8月14日(水)、男鹿市女川地域で第10回男鹿キッチ漕ぎ大会が開催されました!

「キッチ」とは、アイヌ語で一本の丸太を掘って作った小さい船のこと。
馬や牛の飼葉桶に使ったり、収穫した海藻を入れたりと、様々な用途があります。
女川地域では、収穫したサザエを入れたり、素潜り漁の休憩時につかまる「浮き」としても使用していました。
女川地域の子供たちは、キッチで遊んでいましたが、「子供たちだけで遊ぶのは危険だ」と禁止されてしまいました。それから40年、キッチを使って遊んだ思い出がある方々が、「キッチ漕ぎ大会」としてキッチ遊びを復活させました。

キッチ漕ぎ大会を主催するのは、「男鹿キッチ漕ぎ大会実行委員会」もとい、女川地域の青年会「二八会」!

実行委員長を務める成田哲夫さんが、「キッチで地域を盛り上げたい」と提案したことがきっかけとなり、今回で10回記念を迎えました。

会場の女川漁港に到着すると、たくさんの人々で賑わっていました。
神奈川、千葉、岩手など、県外からもファミリーで参加してくれました!
10年間ずっと出場している方や、5回も優勝に輝き続けている方など、すっかり顔なじみです(^^♪

インターネットや、女川地域から県外へ働きに出ている方からの口コミなどで、キッチ漕ぎ大会は広がりを見せています。

さて、キッチ漕ぎ大会は男性の部、子供の部、女性の部、二人乗り、リレー(3人)の5回にわたってレースが行われ、それぞれの部でタイムを競います。子供の部は25m、そのほかの部は30mのコース。

  

まずは、男性の部から始まりました。力強く、そして速い!
観戦している方々からは「レベル高い!」と声が上がりました。
あんなに速く漕げるものなのか……と唖然としていると、取材班にも参加のチャンスが!

キッチに乗るのは初めてです。

補助してもらいながらキッチに乗ると、何にも支えられていない浮遊感が……
えっ、こわい!!!(◎_◎;)岸から離れたら転覆するんじゃないの?!……と、半ばパニックになりながらもスタート。両手に持った木の板を使い、漕いでいきます。
おっ、そんなに簡単に転覆しない。ぐんぐん進む、楽しい!
折り返し地点のブイを回ると、岸が遠くに見えます。


(観戦中の視点)
観戦している時は、参加者が漕ぐスピードが速いこともあり、近いように見えたのですが、参加者から見る景色ってこんなに遠かったのか。
折り返しで体力が奪われるので、戻りは腕がヘロヘロ。折り返した後が鬼門ですね!
タイムは、平均1分半のところ、2分半以上もかかってしまいました(笑)
来年まで腕の力を鍛えてリベンジしたいです。皆さんも、ぜひ参加してみてください!楽しかった!

●第10回男鹿キッチ漕ぎ大会 ギャラリー集♪
※小さい写真は、クリックすると大きく表示されます。


どのコースになるかドキドキ。レース前のくじ引き

「がんばれー!」「スピード落ちてきたぞ~!」応援に力が入ります


落ちちゃった!でも気持ちよさそう♪

  


盛り上がった2人乗りレース!


やったね、1位だ!おじいちゃんと一緒に♪


迫力のリレー対決!


休憩中の一コマ。それは海藻!?楽しそうな子供たち♪

さて、楽しいキッチ漕ぎ大会の最後は、表彰式。
男性の部で過去5回優勝した方は……

今年も優勝!これで6回目の優勝です。すごーい!

今年は10回記念ということで、入賞者には、賞状のほか、楯と地元産の野菜が贈られました!


入賞者へ贈られた楯は、二八会のメンバーによる手作り。
「おがキッチ」と焼印が入っています。文字に味がありますね!

おまけのじゃんけん大会は、商品券と扇風機を景品に、全員で盛り上がりました♪

実行委員長の成田さんは、「皆が協力してくれるからこそできること。キッチ漕ぎ大会は、突然の提案だったけど、皆が付いてきてくれた。」と話してくれました。
男鹿キッチ漕ぎ大会にご興味がある方は、ぜひ、公式ホームページもご覧になってみてくださいね(^^♪
→【外部リンク】男鹿キッチ漕ぎ大会

以上、笑い声と声援、そして波の音が賑やかなキッチ漕ぎ大会の様子をお届けしました!

●おまけ
こちらは、漁に使用されている「キッチ」。
レース用のキッチと比べると、大分、頑丈そうですね!

サザエや海藻などを、海に潜って採るときに使われます。海女さんの桶と似た用途なのだそうですよ。

この白いキッチは、大会用のキッチの原点。


現在大会に使用しているキッチを作るための元となりました。
このキッチも、実際に漁に使われていたもの。
この形状は、やっぱり子供心をくすぐられちゃうかも?
当時の子供たちの元気な笑い声が聞こえてくるようです。