11月3日、湯沢市皆瀬の若畑集落で「ニンギョたて」が行われました。
秋田の県南地域では「鹿島様」「にんぎょ(う)様」と呼ばれる
稲わらや石の「道祖神」を祀るところが多くみられます。
写真の左側に見えるのが若畑の道祖神。
若畑では春・夏・秋の年3回、ニンギョ様の稲わらを作りなおしていて
この作業を「ニンギョたて」と呼んでいます♪


若畑へ向かう一本道の途中に「桜坂」と呼ばれる場所があります。
この日は雨が降ったりやんだりと、変わりやすい天気でしたが、
桜坂からは、雲の中から見える皆瀬の集落がキレイでした(^^)

若畑の集落会館では、住民の皆さんが朝8時からニンギョ様の部品づくり♪
今年、集落で採れた稲わらを使います。
初めて参加する住民の方もいて、先輩たちに縄綯いを教わっていました。
「今だと縄を綯う機会がないもんな~」。
「俺たちが子供の時は、“勉強しなくていいから
縄綯いやれ”と言われたもんだ(笑)」と、自治会長さん。

かわいいニンギョ様が出来上がりました。
また、余った稲わらは作物の敷き藁に使用するそうです。
「持ち帰って縄綯いの練習する!」と話している住民の方もいましたよ。

集落の入り口で、衣替えを行います。

真新しくなったニンギョ様に、藁で包んだぼた餅がお供えされています。
住民の方がお供えしていきました。

ニンギョたてが終わったら、集落会館と神社の冬囲いです。

 

上の写真は、9年前に撮影した若畑集落ですが、
3月下旬でもこれだけ雪があります。冬を目前に冬囲いは大事な作業ですね。

また、農業用水用の若畑沼(ため池)のチェックも行いました。
沼へ向かう道は、なかなかの勾配…(^^;
取材班は筋肉痛になりそうでした。
でも住民の皆さんは子供の頃から遊び場だった場所。慣れた足取りで進みます♪

沼へ向かう山中は、ブナやナラの木が黄色一色になっていました♪


水路が雪の重みで壊れないよう補強します。


こちらは、若畑沼のさらに奥にある「板戸沼」。
ニンギョ様は稲わらで作られていますが、作物を作るのに水は欠かせません。
これらの水甕が、若畑の皆さんの生活を支えてくれているんですね。

「今年の(集落)行事も無事終わったな~」と、皆さん、ほっと一息ついていました。
次回のニンギョ様の衣替えは春先になります。
集落の皆さんが健康第一に冬を越せるよう、地域を見守って欲しいですね。
若畑集落からのリポートでした!

●おまけ

集落の中で目を見張った「菊」の花。
地域を華やかにしようと、休耕田に植えた観賞用だそうです。
こんもりと丸くなってかわいかったです(^^)