2月14日(日曜日)、にかほ市の下荒屋地域で「初午祭」が行われ、地域の小中学生の男の子たちが、獅子舞を奉納しました。これまで、産地直送ブログでは、にかほ市の横岡と赤石、2つの集落の初午をご紹介してきましたが、今回は下荒屋地域の初午です!

  
 上の写真は象潟漁港。この日は暴風警報が発令されて大荒れの日本海……


  下荒屋地域の稲荷神社にお邪魔すると住民の方が集まっています!

   
 厳粛に神事が執り行われたあとで、子供たちの獅子舞が行われました。獅子舞を奉納するのは中学生。太夫(たよ様)の役は小学生が努めます。中学生は明治時代の“若旦那”のような着物姿に対し、太夫役の小学生の衣装は金銀の配色で華やかです。


 初午の獅子舞が始まりました。本番前の8日間は、毎晩、集まって練習を行ったそうです。

  
 上の写真は、お札、昆布、麻。


 この三つを獅子に食べさせて、お祓いをする所作がありました。
昆布は海の幸、麻は山の幸を意味するのではないか、と、お父さんたちが話していましたよ。


 「象潟町史 通史編」によると、この獅子舞は「十二段獅子舞」と言われ、象潟のほとんどの村に伝承されていると言われるほど、広く伝わっていたそうです。お正月や春の村の祭礼の時は「お頭巡行」として大人たちが地域を練り歩き、悪霊を払い、五穀豊穣を願う風習が今も見られます。下荒屋地域でも5月中旬の古四王神社祭典で大人が獅子舞を奉納するそうです。




 地域の皆さんが、獅子舞を見守ります。


 獅子舞が終わると、お札を渡したり、獅子頭で子どもたちの頭を噛んであげていました。


 神事終了後は、地域の各家々に出発!


槍や大奉幣(だいほうべ)を持つ子や、お囃子の太鼓、じゃが、そして旗持ち!稲荷神社のお祭りは赤い旗が鮮やかで目をひきます♪

  
希望のあった家にお邪魔して、仏壇や神棚の前で獅子舞を奉納します。途中、初午の一行を見かけたお宅から「うちでもやってくれ~」と声がかかることも (^^)


この日は半日にわたり、太鼓やじゃがの音が地域内に響き渡っていました。


こちらは神事終了後の直会で出されたタラ汁♪中央に見えるのが「肝(肝臓)」!ちょっと外見は苦手な方も味は絶品なのでオススメです♪下荒屋地域では、「初午といえば必ず“タラ汁”」を出すそうです。象潟漁港であがったばかりのタラを大鍋で味噌で煮込みました。地元の漁師さん曰く、「タラは“ザッパ汁”が一番ダシが出ておいしい!」(^^) 昔の初午では、金浦の掛魚まつりのようにタラをずら~っと並べて奉納したそうです。


下荒屋地域のお父さんたちから聞いた話では、昔は子供がたくさんいて、獅子の役をやるまでには一苦労だったそうです。旗持ちから獅子の役までランクがあって(^-^; このような中で人間関係を学びました。
この日は、子供の獅子舞が終わった後の夜の直会で大人たちの獅子舞が披露されたそうです。獅子舞が地域の子供と大人をつないでいるのですね♪

以上、にかほ市下荒屋地域からお届けしました!

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●番外編

初午祭りが始まる前に、下荒屋の開館に立ち寄ったところ、下荒屋女性部の皆さんがタオル作りを行っていました(^^)
毎年、ボランティア活動で福祉施設に手作りの清拭タオルを寄付しているそうです!