藤里町・米田地域では、根城(ねじょう)豊作相撲が毎年行われています。


今年は、根城青年団長の加藤大輔さんが28歳になり、28歳までの決まりになっている青年団を卒業し、OB会に入るということで、
「八幡幣(はちまんぺい、奉納相撲などで使う独特の形をした御幣)」を加藤さんが家に持ち帰る儀式が行われました!


今年の豊作相撲もいよいよ終盤戦、根城豊作相撲最高位、大関同士の戦いです。
4分37秒もの熱戦後、勝負は行司預かりとなり来年へ持ち越しとなりました。
毎年勝負を付けない理由は、根城「豊作」相撲の名の通り、神様に楽しんでもらい豊作を願うため、
あえて勝負を付けないことで、神様に来年も見に来てくれるようにとの願掛けです。


例年だとここで土俵に埋めた俵を掘り出して土俵上に積み上げますが、
今年は、8月に尾車部屋の大相撲力士が訪れた際に、「本格的な土俵を」と、
普段より堅く締まった土俵にしたため、用意していた俵を土俵に積み上げる形になりました。

一人が土俵に飾ってあった八幡幣を持ち、それを皆で持ち上げて…

土俵の天井に向けて突き上げます!

団長の加藤さんだけでなく、この日の相撲を盛り上げた行司や呼出(よびだし)も!


力士全員で甚句踊りを踊って、根城豊作相撲は一旦お開きになります。


片付けが終わった後、男達は体育館に集合します。


ここで神事と共に八幡幣が団長の加藤さんに手渡されます。
28歳になるだけでは八幡幣を受け取ることができません。
地域に対する貢献が受け取れるかどうかを決めます。
加藤さんは、団長として5年間、根城豊作相撲をはじめ、地域を支えてきました。
その功績が八幡幣を受け取る栄誉に繋がりました。

歩いて加藤さんの家に向かう予定でしたが……
この日は残念ながら雨が強くなってきたために迎えの車を呼んで移動します。

加藤さんの家では、親戚、友人のみならず、地域の方々も集まっていました!


家の庭にはテントが張られ、そこで加藤さんたちが酒を振る舞います。

 
八幡幣が用意され、加藤さんが四股(しこ)を踏んでから受け取ります。


いよいよ八幡幣を持って加藤さんが玄関前へと進み出ます。

「おやじ、八幡幣持ってきたど!」の声と共に大歓声が!

 
この後は、座敷に上がって八幡幣を飾ります。
新しい八幡幣は一旦座敷の奥に安置されました。
今、座敷の柱に鎮座しているのは、加藤さんのお父さんが持ってきた八幡幣。
これを、新しく加藤さんが持ってきたものに取り替えます。

 
まず、お父さんが塩と酒で清めた後に、行司によって古い八幡幣が取り外されました。
 
続いて、根城青年団の3人が四股を踏み、加藤さんを除く2人が八幡幣の前で相撲を取り…

がっぷり四つに組んだところで体勢を整えます。

 
ここで、加藤さんが四股を踏んだ後に2人の上に登ります!
下の2人はここからが踏ん張りどころです。

…さらに2人の上で四股を踏みます!

大勢の人が見守る中…

八幡幣を釘で打ち付けました!

再び四股を踏みます。
この間、下の2人はがっちり組み合ったまま、しっかりと加藤さんを支えなければなりません。
周囲の皆さんに励まされながら、3人とも大役をやり終えました!


八幡幣が無事交換されたところで祝宴の開始です!
 
手作りの料理が沢山振る舞われ、皆で加藤さんを祝います。


ここで、藤里町・大沢地域の運動会でも登場した「なんこ鍋」。
牛の内蔵をとろりとするまで煮込んだこの味がたまりません。
 
きりたんぽも馬刺しも美味しかった!


料理は、家の中のみならず、外でも手伝いにきた地域のお母さんたちの手によって作られています。

 
そして祝宴の盛り上がりが最高潮に達するのは、加藤さんとそのお父さんによる親子相撲です!!
お父さんの背中が格好良すぎでした。

 
狭い家の中ということで、特殊ルール「持ち上げて三回回った方の勝ち」ということで、取組開始です!


激闘の末、お父さんが息子を下しました!
興奮冷めやらぬまま、米田地域の夜は更けていきます。

以上、広域連携推進員がお届けしました!