4月23日(日)、にかほ市の冬師集落で「冬師湿原の野焼き」が行われました!
冬師集落の南に位置する冬師湿原は広さが約280ヘクタールに及びます。
毎年、この時期になると、冬師、上坂集落合同で、害虫や雑草駆除のため野焼きが行われてきました!
それでは当日の様子をお届けします!
●冬師湿原の野焼きについてはこちらをご覧ください。→「冬師湿原の野焼き」(秋田のがんばる集落応援サイト)

  
午前8時に自治会館前に集合した皆さん。携わっているのは冬師牧野農業協同組合(以下:牧野組合)に所属する住民の方々です。
「今日は強風注意報がでるくらい風が強いですが、皆さん、くれぐれも気をつけて作業に励んでいただきたい。」と、牧野組合の三浦組合長からの発声のあと、皆さんそれぞれの車に分乗して湿原へ向け、出発しました!


湿原のはいり口から、作業開始です。
火付け役は、ベテランの方が行っているようでした。ガスバーナーで火を付けていく動作は手慣れたものでした。^^


この日は、特に風が強かったせいか、あっという間に火が燃え広がっていきましたよ(*_*
上の写真の黒く焦げた部分は、枯れ草などが焼けたあとです。

  
もちろん、火が燃え広がらないよう、火消し部隊が常に、火をつけた後を追って水をまきます!
車が進入できる所へは、水を入れたタンクを積んだ軽トラックも入って行きますよ。

   
住民のお母さんたちも、火が燃え広がらないよう、木の枝で上手に枯草をならしたり、煙をたたいたりしていました。

   




冬師湿原は約2500年前の鳥海山の噴火による山体崩壊により、形成されたものと言われています。そのため、多くの流れ山や、ため池、落石などが点在しています。
住民の皆さんは、この流れ山を登っては降りを繰り返し、火をつけて、この広大な湿原を黒く染めていきます!!


途中、ため池が点在しているあたりに見晴台があるのですが、小1時間ほどでここまで進んできました♪皆さん、すでに上から下まで、すすだらけですが、ここで飲水したりして小休憩をとりましたよ。
「今日は風が強いが、このくらいの風の強さのほうが、焼き残りがなくスムーズに進んでいるよ。年によっては、焼き残りの部分が出てきたりして、出来栄えがよくない時もあるんだよ。」と、住民の方の声です。


野焼きも佳境に入ってきました!この先は危険度が高い山を焼くということで、取材班はここで退散することとしました。
昭和20年代から始まったと言われている野焼きですが、これにより草原が維持されてきたと言っても過言ではなく、ここでしか生息することができない昆虫などが多数いるそうです。昆虫好きな方には、たまらない場所かもしれませんね。(^^) 

   
さらに、希少なハンノキや植物も生育し、水芭蕉やススキの群生地としても知られています。(上の写真は過去に撮影したものです)
また、ワラビの生育が良くなるとのことで、ワラビの時期になると、入山料を徴収して、ワラビ園として一般の方に開放しています。にぎわう時期が、間もなく訪れようとしていますね♪


最後に、同時進行で行われていたお隣の上坂集落の野焼きを撮影してきました!
この頃には、雲に隠れていた鳥海山も、だいぶ姿を表していましたよ(^^♪

年に一度の壮大な行事「冬師湿原の野焼き」!!
この風物詩が見られるのも、地元住民が継続して行ってきた努力の賜物なのだと感じてきました(^^)
住民の皆様、たいへんお疲れ様でした。

おまけ(^^♪
   

   
お隣の釜ケ台集落の山神社前の風景です。
桜がまだ咲き乱れ、神社前には住民たちに手入れされた草花が、気持ちよさそうに陽を浴びていました♪

以上、集落活動コーディネーターが、にかほ市冬師、上坂集落からお届けしました!