画像:あげもの(かまぶく)

 秋田の県北地方でお祝い事やお祭りなどで口取り菓子として食べられていた「かまぶく」。大館市山館(やまだて)地域では「あげもの」と呼んでいます。

 山館地域の女性によると「あげもの」は年に一回、冬の農閑期の時に作り、友達や親戚に「あげる」ということでした。誰かにあげるものなので「あげもの」と呼ばれるようになったのではないか、と地域の方は話します。

 材料は、うるち米の粉、砂糖、塩、裏ごししたジャガイモ。材料を全て混ぜたあと、ソバやうどんを作るように生地をまとめ、よくこねます。このとき、時間をかけてこねると、蒸した後にヒビが入らず綺麗に仕上がります。生地には、好みでクルミ、ゴマ、紫いもなど、好みの材料を入れ、出来上がった生地は専用の板の上に載せ、巻きすで板に定着させるときに綺麗な形が出来上がります。形を整えたら、2時間ほど蒸して出来上がりです。

 「料理を作る時は時間をかけると美味しくなる」と、「あげもの」のレシピを教えてくれた女性が話してくれました。昔から食べられてきた味は、作り手の愛情が加わり、記憶に残る故郷の味として、山館地域に受け継がれています。

平成27(2015)年3月掲載

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