ふるさとに多くの人々が戻ってくる、8月13日のお盆。
無病息災、五穀豊穣を祈る様々な行事が、秋田県内各地で行われました。
みなさんは、どんな場所でお盆を過ごされましたでしょうか?
今回は、大館市山田地域の様子をご紹介します。
秋田県内には、佐竹氏が関ヶ原の戦いの敗戦により、茨城県の水戸から秋田に移る際、
「獅子踊り」と「ささら」と言われる伝統芸能が言い伝えられたと言われています。
どちらも、獅子頭をかぶった3匹の獅子による恋物語で、
主に米代川を境に「獅子踊り」「ささら」の名称が分かれるそうです。
ということで、山田の獅子踊りの様子をご覧いただきましょう~。
山田の獅子踊りは、獅子踊りの発祥の地と言われる「旧金衛門宅跡地」前で
午後3時にスタートします。場所を変えながら演じるため、全部終了するのは夕方7ころ。
写真のような、集落7か所の道端が会場となります。
準備が整ったら、3匹の獅子が舞い踊りながら進み、
その後、棒術使いと奴踊りのみなさんが続きます。
獅子踊りの前に、棒術と奴踊りの披露。
今年は、2人の小学生の男の子が棒術をマスターしてくれた!と
山田のみなさん、とっても嬉しそうでした。
最後の場面になると「おぉ~!」と歓声があがるほど。
男の子、女の子が入り混じった、奴(やっこ)の子供たちも、
お揃いのピンクの衣装に身を包んで華やかに舞を奉納。見ていて壮観です。
そして、満を持して登場するのが、3匹の獅子。
その激しい動きのために、獅子の演じ手も、息がたえだえになるといいます。
激しい動きが特徴の獅子踊りですが、メリハリも聞いています。
雌獅子に雄獅子がかけよる、このシーン。
なんだか、色っぽいですね~。
本当に、獅子がじゃれあっているみたいです。
「これは、雌獅子が雄獅子を誘惑してるんですか?」と、保存会の方に聞いてみると、
「ははは~どうかな~(笑)」とのお答えが。
喧嘩した3匹ですが、最後にちゃんと仲直り。
この場所での奉納は終了し、八幡神社前の道路に移動します。
これを計7回繰り返すんです。
一度経験したら、忘れられない思い出になりそうです。
お祭りの見どころは、奉納シーンだけではありません。
こういう移動時の、のどかな場面も要チェックですよ~。
山田獅子踊りは、数年間、休止状態が続いていましたが、
2010年、東京・六本木ヒルズ春祭りで、
東京の人々を前に演じたのを皮切りに機運が一気に高まったそうです。
八幡神社から洞雲寺に続く、この一本道は、
かつて出店も立ち並ぶほどの賑わいを見せたという、山田のメインストリート。
昨年から、お盆の時期、この道は再び人々で賑わいを見せるようになりました。
伝統の継承には、少子化という課題が、どの地域でもついてまわりますが、
やはり、子供から大人、そしてお年寄りまで、
みんなの笑い顔が見られる風景は、地域に残っていって欲しいです。
昨年まで獅子の舞手だったという山田獅子踊り保存会、会長の田村喜徳さん。
「今年は獅子が若返った。子供たちもたくさん集まってくれて、
今後も獅子踊りを続けられるのが嬉しい」と挨拶されました。
そして、同じく保存会の石山金考さん。
「山田に獅子が戻ってきました!」とみんなの前で宣言する石山さん、
とっても嬉しそうな表情をされてました。
バトンタッチされていく山田の獅子頭。
今年、その姿を見た山田の子供たちの中に、きっと次の踊り手が誕生するはずです。
山田地域からお届けしました。