お芝居をされる方にお話を伺える機会はなかなかないため、貴重な経験でした。佐々木さんが自分自身と真剣に向き合い、誇れる道を歩む姿に憧れを抱きました。この記事を読んだ方にも共感していただけると嬉しいです。
一言で言うと「あったかい」というところです。きっと外に出て戻ってきた人は、そう感じるのではないかなと思います。私は県外に住んだことがないので一概には言えないですが、わらび劇場では「秋田は何もない」という舞台をやっていましたが、裏を返せば秋田は何でもあると思うし、見つけようと思ったら生み出すこともできる可能性がいっぱいあるのではないかなと考えています。だから秋田の魅力は、あったかいところと、私の「ふるさと」であることですかね。
一般社団法人 わらび座の佐々木亜美と申します。秋田県由利本荘市出身で、役者をしています。養成所わらび座での2年間の研究生を経て、その後役者になって8年目になります。
わらび座という会社は、劇場以外にもホテルや温泉、お食事処と様々な施設があり、芸術村として展開していますが、私はその中の劇団部門で、劇場での常設公演以外にミュージカルを中心に全国ツアーをするなど、舞台に立つ仕事をメインでしています。また、シアターエデュケーションという社員研修プログラムの講師もしています。
小さい頃から歌うことが好きで、高校の時は民謡部に所属していました。
舞台の魅力に気づき、卒業後は歌うことを学びたいと考えていた矢先、私の父が「わらび座の養成所制度があるらしい」という情報を教えてくれました。それをきっかけに初めてわらび座のミュージカルを見て、それまで考えていた進路など全部無くなる程の衝撃を受けて「わらび座に入りたい!」と思い、高校を卒業してすぐに飛び込みました。今思えば、本当にすごい勇気だったなと思います。実は、高校2年生になるまでわらび座の存在自体知りませんでした(笑)
「わらび座が秋田にあったから」だと断言できます。秋田にはわらび座があって、わらび座があったのが秋田だった。私がこの仕事をしたい理由はとにかくわらび座だったから、結果、秋田にいることを決意したという感じです。
この劇団が秋田にある理由でもありますが、芸能の宝庫である秋田で、人があたたかくて、土地もあたたかくて、秋田で生まれた劇団だからこそできる作品、ミュージカルがあると思っています。すごく壮大な話かもしれないですが、秋田だからできると思うことは、秋田が持っているものにあるかなと思います。
ギャップだらけです(笑) どんな人にも夢見ていたものに飛び込んだ時のギャップがあるとは思います。舞台役者ってすごくキラキラしていて、私もあんな風に輝いてみたいと思って入りましたが、現実は泥臭くて、人間臭いのがこの世界と言いますか、「わらび座」なのかなと思っています。当初は、自分の中でもギャップで苦しんだこともたくさんありましたが、結果その中で、もがいて生み出してお客様に届けている姿が感動を呼んだり、「あの役者さん、輝いているな!」と思っていただいたりというところに繋がるんだなと思えば、大事なことだったと考えています。
とても思います。舞台に立つこの仕事が天職かもしれないと思うぐらい「やってて良かった」「やめられないな」と思う瞬間が沢山あります。これが自分の選んだものだから、自分らしく、そして「自分を丸ごと成長させていけているな。自分らしいな、今」って思えています。すごく苦しくて、自分の情けないところやどうしようもないところも、結局お芝居に生きてきたり、それが出ちゃったり、良い意味でも悪い意味でも。だから、すごく自問自答の日々ですね。
わらび座の従業員は85人で、男性が23人、女性が62人です。昔は男性の割合が多かったですが、どんどん変化もしてきています。
性別に限らず、わらび座は一人一人の人間を尊重してくれているため、自分自身を見ていただけて、関わっていただけているので、働きやすい環境だと思います。
お互いがお互いのことを知りたくて話し合うし、一緒に作品を良いものにしようと全身全霊かけてみんなが向き合っているからこそ、同じレベルかつ同じベクトルの熱度を持って接することができる、とてもいい会社の劇団の仲間たち、先輩たちだなと思っています。
ゲームや演劇体験などを通し、コミュニケーション力や対人関係力の向上を目指す、演劇の特性を活かした人材育成プログラムを提供しています。 私は講師(ファシリテーター)ではありますが、まだ未熟で勉強している身として、受講される方々にいつも伝えていることは、飾らないことです。「失敗していい、むしろ失敗した方がいい」ということを伝えています。
当たり前かもしれないですが、「休むときは休む」、「仕事を頑張るときは頑張る」というスイッチを自分で切ったり入れたりしてあげないといけないなと今、自分に言い聞かせています。どうしてもお休みでもお芝居のことを考えてしまうことがあるため、自分にブレーキをかけたり、お出かけをしたり、趣味に没頭してみたりなど、切り替えられるように頑張りたいなと思っています。
本当はバランスよくいたいですが、まだまだ私は未熟なので、仕事の比重が大きいと思います。人生のことを考えたときに、自分のこれからの未来のことなども考えるべきだと思うから、私生活を充実させていくべきなのは分かっています。でも目の前にあるのはやりがいのある仕事なんですよね。言い過ぎかもしれないですが、今の仕事に「私の人生」ぐらいのものを感じています。
昔より人と比べなくなってきて、「私は私」と少しずつ思えるようになってきたと感じています。たくさんのきっかけはありましたが、自分を認められたり、自分を許せたりというのは思考の大きな変化かなと思います。
わらび座は民族歌舞や芸能など、15分や30分の短めの公演も行っています。そういう公演を地域のお祭りなどのイベントで披露することもあるため、それは地域との大きな関わりかと思います。私、個人の話ですが、地元の歴史的資料に関して朗読会を行ったりすることもあり、役者だからこそ地域と関わっていられると思うことは多々あります。
多趣味のため、これといったものはないのですが、その時にやりたいと思ったことをします。工作をやってみたいと思い工作をしたり、絵を描いたり、ツアーの際は散歩をしたり、美術館や博物館、ごはん屋さんを見つけたりと自由です。
掃除は苦手ですが、換気をして掃除機をかけて洗濯機を3回まわしたりするとストレス発散にも繋がるので、たまにします。
月並みですが、秋田は自然が美しく、空が広いなと感じます。ツアーから秋田に帰って、寝る時にはカエルや鈴虫の声が聞こえて、空は星が満点で、人はあたたかくおかえりと言ってくれて、いつでも受け入れてくれるところも魅力です。そんな場所で働けていることに常に感謝をしているし、そんな秋田が私は大好きです。
お芝居をされる方にお話を伺える機会はなかなかないため、貴重な経験でした。佐々木さんが自分自身と真剣に向き合い、誇れる道を歩む姿に憧れを抱きました。この記事を読んだ方にも共感していただけると嬉しいです。
佐々木さんはとてもストイックで、仕事に対して大きな誇りと覚悟をもって日々向き合っていることが伝わってきました。中でも「今の仕事に対して人生くらいのものを感じている」という言葉は特に印象的で、仕事への本気さ、思いの強さが表れていると感じました。佐々木さんの熱い姿勢から、私も今、目の前のことに全力で取り組みたいと思うことができました。