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あきたWoman's Voice ~私の選択、私の未来~

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秋田で働いて良かったこと

秋田で働くようになり、暮らしと仕事が自然につながる感覚を知りました。山と海が身近にある環境や、人・家族との距離の近さに支えられながら、日々仕事に向き合えています。この土地で働くことを選んで、本当に良かったと感じています。

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プロフィール

  • 今回お話をうかがった方のプロフィール
    名前:亀崎真望
    所属:ベーカリー&ビストロ「CRUST(クラスト)」共同経営
    経歴:由利本荘市出身。オランダで音楽を学び演奏・教育活動を行った後、夫とともににかほ市でベーカリー&ビストロ「CRUST(クラスト)」をオープン
    趣味:音楽
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  • インタビュアー学生のプロフィール
    名前:栁田実海
    所属:秋田大学 教育文化学部 地域文化学科 (心理実践コース)
    インタビュアーになった理由:誰かのエピソードを聞き、その背景を知ることに関心があり、特に、秋田県で働く女性たちが活躍するイメージを掴みたいと思ったから
    趣味:生け花、メイク、一人飲みでの自分時間満喫
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  • インタビュアー学生のプロフィール
    名前:藤田美結
    所属:秋田大学 医学部医学科
    インタビュアーになった理由:実際に秋田で働いている女性の話を聞いてみたいと思ったから
    趣味:読書
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1日のスケジュール

平日
平日のスケジュール 平日のスケジュール
休日
休日のスケジュール 休日のスケジュール

インタビュー内容

プロフィールについて教えて下さい。
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にかほ市でベーカリー&ビストロ「CRUST(クラスト)」というお店を経営しています。夫と、スタッフが数名働いてくれています。子供が2人いて、にかほ市に来る前はオランダに住んでいました。

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どのような仕事をしていますか?

主に夫がお店のパンの製造と料理を担当しているので、私の仕事はフロント業務が中心です。お客さんに挨拶してお話をしたり、ビストロであれば注文を取ってドリンクを出したり、メニューについて夫とコミュニケーションを取りながらお客さんにサービスをするのが日中の作業です。それ以外だと、経理や広報など、お店の全般的なところも私がやっています。

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この仕事をはじめたきっかけはなんですか?

もともと「いつか自分たちのお店を持ちたい」という思いがありました。
オランダで暮らしていた中で、仕事と同時に、家族としてどう生きていくかを考えるようになって、それなら日本でやろう、と決めたのが始まりです。秋田を選んだ理由は、私の家族がいるからでした。

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お店を始める際にこだわったことは何ですか?
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内装イメージは私たち2人で作りました。オランダで生活していたこともあり、暮らしていた街で馴染みのある雰囲気というのが大きく反映されているかと思います。ビストロというのは、元々は定食屋という安く気軽に食事に行ける場所、レストランより身近な存在でした。「地域に根付かせたい」「皆さんに愛されたい」という想いもあり、あまり高級感は出したくないというのは最初からありました。

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仕事のやりがいはなんですか?

お店を始めて4年経って、常連さんが増えてきました。「この人はこのパンが好き」「今日はこれありますか?」というやりとりが増えるのが、飲食店のやりがいです。オランダに帰る機会があって長くお店を閉めた時も、戻ってきたら「待ってました!」「おかえりなさい!」って言ってもらえて、とてもありがたいです。

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「これは秋田だからこそできた」ということはありますか?

このお店に限って言えば、魅力の一つは眺めです。街を抜けると急に小高い丘があって、鳥海山と海が見える。その場所にお店があるのが喜ばれていると思います。あと、子育て支援は大きいです。にかほ市は保育園が0歳から実質無料で、日曜保育もあるなど、そういったサポートは個人事業主だと特に助かります。コロナ禍で家族にも頼りにくい時期があったので、支援が充実していたのは事業を始める上で心強かったです。他と比較していないため、分からないところもありますが、秋田だからこそできたと思っています。

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これまでのキャリアについて教えてください。
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オランダでは音楽院で歌とバイオリンを学び、大学院まで行きました。卒業後は演奏活動と、室内楽の学校を立ち上げて教えることの2つをやっていました。オランダでも実質個人事業主でした。その後、日本に戻ってきて今に至ります。

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このお店以外にもいくつかお店を展開されているんですよね。

この店舗は厳密には夫のお店で、今は一緒に仕事をしています。昨年、私の個人事業として兄弟店のベーグルサンドのお店を始めました。また、隣の由利本荘市にはサテライトショップもあります。どちらも私たちが店舗に立たなくても回る形態を前提に作っています。いずれ秋田市、横手市と増やしていきたいです。

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お店のスタッフに対して心がけていることはありますか?

