わら細工作りは1日にしてならず。
冬師集落を会場に行われた、にかほ市食農観モニターツアーリポート、第二弾は、「わら細工作り編」をご報告したいと思います。
●指導役の冬師の人々
わら細工を指導してくださるのは、「冬師集落伝統細工グループ」のお母さんたちです。
集落の70~90歳の8人の女性たちで構成されています。
グループ以外の、冬師集落の男性や女性も指導に参加してくれました。
そして、こちらの子供たちに囲まれ、わら細工を指導しているのが……
グループの中で、一番ベテランの三浦さんです。
93歳か94歳のはず、と紹介されていました(^-^;
元気に、子供たちにわら細工を指導してくれました。まだまだ現役です。
●参加された人々
今回の行事には、昨年以上に幅広い年代の人々が参加してくれました。
秋田市や三種町のほか、神奈川県からも参加されています。
学生さんたちは、秋田県内の農村漁村で、地域の人々と交流を活発に行っています。
秋田県内の大学生のサークル「アトム」の学生さんは、「以前、訪れた地域で、若者が足りなくて地元の皆さんが困っていた。若い僕らで出来ることがあれば」と、
今回も参加してくれたようです。
さて、わら細工づくりには、まず材料の「藁」の準備が必要です。
しかし、先ほど刈った稲穂はすぐには使えません(^-^;
縄を編みやすくするために、冬師の皆さんが用意してくださった、ササニシキの稲わらを打ち付ける作業を行います。
使用する道具は、集落に自生する梨の木で作っているそうです。
指導するのは、冬師自治会の会長、佐藤道夫さん。
にかほ市出身の学生さんもいたので、意気投合していらっしゃいます。
道夫さんは、現在、にかほ市グリーンツーリズム推進協議会の副会長も務めています。
●縄綯い作業
わら打ちの後は、縄綯い作業に入ります。
昨年、取材班が苦戦した「縄綯い」です(^-^;
冬師のお母さんたちは、とても美しい縄綯いが特徴。
昨年、冬師集落が参加した平成縄綯塾主催の「全国縄綯競技大会」では、惜しくも優勝を逃してしまいました。
それもそのはず、冬師のお母さんたちは、「速さ」の前にどうしても「形」の良さを心がけてしまうのです。
ちなみにこちらが、取材班の作品。
昨年、10センチも綯う事ができずに泣きたくなりましたが、今年は少し進歩したようです。
初めての人でも、お母さんたちが教えてくれるので大丈夫ですよ。
●わらじ作り
綯った藁で、わらじ作りに突入しました。
やはり、子供たちは飲み込みが早い。
大人組も負けてはいません。
マンツーマンで、お母さんたちが、わらじ作りを教えてくれます。
そして……
●完成品
参加された方々の完成品がこちら!お見事ですね~。
この冬師のわら細工は、2009年に行われた六本木ヒルズ春祭りにも登場しています。
寒い時期に行われたイベントでしたが、履いてみると、とっても暖かいそうです。
これも昔の人の知恵ですね。
●最後に記念撮影
参加してくれたみなさん!とっても楽しい時間を過ごせました!
冬師のみなさんにも感謝です!
三浦さんをはじめ、冬師集落伝統細工制作グループのみなさん、「またきてね~」と手を振っていらっしゃいました。
農村文化の結晶ともいえる「わら細工」。
わら細工作りを通じて、春から秋、そして冬と、今まで知らなかった季節の移ろいを実感することができました。
日本の美しい農村風景は、農家の人々の営みによって、支えられています。