取材チームが今回訪れたのは、小坂町にある鴇(ときと)地域です。
国道282号線を北上し、小坂町中心部で交わる樹海ラインを十和田湖方面に少し行ったところを右折、アカシア大橋を渡ってしばらく行くと、鴇集落が見えてきます。
「鴇(ときと)」という地名はその名の通り、昔はトキが居たのではないか、と菅江真澄の著書にも見えます。集落は整然と区画が整理されていますが、藩政時代からの区画で、通りごとに名前がついているんです。
鴇総合生活センターの玄関には鴇集落のマークが飾ってあります。
何を図案化したか分かりますか?
よーくみてください。なにか字が隠れてませんか?
実はこれ、「トキト」を図案化したものなんです!
教えてもらって取材スタッフ一同「なるほど!」と感心していました。
センターの近くにある、「駒形神社」では大太鼓が置いてあり、
八月の「鹿角ふるさと大太鼓大響演」に参加予定です!
観光ブドウ園と、ジャムの製造場所も見学させていただきました。
まだ、ようやく芽が出たばかりのブドウの木ですが、これからどんどんと成長し、9月中旬~10月にかけては、ブドウ狩りをすることができます。
育てているブドウの中には、日本で昔から自生する山葡萄と交配した品種もあります。
また、ブドウ園の隣にある工場では、採れたブドウをジュース、ジャムなどに加工しています。
見せていただいたジャムやジュースはとっても美味しそう。
朝食のパンに塗って……などと考えてしまいます。
山葡萄交配の品種を使ったものは、また違った味わいがあるそうです。
そして、去年限定発売されたワインがあるんです。
「山葡萄と私」、小公子という品種を使って、辛口に仕上げたワイン。
肉料理とかすごく合いそうです。
限定販売のため、もう売り切れているようですが、今年も発売予定です。
ラベルはリニューアル予定で、今年の出来が楽しみです。
最後は鴇鉱山跡です。明治から大正時代に栄えた鉱山で、「からみ」(鉱石を溶かして精錬した残りかす)の山や、赤レンガの煙突跡などが残っていました。
※煙突跡など、崩落の危険があります。安全のため近づかないようにお願いします。
これが「からみ」 です。不思議な光沢があるんです。
なんでもない光景として見過ごしてしまいそうな車の中から見えた真っ直ぐな道路(トロッコ跡)や、広い敷地(長屋跡)、ところどころに残る石垣跡(精錬所・選鉱所跡)などを、現地にあった案内看板と共に説明していただき、当時の鉱山町の様子を感じることができました。
遺跡としての風景は現地に行ってみると寂しさだけでなく、鉱山町の力強さや活気を、閉山後も建物跡や生活の跡として私たちに伝えてくれます。
産業遺産として味わいのある風景が、小坂の鉱工業の歴史のひとつとして残ってもらいたいと思いました。
さて、これからも、鴇地域の魅力をどんどん取材していきたいと思います!