壁ができないのがいいと思っています。お客さんとの距離も、スタッフとの関係性も、サービス側/お客側、雇う側/雇われる側になりすぎないのが理想です。
スタッフは扶養内のパート希望も多いのですが、日本人ならではの「残業したがる」傾向があるので、最初から「時間になったら帰りましょう」「自分の時間を犠牲にしないで」と伝えています。プライベートと仕事は別物で、プライベートの時間を大切にして欲しいと思っているので、シフトも希望を出してもらい、できるだけ沿うようにしています。

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お店を始める前と後でギャップはありましたか?
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かなりありました。もともとはビストロがメインで、食事をしてもらって、その流れでパンを買ってもらう、という想定だったのですが、実際はオープン初日からパンを求めて行列ができてしまって。想定以上にパンの需要が高くて、正直、完全に予想外でした。

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個人事業主として働く魅力はなんですか?

自由なところですね。一つの仕事にとらわれず何でもできるのが良いと思っています。今は飲食中心ですが、私は専門が音楽なので、バイオリン教室など、全く別分野でも事業として始められるのは個人事業主だからこそだと思います。

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秋田で起業を考えている方にメッセージをお願いします。

私たちの経験から言うと、まず「商工会の会員になること」です。日本の勝手が全くわからなかったので最初に商工会に入りました。助成金や補助金など、何か申請したい時もまず電話して相談しました。書類も一緒に作ってくれたり、キャッチボールしてくれてすごく助かったので、初めて事業をする人ほどメリットが大きいと思います。ガイドがあるところには、しっかり求めに行くことが大事ですね。

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仕事と私生活のバランスはどのようにとっていますか?
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正直、きれいに分けるのは難しいです。店舗兼住宅で個人事業なので、仕事と生活はどうしても混ざり合います。ただ、その分、子どもたちの様子を見ながら働けるという良さもあります。無理に完璧を目指すより、「これは明日に回そう」「今日はここまで」と区切りをつけながら、その時々で調整しています。プライベートでは、最近は夫と一緒に地域の弦楽サークルに参加していて、音楽に触れる時間がいいリフレッシュになっています。

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地域の方々との関わりはありますか?

お店を通して、日常的に顔を合わせて言葉を交わす関係が自然とできています。保育園を利用するご家族がお子さん連れで来てくれることも多いです。子供たちがいるときに園の子の来店があると店の中が保育園のようになって賑やかですが、お客さんたちも温かく見守ってくれていて有難いです。常連さんには子供たちに会いたがって気にかけてくれているお客さんも多く、子供たちもお客さんが大好きでお友達のように接しています。そういう距離感がこの地域ならではだと感じています。

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今後の活動の展望を教えてください。

お店については、私たちが常に店に出なくても運営できる形を前提に、少しずつ店舗を増やしていきたいと考えています。それと並行して、これまでやってきた音楽の経験を活かして、バイオリンや歌の教室など、音楽に触れられる場も広げていきたいですね。

メッセージ

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- 秋田県内の女子学生の皆さんへ -

「女性だから」という枠で言いたいわけではなく、やりたいと思ったことにとりあえず挑戦してみるのがいいと思います。動きたいなら周りに伝える、そこから糸口が見えてきます。 ずっと考えていても何も起こらないので、自分のレーダーに引っかかったものに挑戦してみる。どこに住むか、何の仕事をするかは二次的で、やりたい気持ちを大切にしていれば自分らしい生活が形作られると思います。

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- 秋田出身の首都圏在住女性の皆さんへ -

首都圏にいる間は都会でいろんなことを経験するのがいいと思います。外で吸収する時間は大切で、その中で自分が見えてきます。
そして「今だ」と思った時に戻ってくればいい。ライフステージで合う場所は変わるから、若い頃の衝動を抑える必要はないと思います。

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集合写真

編集後記

編集後記 栁田実海

亀崎さんが自分自身の人生に対する情熱を持ち続け、夢や目標を着実に形にするための細かな進め方をされていることがとても印象的で、事業を始めたいと考えている人達にとってリアルで勇気をもらえる内容だったと感じました。また、亀崎さん自身が持ち合わせている心の柔軟性が、豊かで信頼の持てる環境を作り上げているのかもしれないと感じ、事業を志す人の人間性がその人の事業の方向性を大きく左右する可能性にも気づくインタビューでした。お話をしただけで「この人の事業を応援したい!」と思わされるような亀崎さんの姿が、眩しく美しく心に残りました。

栁田実海
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編集後記 藤田美結

インタビューを通して、亀崎さんの一つ一つの言葉と行動に、強い覚悟と情熱が込められていることがとても伝わり、背筋が伸びる思いでお話を聞いていました。仕事、暮らし、子育て、音楽。そのどれもを中途半端にせず、自分の選択として引き受けている姿が、亀崎さんの強さとしなやかさを作っているのだと感じます。この記事を読んでいる方にも亀崎さんの勇気や強さが伝わり、その生き方がこれからも多くの人にとっての道標になって欲しいと思いました。

藤田美結