7月30日(火)、秋田県内で「お互いさまスーパー」を運営する地域の皆さんと
市町村職員が、宮城県丸森町筆甫(ひっぽ)地区の視察を行いました。

●宮城県丸森町 筆甫地区
筆甫地区は、町の中心部から10数キロ離れた小高い山々に囲まれた、
宮城県最南端の地区で、樹齢450年と言われるシンボルツリー「ウバヒガン桜」や
水芭蕉群生地などがある自然豊かな地域です。
かつて伊達政宗が領内で一番はじめに「検地」を行ったことから、
「筆の甫(ひっぽ)」と呼ばれるようになったと言われています。

筆甫地区の人口は、60年前は約3,000人いましたが、現在は約550人まで減少し、
住民の高齢化率も50%を超えるなど、過疎化が進んでいます。

そんな小さな地域で「筆甫地区振興連絡協議会」という地域運営組織を立ち上げ、
様々な活動を行っていると教えてくれたのは、事務局長の吉澤武志さん。
筆甫地区は20年以上前から、地区への移住を地域をあげて取り組んでいましたが、
状況を一変させたのが、東日本大震災の福島第一原発事故による放射能汚染でした。
住民の自主避難や転出、移住者のキャンセル、農産物の販売低下など、
非常に大きな困難に見舞われたそうです。

そうした困難な状況にも、地域が立ち上がり、通学路の除染も地域で取り組むなど
「地域の未来は自分たちでつくる」という気持ちで頑張っています。
お話を聞いた会場には、地域の歴史を伝える写真がたくさん掲示されていました。

今回は、昨年オープンした「ひっぽのお店 ふでいち」を中心に視察しました。
このお店は、町からの補助金もありましたが、
地域の皆さんからの寄付やクラウドファウンディングなど、
様々な方からの支援によりオープンしました。

店舗では、特産の「へそ大根」や「凍みどうふ」などのほか、
地域のお父さんたちからの要望が多かった、お酒類も充実♪

視察当日は、夏休み中だったので、小学生の「たまり場」にもなっていました。

また、店舗から離れた場所に暮らすお年寄りのために、移動販売も行っています!
移動販売で販売する価格も店舗で販売するのと同額。
「店から遠い人が不利益を被るのは、変じゃないですか?」と
語る吉澤さんが印象的でした。

店舗の隣にあるのは、地域で運営するガソリンスタンド。
廃業も検討していた民間のスタンドの経営を引き継ぎました!

「お互いさまスーパー」を運営する皆さんも感心仕切りでした。
帰りのバスでは「秋田でも筆甫地区に負けまい!」と、
地域の皆さんで議論が盛り上がっていました。
今後の「お互いさまスーパー」の進化に注目です(^^)/

●おまけ

お昼ごはんに、筆甫地区のピザ窯で、焼きたてのピザをいただきました(^^)
なんと、特産の「へそ大根」入り!おいしかったです♪