先日のブログでは、半道寺地域の梵天奉納や、子供御輿の様子をお届けしました!
今回は、寺の下集落に伝わる「寺の下獅子舞」の様子をお届けします!

門獅子

寺の下集落は、半道寺地域の中でも古くから存在する集落で、黒澤神社に奉納される獅子舞は400年もの歴史があると伝わっています。
確かに、寺の下集落に入ると各家々に黒澤神社のノボリが立ち並び、歴史を感じさせます!

黒澤神社

黒澤神社は、宝泉寺が今の場所に移ってから建立されたと伝わっています。
宝泉寺は享保17年(1732年)に建立していますから、相当な歴史があることがわかります。
寺の下集落に神社が建立された当時は「十六善神」という仏教の神様を祀っており、名前は「十六堂」でした。
明治元年(1868年)に神仏分離令が発令されたことで、祀る神様を経津主神(ふつぬしのみこと)に変え、明治年間に「十六堂」から「黒澤神社」に変更されました。

黒澤神社の幟

寺の下集落は当時「黒澤村」であったため、その名前が付けられたそうです。

黒澤神社に到着すると、寺の下集落の皆さんが集まっていました。
祭壇の上には一対の獅子頭がありました。

獅子頭

獅子はそれぞれ、紫色の髪の獅子を「爺さん獅子」、赤色の髪の獅子を「婆さん獅子」と集落の皆さんは親しみを込めて呼んでいます。
なぜ雄獅子、雌獅子ではないのかというと、400年もの間、集落を見守ってきた「世の中を知り尽くした獅子」だから、そう呼称されているのだそうです。
爺さん獅子は凛々しく、婆さん獅子は丸い目をしてかわいらしさがありますね。
婆さん獅子はお歯黒を塗っているのでしょうか。
獅子頭は半道寺地域の間明田(まみょうだ)集落にあった柳の木から造られており、集落を練り歩く際には獅子のふるさととして、木があった場所で獅子舞を奉納します。
寺の下集落の獅子舞は一時中断していましたが、平成26年に大仙市の「がんばる集落活性化支援事業」の助成を受け、獅子の幕などを新調したことから、内容を少し簡易化して復活しました。

例大祭では、荘厳な雰囲気の中、神事が行われ、神官が神楽と獅子舞を奉納します。

神事  神楽の奉納

獅子舞

奉納後は直会が行われました。
直会の場では、集落の方から、神社の歴史など様々な話を教えていただきました!

直会

直会の後は、寺の下集落の方からも神楽と獅子舞の奉納が行われます。

獅子舞

「ピィーッ」と鳴き声を上げながら獅子が舞います。
その姿は、まるで生きているようにも見えます!
獅子の鳴き声は、杉の木でできた専用の笛をくわえて鳴らしています。

獅子笛  獅子笛

正式な笛の名前は無いようでしたが、集落の皆さんはその音から親しみを込めて「ピーピー」と呼んでいました。

タオルをくわえる獅子

舞も終盤、タオルが投げ込まれ、爺さん獅子が口にくわえました!
普段着ている服や使用しているタオルなどを獅子にくわえてもらうと病気や怪我から免れるという言い伝えがあるそうです!
また、寺の下集落の獅子舞には、無病息災、魔除け、悪魔払いの意味があるのだとか。

獅子を神前で奉納したら、いよいよ集落を練り歩きます。

行列

練り歩きの際の並びには順序があり、チャンカラ(手拍子:とびょうし)、太鼓、笛、御承伝、太刀、法螺貝、獅子、鈴、幕持ちの順番で並びます。
御承伝とは、別当しか触れることができない御幣のこと。昔からの風習が感じられますね。

各家々では、住民の皆さんが獅子が到着するのを今や遅しと待っていました。

門獅子

門獅子

玄関先で、獅子から頭を噛んでもらいます!
子供たちは怖がるかと思いきや、笑顔で獅子に噛んでもらっていました。楽しそうですね~!

集落の伝統は、集落の日常の生活とともに受け継がれています。
以上、半道寺地域から集落活動コーディネーターがお届けしました。