8月12日(水)、にかほ市象潟の下荒屋地域にお邪魔しました!
元気ムラ初登場の地域です~。
下荒屋地域の「盆小屋行事」をリポートします♪
下荒屋地域は、にかほ市役所象潟庁舎の西、海沿いに面した集落です。
上の写真は下荒屋会館からの眺め♪
日本海と鳥海山のコラボレーションが贅沢ですね~。
自治会長さんは「おらほの山だから(笑)」と話していました。
12日は「迎え盆」にあたります。
18時30分頃、下荒屋から車で数分の場所にある大澗海水浴場に向かうと、
5つの町内の「盆小屋」が建っていました。
こちらが下荒屋の盆小屋です。
盆小屋は、12日にご先祖様をお迎えし、15日に送るための祭壇なんです。
下荒屋の盆小屋は2つあり、三角形の小屋が「迎え盆」用、
奥の四角形の小屋は「送り盆」用になります。
こちらの2枚の写真は下荒屋町内会から提供してもらいました。
12日の朝6時、子供たちが盆小屋を建てている様子です。
こちらは夕方18時30分過ぎの盆小屋です。
12日の迎え盆の夜に、盆小屋に火をつけて「迎え火」とし、
15日は残りの盆小屋に火をつけて「送り火」とするそうです。
盆小屋の中を見させていただきました。
ナスやキュウリ、夕顔などのお盆用のお供え物があり、
立派な祭壇になっています。
初棚(※)の人は必ず盆小屋を訪れるそうですよ。
※新盆、初盆と同じ意味。
19時近くになると、続々と人が集まってきました。
海から聞こえる「ざざぁ~」という波音が心地良いです♪
他の町内の盆小屋の中にも灯りがつき……
盆小屋そのものに、火をつけていきます。
燃える盆小屋の灯りは、ご先祖様の「迎え火」です。
この時、子供たちは盆小屋の周りで
「じーだば、ばんば~♪ この火のあかりに、きと~ね、きと~ね♪」と唄います。
「じ~だば、ばんば~」は「おじいちゃん、おばあちゃん」のこと。
この歌詞を何度も繰り返し「この灯りをたよりに来て下さい」という意味の
「きと~ね、きとね~」と何度も盆小屋に向かって呼びかけます。
15日の送り日では「きと~ね」が「いと~ね」という
「お帰りください」という意味の言葉に変わり、
先祖の霊を海に送り出すそうです。
「昔はこれが楽しみだった」と拝みに来た男性が話してくれました。
盆小屋行事は、昔は男の子たちの行事で、
12日から15日まで小屋に泊まって過ごしたそうです。
「夕飯を食べに一度家に戻って、また小屋に戻ってくる。
みんなで小屋に泊まるだけでおもしれぇのよ。
隣の町内の小屋の前に落とし穴ほったり、砂の団子で投げ合ったり、
男の子の戦い(笑)」と、男性の方々はみな、
この行事が「面白かった!!」と話していました。
こちらは、下荒屋の氏家さん。
「この辺りの人たちは、全てが海から来て海に帰ると思ってます。
稲藁の確保が難しくなってるけど、この行事をやめようとすると、
“神様(ご先祖様)が来られなくなるじゃないか”と住民から言われるんですよ」と
地域の人々が神様を大事にしていることを教えてくれました。
この日も、砂浜にロウソクや線香を立て、
海に向かってご先祖様を拝む方の姿も見られました。
時間が経つにつれ、子供たちは、迎え火の周りではしゃぎ始めます。
迎え火と一緒に子供たちの賑やかな声が、
ご先祖様たちの道しるべになっているのかもしれませんね。
下荒屋地域から「盆小屋行事」のリポートを
集落活動コーディネーターがお届けしました!