6月3日(日)に行われた小坂町・濁川集落の虫送り。
後編では、集落巡行の様子をご紹介します!
午後2時30分、虫送りの一行が川上神社を出発します!
先頭は「旦那」という役名。務めるのは自治会長さん♪
つづいて「槍持ち」「はさみ箱」。
「槍持ち」は楢の木に槍を示す矢印の札がついていて、
「はさみ箱」は柳ごおりを模したものです。大名行列のようですね。
そして、2体のわら人形。
男の人形を持つ人は「白奴(しろやっこ)」
女の人形は「赤奴(あかやっこ)」。
「赤奴~ 白奴~ !ふりだせ~(がんばれ)! ふりだせ~!
今年も~ 豊年~ 万作だ~!」と声を張り上げるのは、この二人の役割。
大役です♪
子供たちが持つ朴の木の枝には、
願い事が書かれた札が飾られています。
そして、最後は「太鼓」。
鹿角地方は大太鼓が特徴ですね。叩き手は親子です。
お父さんに教わりながら一生懸命叩いてました(^^)
巡行中に、集落の住民と出会うと、人形を触らせます。
男性なら赤奴の人形を、女性なら白奴の人形を触ることで
人についている悪い虫(病)を、人形に移します。
集落会館にいた女性たちからは「立派にできたね~!」と人気者♪
巡行中の一コマ♪
「ふりだせ~! ふりだせ~! 今年も~! 豊年満作!」
午後5時になると、巡行も終盤。
この日は真夏日でしたが、全行程を練り歩きました!
ゴール地点の、集落の境にある河原へ!
昔は、わら人形を橋の上から川に投げていましたが、流れ込んでいく下流の集落に配慮し、現在は川原で焼いています。
男と女の人形を合体させます。
この風習は「子孫繁栄」の願いを込めているのかもしれません。
わら人形をはじめ、槍持ち、はさみ箱などの道具を
全てこの場で燃やしながら、みんなで見守ります。
濁川の虫送りは、昭和後期に人手不足で途絶え、
集落の出身者でも、虫送りの存在を知らない世代がいるそうです。
今から十数年前に、青森で東北の人形道祖神を集めるイベントがあり、
「濁川のわら人形を作ってほしい」と依頼されたのをきっかけに
行事が復活し、現在に続いています。
濁川会館には、毎年、撮影している虫送りの集合写真が飾られていました。
わら人形を焼いた後は、会館で「さなぶり」を行うのも恒例となっています。
この日、お子さんと一緒に参加していた男性は
「虫送りは子供の頃に見た記憶がある。大人になって県外に出ても、
こういう行事があれば、集落行事に参加しやすいし、子供たちも、
故郷の風景が記憶として残ってくれると思う」と話していましたよ(^^)
集落活動コーディネーターが、濁川の虫送りを紹介しました!(^^♪