梅内(うめない)地域は、世界自然遺産に登録されている「白神山地」の麓に位置し、11の小集落から構成されています。また、集落を連なるように流れる種梅川にはヤマメやイワナなどが生息し、自然豊かな地域です。
4月12日(土曜日)、二ツ井宝の森林(やま)プロジェクトの皆さんと山菜倶楽部の皆さんが、合同でキノコの栽培作業を始めました。
この梅内地域の2つの組織は、普段からそれぞれ森林整備や森林に親しんでもらう活動、収穫した山菜の販売などの活動をしています。
(※梅内地域の活動の詳細については、こちらからどうぞ)→梅内集落ホームページ
 それでは、当日の様子をお届けします。
作業は、梅内地域の方約30人で協力して行い、「馬子岱土場(うまこたいどば)」と土場から車で数分の「ほだ場(ほだば)」で行われました。

 

 馬子岱土場では、原木にナメコとシイタケの種菌を植え付ける植菌作業が行われていました。
植菌作業は、原木にナメコとシイタケの菌を打ち込むための孔を、ドリルとキリで開けて、開けた孔にキノコの種菌を金づちで打ち込みました。キノコには、それぞれ栽培に適した原木があり、ナメコの栽培にはサクラの木を、シイタケの栽培にはナラの木を使用しているそうです。
この原木は、昨年地域で伐採した間伐材を利用しているそうですよ。
孔を開ける作業を経験させていただきましたが、原木を転がしながら2人一組で息を合わせての作業はとても大変でした!

 

 少し離れたところでは、まいたけの栽培の準備が行われていました。
菌床まいたけブロックの袋にカッターで穴を開けて3個くっつけ、ほどけないように紐で縛る作業をしていました。
この菌床まいたけブロックは、藤里まいたけセンターから、使用済みのブロックを購入し、再利用しているそうです。
使用済みの菌床まいたけブロックは、3個つなげそれぞれのブロックの養分を互いに行き渡らせることで、もう一度まいたけが生えてくるようになるそうです。

 

 この日は天候に恵まれ、気温がどんどん上がり、10時には休憩時間を設け、水分補給の時間を取りました。
休憩時間には、初めて活動に参加された方の自己紹介を行い、地域とつながる場をつくっていましたよ。
3月末から来日しているコンゴ民主共和国の方も!1年間、集落行事に参加しながら、農業について学ぶそうです。

 作業再開です!

 

 昨年菌床を置いたところと、本日原木を置くところは、枯れ葉や小さな枝木がありましたので、休憩の前にきれいにしました。
例年、さらに奥の林にも菌床まいたけブロックを運ぶのですが、大雪がまだ溶け残っていて、1か所にまとめることにしたそうです。

 

 菌床と原木をほだ場の近くまで軽トラックで運んだ後は、傾斜のある所の木をかき分けるように運搬車で運びました。
とても傾斜がありましたので、運搬車が横転しないかと見ている方はヒヤヒヤしていました!

 

 

 2年前から置いている菌床がたくさんあるのですが、中にはもう生えてこないだろうと思われる菌床があり、新しい菌床まいたけブロックと入れ替えました。
入れ替えた後は、残りの菌床まいたけブロックを新たな場所に置きました。
菌床は年月が経つにつれて、養分が少なくなり、厚さが半分位になっていました。

 

  

 

 植菌した原木は、菌が原木に行き渡るようにするために、直射日光を避けながら適度な水分を保つように、数か月間ブルーシートを被せて置いておくそうです。
その後、シイタケの原木は立てて、ナメコの原木は生育に水分を多く必要とするため横にして並べ、秋頃の収穫を待ちます。収穫は4、5年間できるそうです。

 


 作業を終えた後は、みんなでランチタイム!
ベテランの方も若手の方も、世代を超えて笑顔で協力しているのが印象的でした。
皆さん、昨年に引き続き2年目の合同作業ということもあり、絶妙なコンビネーションで作業していました。
秋頃には、原木と菌床のいろんなところから、キノコが生えてくるそうですので、収穫が楽しみですね。

 以上、能代市梅内地域からお届けしました。