由利本荘市赤田地域にある長谷寺(ちょうこくじ)は、曹洞宗の寺院で、秋田県三十三観音霊場第8番札所です。この寺に安置されている高さ9m、木製金箔押しの十一面観音立像は通称「赤田の大仏」として親しまれています。また、奈良県・桜井市長谷寺、鎌倉市長谷寺と並んで、日本三大長谷観音の一つと言われています。

 この長谷寺は、安永4(1775)年に亀田藩の僧、是山(ぜさん)泰覚により創建された寺院で、大仏殿等の建設は、当時としても稀に見る大工事だったと考えられています。その当時の時代背景として、人々は長期にわたって貧困や飢饉等に苦しんでいましたが、この大工事には、そんな苦しさを終わらせ、明るい方向へ導いてほしいという、人々の強い祈りが込められているのでしょう。

 天明4(1784)年には奈良県桜井市の真言宗豊山派総本山長谷寺にある本尊と同じ木から掘り出されたという小仏を胎内仏として、十一面観音立像の制作が始まり、その二年後に完成しました。明治21(1888)年に堂塔伽藍の全てが火事で焼失しましたが、4年後に観音像が再建、さらに9年後に本堂が再建されました。

 大仏殿は自由に参拝することが出来、その内部の扉絵には三十六歌仙の人物画なども描かれています。屋根が二重構造になっている事から、一見二階建てのように見える大仏殿ですが、実は吹き抜けになっており、二階は存在していません。観音様の装飾もさることながら、大仏殿の外観にも随所に彫刻などが施され、しっかりと観音様を守っています。

平成23(2011)年4月掲載
令和4(2022)年1月更新

■参考文献
『本荘市史』
『赤田遺産』赤田地名研究会
『赤田観音霊場』赤田地名研究会
『長谷寺説明看板』

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