春彼岸明け日の3月23日(火)、能代市鶴形地域で「地蔵(ジンジョ)焼き」が行われました。
地蔵焼きは、地蔵に見立てた藁を焼き、死者の霊を供養し送り出す、鶴形地域で毎年行われる送り彼岸の行事です。
五穀豊穣、無病息災の祈願もあわせて行っています。^^


地蔵焼きは米代川河川敷の「いこいの広場」で行われます(^^♪
二体の地蔵に見立てた藁の組み立ては、彼岸の中日(今年は3月20日)に地域の有志メンバー4人で行いました!
藁は鶴形地域でミョウガを栽培している農家の方に分けてもらうそうです。

 

 
地域の方々が、地蔵にお供えする彼岸花やお団子を持ってきて、お供え物が揃ったところで、地蔵に火が付けられました。


集まってきた住民は一斉に手を合わせました。しばらくの間、焼かれていく地蔵と煙を見つめています。ご先祖様を思い浮かべているのでしょうか…
風が強かったので、あっという間に火が回っていきました(^-^;

 

 
背の高かった地蔵は、早々と燃えていき、焦げた藁の匂いが周辺に漂います。ご先祖様は無事に旅立たれたのでしょうね。


こちらはお供えされたお団子です。藁の中で焼かれ、アツアツになっていました。


昔は、地域内にある「たちこうべ山」と「上ノ山」、二つの山中で地蔵焼きが行われていました。地蔵さまも今よりとても大きく作られていたので、夜遅くまで燃え続け、火の灯りが、家の窓から見えていたのだとか。
現在は、稲刈り時にコンバインが普及したために、藁を集めるのも大変で、地蔵が昔に比べてだいぶ小さくなってしまったそうです。

 
火が早く回るように手を加えていきながら、鎮火を見守ります。

地域の二つの山で地蔵焼きが行われていた時代には、この行事の主役は子どもたちであり、沢山の子どもたちが、どちらの山の地蔵が長く燃え続けるのか競争するのが、とても楽しみだったそうです♪
鶴形地域の地蔵焼きの始まりは古く、「わたしたちの鶴形」によると江戸時代か、もしくはそれ以前から行われてきたと言われています。携わる人が少なくなってきた昨今ですが、この伝統行事を絶やしたくないと、地域住民の方々は本腰を入れ存続に向けての手法に取り組んでいます。^^

おまけ(^^♪

冬の間、汚れないようにとビニールシートをまとっていた「鍾馗(しょうき)様」!地域の6ケ所に村の守り神として祀られています。^^

  
稲刈りあとではないですよ(^-^; 稲わらを干しているところです。この辺りは、ミョウガの栽培が盛んです。ミョウガが生えるところに、この干したワラを敷いておくそうです。保温効果とミョウガ採取時の足の負担の軽減になるのではないか…と、地元の方は話しておりました。

以上、能代市鶴形地域からお届けしました!