10月13日(日)~14日(月、祝日)、男鹿市加茂青砂地域で開墾活動をしている「境界なき土起こし団」による収穫祭
が行われました!昨年秋から耕作放棄地の開墾活動を始め、この9月までの7回の活動で出来た作物を調理して皆で味わおうと
企画されたものです。
二日間にわたり行われたこのイベントには、団員はもちろんのこと、地域外からも沢山の方々が参加してくださいましたよ(^^)
前編では、1日目の収穫祭の様子をお伝えします♪
●午前の部
収穫祭が行われたのは、戸賀コミュニティセンター。目の前には戸賀海水浴場が広がっています。夏には多くの海水浴客も訪れている観光スポットになっています。
午前中は、収穫物を素材にした料理作りの班と、流木を使った農園の看板づくりが行われました♪
★料理作り班
上の写真のように、雑草やイタドリなど、草がボウボウだった耕作放棄地を皆で耕し、
初夏に収穫したジャガイモと
今月、収穫したてのサツマイモ!
この日は、この2種類をメインに講師もお招きして、皆で調理に励みました^^
和気あいあいとした戸賀コミセンの調理室♪
スタッフは、団員以外の住民や、大学のゼミのプロジェクトがきっかけで昨年から加茂青砂地域と交流がある県立大生、
そしてボランティアの高校生と老若男女が集まり作業していました。
ジャガイモは男鹿の複数地域で『アンプラ』と呼ばれています。その昔、ジャガイモは保存食として用いられ、餅にしたり鍋に入れたりとよく食べられていたようです。
この日は、アンプラ餅鍋を作ることに!
講師は嶋宮伸子さん(上写真)。男鹿市内にお住まいの方です。
アンプラ餅の作り方を教えていただきました。地域により色々な手法があるようですが、この日はジャガイモをふかして潰し、片栗粉とおかゆを混ぜてよくこねてタネを作りました。あとは重さを計り、食べやすいサイズにこねていきます。
アンプラ餅の出来上がりは、キリタンポそのものに見えましたよ(^-^;
そしてサツマイモはどんな料理になったのでしょう…
こちらは県立大学アグリビジネス学科の学生さん。昨年も加茂青砂地域の資源を用い、創意工夫した料理を作った方たち。
サツマイモを使った料理はこの学生さんたちの担当!
『サツマイモご飯』と『大学イモ』を作ってくれることに♪
サツマイモの下処理は、高校生のボランティアの方が頑張っていましたよ。
「初めてやるので、上手くできないけど、とっても楽しいです♪」と、慣れない包丁でサツマイモの皮むきをしていました。
切られたサツマイモは、どんどん素揚げされていきました。大量に準備しなければいけないため前日からすでに準備してきた分もありました。
タレを担当した林田さんは、前日にあらかじめタレを作ったそうですが、いざ、サツマイモにからめようと味見をしたら、
納得がいかず… 回りの方の意見も取り入れ、調味料をつけ足したりと、「自分が納得したものを出したいのです!」と、
こだわりを持って作られていました。自身に妥協しないところは学生さんなのに凄いなと感じてきました。
★流木を使った農園の看板作り
そして、農園の看板作りをするため、看板作り班はまず、コミセンのすぐ傍にある「流木バンク」へ移動しました。
この「流木バンク」、男鹿市が海岸に漂着した流木を集め、市民らに無償提供する事業として、今年度、試験的に行っているものです。
各自がどんなものを作ろうかと試行錯誤していましたよ。
上の写真の長い枝は杉の木だそう。「鹿」のイメージでオブジェに挑戦する方もいましたよ♪
講師の方が到着したところで、「リゾートファーム」の文字に使えそうな木の枝を選び、大きい板に貼り付けることになりました。…思いのほか時間がかかり午前の部はここまで。
続きは、開墾作業の日になりそうです。
コミセン調理室では、昼食の準備がほぼ出来上がってきていました。
アンプラ餅鍋の味付けを担当したのは、加茂青砂住民の大渕さん。調理の仕事を生業としてきた方なので、腕前はプロ!
ゴボウのささがきを、3本同時にこなし、その細やかさと速さに、思わず目を奪われました^^
鍋には、アンプラ餅が投入され、副菜の盛り付けも完了。学生さんたちは、自分たちで作ったサツマイモご飯をよそっていました。
約40人分の料理を皆で、手際よく配膳しましたよ♪
そして、お待ちかねの昼食タイム!
