10月21日(木)、羽後町の仙道地域にお邪魔し、
「仙道番楽団」の皆さんの練習を取材させていただきました!
●伝統芸能「仙道番楽」
仙道地域に古くから伝わる仙道番楽。
毎週木曜、仙道の新処(あらどころ)集落で、仙道番楽団が練習を行っています。
また、毎週火曜には、大人はもちろん、地域の小学生にも子供番楽を教えています。
※詳細は→元気ムラ応援サイト「仙道番楽」記事
夜7時、番楽団の皆さんが新処会館に集まってきました。
現在、番楽団のメンバーは21人。仕事を終えてからの練習なので、
残業で忙しかったり、農繁期が重なったりすると両立が大変ですよね。
この日は7人の方が練習に集まりました。女性の姿も見られます。
2年ほど前から、3人の女性が番楽の舞手として参加しています。
出浦由里子さん(左)は、小学生の時、授業の一環で番楽を教えられたそうです。
当時は、あまり面白みがわからなかったそうですが
子供時代に覚えた舞の「型」は、体が覚えています。
番楽団から誘いを受けて、現在は「鶏舞」の舞手に♪
真剣な練習風景の中、和やかな一瞬も♪
武田久仁子さん(左)は、新処とは別の集落のため
「番楽団には入れない」と思っていました。
子供の時から踊ってみたかったそうですが
舞手を募集していることを知り、出浦さんと同じく「鶏舞」の舞手に。
家族や同じ集落の人から「うちの集落から番楽の踊り手が出るのはすごい」と
喜ばれたそうですよ(^^♪
「鶏舞」は番楽の中で最初に覚える演目で、
地元の高瀬小学校の児童にも、お二人が番楽を教えています。
そして武田和(のどか)さん。
団長の武田正俊さん(左)の娘さんです(^^)
子供の時からお父さんが踊っている姿を見て「かっこいい!」と影響を受けたそうです。
「ここの舞は、こうした方がいい」と踊りの指導をしてもらっています。
団長さん曰く、「(和さんが)小さい時から番楽の真似事をしていたので、
いずれ、やりたいと言ってくれると思っていた」とのこと。
実際に舞手になってくれて、とても嬉しいそうです。
父娘で一緒に番楽をやれるっていいですね♪
こちらは「獅子まねき」の練習をする宮田歩さん。
宮田さんのお子さんが子供番楽をやるようになり、お子さんの姿を見ているうちに
ご自身も、番楽をやりたくなったそうですよ♪
武田甚一さん(左)と、番楽団の前団長でもある武田清美さん(右)
「自分たちの時代は、高校生や社会人になると、先輩から“番楽見にこないか?”って
誘われて、会館に来てみると、みんな酒飲んでる(笑)。」
「最初は番楽の基本、扇と錫杖の使い方だけを、ひたすら練習させられて、
なかなか舞わせてもらえなかったよ」と笑いながら話していました。
お二人とも長年、地域の子供たちの指導にも携わっています。
「今の子供たちは覚えるのが早い」。
昔から、子供の時に番楽に触れる機会があることが、
番楽の継承につながっているようにも感じました。
団長さん(右)も子供の頃から、番楽が身近な存在でした。
隣の家に遊びに行くと、番楽の太鼓の練習をしていて、
そのお囃子に合わせて踊りの真似事をして遊んでいたそうです。
仕事と両立は大変な部分もありますが、
自分たちの踊りで観客から大拍手を送られれば、やりがいになるそうですよ♪
「伝統芸能」と聞くと、敷居が高く感じることもありますが、
仙道番楽団の練習風景は、とてもアットホームなもので、
この日も新処会館から太鼓の音が心地よく鳴り響いていました(^^)
昨年はコロナの影響で公演回数が減ってしまいましたが、
今年は12月に由利本荘市で公演予定が入っており、
少しずつ、仙道番楽を見る機会が増えてきそうです。楽しみですね。
仙道番楽団のリポートをお届けしました!