おいしいお話

「忍耐を胸に、サキホコレ!」

2021年11月15日

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秋⽥県内に6校ある農業系⾼校。今年は各校で秋⽥⽶の新品種「サキホコレ」の栽培が⾏われました。その中のひとつ、⼤仙市にある秋⽥県⽴⼤曲農業⾼校で稲刈りが⾏われるということでお邪魔しました。

10 ⽉ 6 ⽇。この⽇、稲刈り体験をするのは「稲作部」の1年⽣5名。部員のみなさんは、稲作をより深く学びたいという思いから、学科での勉強のみならず、課外活動として⽶を育てているという。

同校のほ場「⼤嶋農場」には、5.6 ヘクタールの⽔⽥があり、そのうちの30 アールに「サキホコレ」を作付けしている。この⽇、刈り取りするのは 5 ⽉ 20 ⽇に⽥植えをしたもの。

はじめに、先⽣から⽣育状況の説明や刈り取りの際の注意などを受ける。

ほ場へ。初めてコンバインに乗るという⽣徒もいる中、先⽣に同乗してもらいながら交代で操作⽅法を教わる。

1時間ほどで刈り取り終了。「サキホコレと⼀緒に、君たちもめんこがられる(可愛がられる)ような⼈に育ってくれ!」と先⽣からの熱い激励も。

 

収穫した⽶は、10 ⽉ 15 ⽇に開催された収穫感謝祭で、塩むすびにして全校⽣徒に振る舞われました。

農業科学科の3年⽣で、今年「サキホコレ」の栽培に携わった、北林英地きたばやしえいじさん、嵯峨睦⽣さがむつきさんにお話を伺います。

左:北林英地さん、右:嵯峨睦⽣さん

(嵯峨さん)
私は⼤仙市⻄仙北の出⾝で、祖⽗が農業をしていることもあり、⼩さい頃から農業を⾒てきました。
正直、農業への強い憧れはなくて、祖⽗が農業をやっているし、秋⽥県は農業県だし……という軽い気持ちで農業⾼校を選んだところはあったと思います。

嵯峨さんの家では、おじいさんが⽶、おばあさんが野菜を作っているという。

(北林さん)
私は⼤仙市神岡出⾝です。実家は農家ではないのですが、もともと兄がこの⾼校に通っていて、毎⽇休まず活動しているのが、⼤変そうではあるけれど、充実しているようにも⾒えて、この⾼校を選びました。

(嵯峨さん)
学んでいくなかで、学校で毎⽇作業をしていて農業の⼤変さはわかっているつもりでしたが、この夏、インターンシップで2週間ほど体験したら、もう、我慢なんてもんじゃない、死に物狂いでやらなければ付いていけないほどでした。

作業としては、⽥んぼの溝切りや野菜の収穫をしたんですが、気温が⾼くて、本当にキツかったです。でも、その分達成感もあって、2週⽬には「なんとか付いていけるかな……」というところまで成⻑できたと思っています。

(北林さん)
私は、⼊学したころは作業が⾯倒だったけれど、今は⼀つ⼀つの作業が⾯⽩く感じられるようになってきたと思います。毎⽇同じ作業ではないし、相⼿は⽣き物なので、考えながらやっていくことも楽しく感じています。それに、毎⽇の実習で忍耐⼒も得られたかなと思いま
す。

(嵯峨さん)
「サキホコレ」は晩⽣種(成熟が遅い品種)なので「あきたこまち」よりも早く作付けしました。今年は天気にも恵まれたせいか、育てる難しさなどは特に感じませんでした。

(北林さん)
「サキホコレだから特別」ということはなくて、これまでの「あきたこまち」と変わらず、⼼を込めて作りました。

(嵯峨さん)
稲になったときに、ノギ(穂の先端にある針状の突起)の部分が「サキホコレ」のほうが⻑いという違いがありました。できた粒を⾒て、「真っ⽩い!」と思いましたね。他の⽶だと透けている印象があるんですが「サキホコレ」は違っていました。

⾃ら育てた「サキホコレ」の塩むすびを実⾷!

(嵯峨さん)
⻭応えがしっかりある! 粒も⼤きい感じがしますね。

(北林さん)
⽢みがありますね!

(北林さん)
私は進路はまだ確定していないのですが、就職を希望しています。農業を通して⾝に付けた忍耐⼒を⽣かしながら、周りから信頼されるような社会⼈になりたいと思っています。

(嵯峨さん)
私は、卒業後は⾓館の農業法⼈に就職が決まっています。20 代の⽅も⼀⼈しかいないくらい、年配の⽅が多い職場です。経験豊富な皆さんに付いていけるか⼼配はありましたが、優しく受け⼊れていただいています。
農業って、知識があっても基本がないと潰れてしまう。北林くん同様、忍耐を⼼がけて頑張っていきたいと思います!

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