4月11日(木)、秋田市鵜養地域で原木しいたけ栽培を営む素敵なご夫妻を訪問してきました!
田村正行(まさゆき)さん夫妻♪実は、一昨年、後継者を求めこちらのブログでも紹介した石塚滿さんから、しいたけ栽培を継承したご夫婦です(^^♪
※石塚滿さんのブログはこちらからどうぞ→秋田市鵜養地域で「原木しいたけ」栽培を続ける石塚満さん~後継者を求め日々奔走~
それでは、お二人のここに至るまでの経緯や作業の様子をお伝えします!
お二人が作業しているビニールハウスは集落の入り口あたりに位置します。
取材班が到着するやいなや、飛びっきりの笑顔で出迎えていただきました(^^)
こちらが田村正行さんです。今年53歳になるそうです。
田村さんは、30~52歳まで秋田市内で全く畑違いの事業を営んでおりました。子どもの頃の夢は“農業”、それも牧場経営をしてみたいと思っていたそうです。
育児も一段落してお子さんたちも独り立ちしたこともあり、秘かに第2の人生について考えるようになっていたところ、昨年始めに、このサイトで石塚滿さん(以下:滿さん)を紹介したブログがたまたま目に留まります。
「これだ!!」その日のうちに滿さんに連絡を入れました。そしてまだ巷は正月休みだというのに、足は鵜養に向かっていました。その目に、このビニールハウスや地域の景観を目の当たりにし、心は確信に変わったようです。
「ここに来て、原木しいたけ栽培を継承しよう!」
それからの行動は素早く、それまでしていた自分の事業を引き継いでくれる方も見つかり、昨年5月、自分の事業を正式に他人に引き渡し、6月からは滿さんの指導を受けながら、原木しいたけ栽培に取り組み始めました。迷いは一つもなかったようです(^^)
もともと、農業、山菜、温泉に興味があり、鵜養のことは知っていたそうです。
第2の人生を歩もうと考え始めたころから、秋田県内の景観が著名な地域も見て回ってそうですが、田村さんにはここが一番、スッと自分に入ってきたとか。。。
田村さんが育てている「原木しいたけ」です!肉厚でおいしそうですねぇ。
一般にスーパーに並んでいるしいたけは「菌床」での栽培がメインになっている昨今ですが、「原木しいたけ」は木から直接生えてくる“しいたけ”。
その独特の香りと肉厚な歯ごたえはまさに本物の“しいたけ”ですね♪
ご夫婦で、しいたけを採取されている様子です。今の時期はハウス内に置いてある原木から採れるしいたけを出荷する作業に追われているようです。
しいたけの菌を原木にいきわたらせるために、この水槽につけるのも大事な作業です。これがなかなか大変な作業になります。
(右上の写真は以前に滿さんを取材したときのものです)
原木しいたけ栽培は、山で伐採してきた原木に植菌するところから始まります。この作業が1~3月の間。ひたすら原木にコマ打ちしていくそうです。
その後、上の写真のように原木に菌がいきわたるよう、ビニールハウス内で温度を保たせながら保管しておきます。
そして5月上旬になると、地域内の山林の“ホダ場”といわれているところに原木を移動し1年以上、置きます。そうしてようやくしいたけが生えてくるそうです。
実に植菌から採取まで1年半以上の歳月を要します。
「だから、いま出荷できているしいたけは全て滿さんが手をかけたもの。滿さんが土台を作ってくれたからこうして何とか出来ているんですよ。感謝しかないです!」
お二人に今後の展望について伺いました♪
「すでに“うやしない農園”として開放することにしていて、秋からは本格的にしいたけ収穫体験ができる農園にしたいと考えています。
さらには、原木マイタケも始めたいなあ。こっちはゼロからのスタートだから、手ごたえを掴んだらオーナー制度を始めてみたいと思っています。
そして、鵜養は何より水の資源が豊富できれいだ、これを生かしていずれはセリやワサビの栽培も試験的に始めてみたいなあ^^」
(※鵜養地域の水についてはこちらからどうぞ→秋田市鵜養地域で住民自慢の「水」を辿る!)
と、先のことで頭がいっぱいのようです。本当に頼もしいですね(^^♪
「まだ、ここにきてしいたけ栽培に携わってから10ケ月しか経てないが、大正解だと思っています。ほぼ毎日休みなく作業してるけど休みたいとは思わない、それだけここは景観がいいし空気も澄んでいる、そして何より住民が本当にいい人ばかりで私らを快く受け入れてくれている。今は、秋田市内から30分かけて通っているが、いずれはここに根付いて永住していくためにも、作物栽培は増やしていかないとならない!」とも話してくださいました。
こちらは鵜養町内会の石塚会長です。
「彼らがここで事業を引き継ぎ、今は通いで作業してくれているが、準住民のような存在になっている。そして高齢化が進むこの地域に活気をもたらしてくれているのは事実です。」と、嬉しそうに話していました。田村さん夫妻がここでしいたけ栽培を始めることに関しても相当、尽力されたようですよ(^^)
夫妻も石塚会長に感謝の意でいっぱいのようでした♪
春が訪れたばかりの集落を背景に撮影させていただきました。これから緑豊かな季節がやってきます。
愛美(まなみ)さんは、それまでしていた勤めを辞めこの3月から正行さんと一緒に取り組んでいます。
「思っていたより、重労働で今は毎日、筋肉痛だけど、毎朝、前日より成長しているしいたけを見ていると嬉しいし楽しいです。今はその楽しみがあるから頑張れます^^」
と愛美さんの談です。
最後に正行さんが『私ら夫婦は本当に幸せものです♪』と、強く話していたのが印象的でした(^^♪
お二人のこれから先の展開が楽しみですね。
今後も、かげながら応援し続けていきたいと思います(^^)
以上、秋田市鵜養地域からお届けしました♪
【問い合わせ】「うやしない農園」
連絡先:田村愛美(たむらまなみ)さん
電話 :090-8929-7724
Instagram:uyashinai.nouen (うやしない農園)
なお、現在、下記の販売所にて田村さん夫妻の原木しいたけが販売されています。
・JA秋田なまはげ直売センター「いぶきの里」
・あぐりんなかいち
・ファーマーズマーケット「彩菜館(さいなかん)」
・秋田駅前産直市場「みんなのやさい畑」
・道の駅あきた港 セリオンガーデン
・道の駅 協和 四季の森
・秋田市河辺岩見温泉交流センター
●おまけ
ビニールハウス前の地面にはたくさんの「ふきのとう」!こちらでは今が最盛期のようです。
集落内にはこのように堰があり、岩見川上流からの水が流れてきていて、これを農業用水として住民は利用しています。
毎年、住民総出で堰普請が行われ、きれいな水路が保たれています。今年も4月に行われる予定とか。