土起こし団の齊藤団長より、今までの団の活動や収穫にいたった経緯のお話があり、この日の料理を作ってくれた学生さんの紹介!
学生さんからは、工夫した点や、苦労したことなどがお話から伝わってきましたよ。
食べ始めたら、皆さん、ほぼ無言でした。よほど美味しかったのでしょうか。学生男子はご飯や汁をおかわり!
食べっぷりがいいのは、見てるほうもスガスガしいものですね。
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●午後の部
1時間の休憩をはさみ、午後の部に入りました。
森の哲学者・内山節さんを講師に迎え、「なぜ、江戸時代の暮らしが、これからの時代に指標になるのか」というテーマで講演していただきました!内山氏は東京と群馬県上野村を往復する暮らしをしています。ご自身の暮らしを紹介したのちに、このテーマについて約1時間半にわたりお話してくださいました。
とてもわかりやすくお話されていて、ここで要約してお伝えできないのは残念ですが…
“江戸時代が長く安定して続いていたのは、気候が安定して作物が豊作だったからではないか、資源を上手にリサイクルして循環させていた。
地域の資源を地元で活用させる仕組みを継続していくことが大事なのではないか”というお話が、強く心に残っています。
内山氏の話を聞くために、仙台市から駆け付けた方、哲学者・内山節さんの講演が聞きたいとボランティアに応募したという高校生もいました。
質問タイムでは、神社お祭りと農民との関わり、歴史についてや、コミュニティ社会と個人の融合についての質問がありました。
参加者の皆さん(私たち取材班も)は、貴重な時間を過ごされたようです。ありがとうございます。
内山氏講演のあとは、加茂青砂のイベントでは必ず企画される“ショータイム”♪
“キョータ&キョーコ”さんのミニライブ!!加茂青砂イベントには、ほぼ出演してくださる“キョータ&キョーコ”さん、実はお二人とも男鹿市の職員です。
男鹿を盛り上げようと、毎回、素敵なパフォーマンスを演出してくださってます。
そして、この日は婦人会の皆さんも、「♪加茂の青砂でダダダコワッショイ♪」の歌にあわせて踊りを披露、飛び入りで入る参加者もいました!
歌と踊りは、どこにいても人々を和ませてくれますね。
コミセン前の日本海に夕日が沈むころ、この日の最後の締めは、皆での夕食会。
大渕シェフが腕を振るった魚料理!
男鹿半島の漁師さんが一本釣りで釣ってくれた魚がメインディッシュになりました。
鯛とサワラのお刺身にサバの味噌煮、汁物は魚のアラを使ったザッパ汁!そして主食のご飯は、これまた学生さんが作った栗ご飯。
男鹿の郷土料理と秋の味覚が詰まった品々でした(^^♪
お昼ご飯を食べてあまり時間を経てはいなかったのですが、美味しそうな料理を目の前にすると食べたくなるものなのでしょうか。皆さん、目を輝かせていました。齊藤団長からは「今日、ここにいらしてくれた方々は、未来の団員になってくれると思っています!」と期待をこめた言葉がありました。
初めて加茂青砂地域の耕作放棄地を見たときは、本当に作物が育つのだろうかと思っていましたが、ジャガイモ、サツマイモともに豊作でした。そして、現在はソバと大根が植えられています。
ソバの実は間もなく収穫する予定になっています。
地域外から人が集まり開墾作業を行っている境界なき土起こし団の活動も、少しずつではありますが、実になってきているようです。
畑作をしてみたいけど、一人ではなあと思っている方々、
ぜひ、加茂青砂のリゾートファームで汗を流してみませんか(^^♪
そして、収穫祭は翌日に続きます。後編からご覧ください。
●おまけ
“キョータ”さんのCDが無償で配布されていましたよ♪地元を盛り上げることに一生懸命です(^^)
お手伝いの大学生たちが、休憩時間に海岸で一息♪
日本海の碧い海に、彼らの姿がよく似合っていました(^^)
戸賀コミセン内で、文化祭作品展示が行われていました。手の込んだ手芸品がたくさん!
大事にしていきたい郷土の文化ですね♪