タイトルにあるのが……コレなんです



5月5日、釜ケ台の山神社、薬師神社、御獅子神社のお祭りが行われました。
にかほ市釜ケ台、釜ケ台番楽の「獅子舞」がありますが、この日、違う「獅子頭」が家々を巡りました。とはいえ、この獅子頭、写真の通り……

麻の髪の毛に覆われて覆われて……中にある獅子頭? の様子はだれも見たことがないんだそうです。
3~400年前からの獅子頭が中に入っていると言われ、髪の毛は年に2本ずつ、今回のお祭りと正月とに増やされているそうです。増やした分は外されて、薬師神社の隣にある御獅子神社の社殿内に飾られています。

また、願掛けをする人も麻の髪の毛を持ってくるそうで……
こうして髪の毛に覆われた獅子頭は、誰も見たことはないそうですが、一説には子どもの頭ぐらい、とも言われています。
また、釜ケ台番楽の獅子頭との共通性も……!

髪の毛がおんなじ麻で作られてますねっ!
さて、このお祭りで使われている獅子頭、獅子舞は……舞いません!
神様として、家々を回っていくのです。このとき、しきたりをよく知っている人たち三人が選ばれ「お供」として獅子頭を丁寧に扱います。そのしるしとして、背中に布を下げています。

 
普通の家々は、家の前であいさつするだけですが……
こうした旗の立っているお家は「宿」と呼ばれ、中に上がって饗応を受けます。

 
こうして村をくまなく回っていく間、何軒かの「宿」にたちよっていくのです。

さて、そんなお祭りの村で、もうひとつ神社に関わる行事が進んでいます。
この旗!

こちらのお宅には、神様の分身が保管されています。このご神体は、村にずっと置かれていて、一年ごとに当番が代わっていきます。このときの当番は、集落を道路で大きく二つに分けた家々が交互に務めることになっています。
今、当番をやっている家が「受け当番」、
この日から当番をやる家を「向かい当番」といい、それぞれの家同士での受け渡しが行われます。
神様を扇の上に置き、「受け当番」が拝んでは杯を受け、今度は反対向きにして「向かい当番」が同じことを
三回繰り返すと儀式終了です!

向かい当番の家でも、きっちり拝みます。
このとき、当番の家を表す「のぼり」も三本、移動されます。
 
 
来年は移動先の「向かい当番」さんの家にひるがえるんです!
さて、そんなこんなで、御獅子様の行列もそろそろ終わりを迎えそうです!

子どもたちは獅子頭の髪の毛で作った鉾などをもち「前だち」として先を進み、その後ろに獅子頭、そしてお囃子と宮司さんが続きます。
ちなみに、山の神様の化身と言われる御獅子様は、女性の神様で、男が触らないといけないんだそうです。しかも、お供の男たちはその日嫁さんにも触れてはいけないという!

 
さて、戻ってきた獅子頭は、社殿の中で着替えて厨子におさまるそうなんですが。
「撮影はちょっと……」
なんだそうです。集落の中でも限られた人しか見たことのない着替え。着替えの間中、お囃子は賑やかに行われ、そして……

社殿は施錠!
このとき、お囃子に加えて、壁をガツン! ガツン! と叩き、「おた~ちー」「おた~ちー」と言ってさらに賑やかにします。これは獅子の着替えの音も外へ聞こえないようになんだそうです。
徹底してるっ……!
この後、子どもたちにご祝儀が配られてお祭りは終わりを迎えます。
以上! 釜ケ台からでした!