺麗な姿をしていました。
ふるさとふれあいセンターかしま館に飾られていた「ケラ」!建設現場などでよく使用されている安全ロープで作られたものだそうです。ワラを編む技術があると材料が違っても制作できるのですね。