初午(はつうま)、とは、二月最初の午(うま)の日のことを指し、お稲荷様のお祭りとなっています。前日の夜「石持ち占い」が行われた稲荷神社で奉納された獅子舞を、各家庭を回って行う日です。
舞い手はすべて小中学生、かつては中学生が主役でしたが、子どもたちが少なくなるにつれて徐々に学年が下がっていき、現在のようになりました。
獅子舞を担当するのはすべて男の子だけ、「たよ様(近隣の方言では神主の意)」と呼ばれる狩衣の子どもと、太鼓二名、そして獅子舞の二人の五人が舞いを務めます。さらに「御初穂」と書かれた大きな箱を背負った子どもたちも二人、一生懸命先輩たちの後を追います。
朝10時、横岡の会館から出発した彼らは、横岡のすべての家々を回っていきます。太鼓の中学生二人は、歩いている途中も演奏を続け、獅子舞が来たことを知らせて歩きます。
不幸のあった家は残念ながら回ることはできませんが、それでも家々を回りきるのにはまるまる一日がかりです。お昼もそこそこに、玄関に立って獅子の口を「かちん」と打ち鳴らし、たよ様がお札を渡していきます。最近ではなかなか家の中での獅子舞をお願いする家庭は少なくなりました。それでも毎年獅子舞をお願いしてくれる家庭には、仏壇の前で神社と同様に舞いを披露します。
このとき特徴的なのは、舞いの途中で獅子頭の耳を布で隠してしまうのです。「耳隠し」と呼ばれる所作です。
夕方、日もすっかり落ちる頃、ようやく回り終えた子どもたちは、会館へと戻ってきます。その後、師匠さんたちを呼んでの会が開かれ、ようやく初午の行事は終わります。
この日、にかほ市では、周辺の集落でも獅子舞が行われ、あちこちで獅子舞の装束を着た子どもたちを見ることが出来ます。太鼓の音がいつまでも鳥海山に木霊していました。
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