6月4日(日)、小坂町川上地域の濁川集落で「虫送り」が行われました!
コロナ禍で中断していた伝統行事が4年ぶりに復活です♪
濁川の虫送りは、農作物につく悪い虫を払う厄払い行事です。
稲わらで作った2体の人形を持った一行が集落を練り歩き、
集落の悪い虫を人形に集めて燃やすことで、五穀豊穣、無病息災を祈願します。
行事の出発地点は、濁川の摺臼野(すりうすの)神社(旧川上神社)。田植えもだいぶ終わりましたね。
こちらは人形作りの様子です。コロナ禍前は、住民の皆さんで人形作りを行っていましたが、
人形のパーツを作れる人も少なくなってきました。
今年は自治会長さんが3日間かけて当日までに作ったそうです!
さらに、神社のしめ縄づくり。さらしで巻いてきれいになりました。
こういう作業も、住民の皆さん、久しぶりです♪
さて、練り歩きの準備も完了したので神社を出発!
住民の方が持っているのは山から採ってきたナラノキ、ホオノキ。
「五穀豊穣」「家内安全」など願い事が書かれた短冊がつるされています。
「槍持ち」「はさみ箱持ち」といった役割もあるそうで、大名行列のようですね。
男性の人形を持つ人は「白奴(しろやっこ)」。
女性の人形は「赤奴(あかやっこ)」と呼ばれています。
この日は、時々、雨が降り、練り歩きに難儀した場面もありましたが、
「ふりだせ~(がんばれ)!ふりだせ~!今年も~豊年~万作だ~!」と叫びながら歩きました!
お囃子の太鼓をたたいているのは高校生。お父さんも太鼓の叩き手で、
虫送りで太鼓を叩くのも4年ぶり。勇ましい太鼓の音が鳴り響いていましたよ♪
14時に始まった練り歩きも15時半頃になるとゴールが近づいてきました。
人形を燃やす河原に到着!
練り歩きに使った道具と人形は、この場で燃やされます。
昔は人形を川に流していたそうですが、下流に住む人たちを考慮し、現在は燃やしているそうです。
「さぁ、悪いもん、燃やしてもらうぞ!」「みんな拝もう!」
虫送りは農作物にかかわる行事ですが、農業の形は変化しています。
昔は個々の家で田植えが行われていましたが、現在は法人化して農業を行う会社も増えました。
虫送りの時期といえば、田植えは終了しているものでしたが、
法人化して作付け面積も増えたことにより、この時期になっても田植えは続いているそうです。
虫送り行事も、濁川だけでなく、周辺の集落で普通に行われていた行事でした。
濁川の中村会長は「4年ぶりに行事を行うのは気力、体力がかなり必要。
でも、ここでやめてしまったらこの先できなくなる。今年は再開したかった」と話していました。
現在もこの行事が続いているのは、濁川の皆さんのつながりが土台にあるように感じます。
こちらは濁川会館での直会(なおらい)の様子です。
虫送りが中断していた理由の一つが、コロナ禍で直会を行えないことでした。
伝統行事を続けていくには、技術の継承など、様々な問題もありますが、
この光景は濁川集落で続いていってほしいですね。
●おまけ
休憩時間のワンショット♪
4歳のお子さんは虫送り初参加。「お父さん、今日は何やるの?」と親御さんに質問していました。
虫送りの記憶を、今後も積み重ねていってほしいですね(^^)
川上地域からお届けしました!