おいしいお話

東京下町のスーパーからはじまるサキホコレの躍進

2025年05月20日

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「東京下町のスーパーからはじまるサキホコレの躍進」


スーパーヤマイチ今井店ではデビュー時からサキホコレ“推し”。そこにはバイヤーと店長の絆と熱い思いがありました。

東京・江戸川区を中心に13店舗を展開している「ヤマイチ」は、昭和38年創業のスーパー。「毎日新鮮」をモットーに、生鮮食料品を中心として健康・安心安全で豊かな生活に貢献できるように、地域密着型のスーパーマーケットとして更なる進化を目指しています。

来店客の9割以上は地元住民。「ほぼ毎日お越しくださるお客様や、親子2代でご利用いただいている方も多くいらっしゃいます」と話すのはヤマイチ今井店店長の岩下慶一郎(いわしたけいいちろう)さん。店舗撮影中もお客様から気軽にお声掛けいただくなど、ヤマイチが愛されている様子が伺えます。

ヤマイチがサキホコレ“推し”になったのは2年前の出来事がきっかけでした。
取引先の米穀卸会社から紹介された、デビューしたばかりの「サキホコレ」。最初は何の気なしに話を聞いていたと、商品部バイヤーの坂野祐輔(さかのゆうすけ)さん。


【商品部バイヤー 坂野祐輔さん】

「昨年デビューしたお米と提案を受けて、コンセプトを聞いて、これ(サキホコレ)って他の企業さんで売られているか聞いたら、ほとんどやってないという話で。試食で少しサンプルをいただいて、食べてみたら美味しかったんです。炊き上がりもとてもツヤツヤして見えたんですよ。お米でこういうふうに感じることはこれまであまりなくて。これだったら売れるんじゃないのかなって。半分直感ですよね」

坂野さんはその直感を信じて、サキホコレを全店で販売することを決意。社長をはじめとした幹部社員と全店の店長が出席する会議でプレゼンしました。
「今年は米担当バイヤーとして、1年間この『サキホコレ』を最重要銘柄として売っていきます」

「店長の皆さんはみんなすごい渋い表情してましたね。なにそれ?って。でも自分が携わってブレイクする銘柄米をどうしても一つ作りたかったんです」

デビュー間もない銘柄を全店の最重要販売品に設定する思い切ったチャレンジに、困惑気味だった店長の方々を、坂野さんは旧知の仲である岩下店長との連携で納得させていきます。


【左から 今井店店長 岩下慶一郎さん】

新しい銘柄を売っていくことは、店舗との連携が不可欠と考え、地元高校の先輩だった岩下店長と相談しながら、二人三脚の販売戦略を実践していきます。

「すでに販売しているものを、もっと伸ばしましょうではなく、全くの新規商品だったので、お店としては当然リスクがありました。じゃあどういうふうに売っていくのか。ただ置いているだけでは難しいので、チラシに掲載したり、マネキンさんを頼んで試食販売したり。試食販売はしつこくやったんです」と坂野さん。

それで出来上がったのが今井店のお米売り場。新しい銘柄としては異例すぎるほどの盛り上げ方となっており、力の入れようが分かります。

「全店にバイヤーが壇蜜さんのポスターを1枚ずつ配ってくれたんですけど僕、自分で額縁買って入れたんですよ。売っていくために、とにかく圧倒的な売り場を作りたかった」と岩下さん。

バイヤーと店長の見事な連携プレーがあり、少しずつ売れていくようになったサキホコレ。その効果はお客様だけにとどまらず、取引業者や社員にも波及していきます。

「お客さんはやっぱり“どのお米がおいしいの?”って聞いてくるんですよ。そんな時はサキホコレを毎回イチ押ししていましたね。僕は絶対これですね!って。それで買ってくれたお客さんが、次は黙ってサキホコレをリピート買いしてくれたとき、“勝ったな”って思いましたね。今は社員も取引業者さんもみんなサキホコレのファンになっています」

さらにミラクルは続きます。
岩下店長が趣味で通っていた格闘技のジム「パラエストラ小岩」で仲の良かった、総合格闘家の斎藤裕(さいとうゆたか)選手(秋田県能代市出身)が、サキホコレアンバサダーに就任することを何気ない会話から知ることになります。

「彼が上京してジムに通い始めた時から仲良くなって、初代RIZINフェザー級王者になって有名になってきて、話の中でサキホコレアンバサダーになったことを聞きました。すごいじゃん、それ(サキホコレ)うちでも売ってるよって」

二人は何か一緒にやりたいと意気投合。それが、1日の販売数量の過去最高をたたき出した“伝説”となるイベントにつながることになります。

2024年11月4日にヤマイチ今井店店頭で開催された「サキホコレ新米キャンペーン」で、斎藤裕選手がサキホコレアンバサダーとして登場。ファンをはじめとした多くの方が朝から詰めかけ、用意していた約300袋が即日完売となりました。

斎藤裕さんのYouTubeチャンネルでイベント当日の模様を配信中


秋田県から男鹿のナマハゲも駆けつけ、ファンの方々との撮影や握手に応じる斎藤裕選手

このイベントのために作られた限定ステッカー

 

「せっかくアンバサダーだから何かできるといいよね、みたいな話をしていて、うちで1日店長やれないかな?とか話してたんです。でも試合などで、なかなかできなくて。ちょうどそんなとき、秋田県庁からサキホコレ新米キャンペーンの依頼メールがあって、すぐやりたいです!って返信しましたよね」

とはいえ、東京は江戸川区の地元密着スーパーで、デビュー間もないお米のPRイベントを開催することに躊躇はなかったのでしょうか。
「江戸川区のスーパーで秋田県出身の格闘家が来て、秋田のお米を販売するって、ちょっと意味分からないですよね。でも、なんとなく完売できる確信はありました。副知事にもお越しいただけると聞いたときはさすがにちょっとやりすぎでは、と思いましたが」

当日蓋を開けてみるとイベント開始前からたくさんのお客様が詰めかけ、サキホコレオリジナルグッズや秋田県産品が当たるじゃんけん大会も大盛況のうちに終了。用意していた300袋はすべてお客様にお買い上げいただくことになりました。

「あれだけのお客さんがみんなサキホコレの米袋を抱えている姿を見てすごく感動しましたね」


イベントの大成功を記念して、秋田県猿田和三副知事(当時、後列中央)、サキホコレアンバサダーキャプテン元祖爆笑王さん(副知事の左側男性)、ヤマイチ岩楯信一社長(副知事の右側男性)、今井店社員のみなさんで撮影。

 

ヤマイチから、少しずつ、でも着実に広がってきたサキホコレのファン。これからの販売戦略と産地秋田への思いを伺いました。


「お店に来てくれるおじいちゃんとかに、どれがいいんだよって聞かれたら、絶対これですと自信を持っておすすめできることが一番大事。おすすめされたお米が美味しくなかったよと言われるのは嫌じゃないですか、やっぱり。だけど、サキホコレをおすすめして美味しくなかったという人、僕見たことないんです。だからこれからも自信を持って販売できるような品質であって欲しいと思います」と岩下さん。

「年々需要は下がってきていますが、日本人にとって馴染み深いのはやっぱりお米です。仕入れ担当を2年やってきましたが、特にこの江戸川区は下町みたいなところもあるので、お米が強い。だからこそお米にはこだわってやっていきたいですし、こうやって自分の中でサキホコレ売っていこうと決めて、イベントも大成功で終わり、秋田県は自分の中でちょっと特別な存在になりました。品質が良いものであれば、必ず売れる。ですから秋田県の生産者の皆さんには、気候変動や災害もあって、ご苦労されていると思いますが、継続して良いものを作っていただきたいなと思います」と坂野さん。

 

江戸川区にある下町のスーパーが巻き起こしたサキホコレのムーブメントはこれからも続きます。

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