秋田製材協同組合(アスクウッド)
2026年3月19日

秋田製材協同組合(アスクウッド)
所在地 秋田市河辺戸島字七曲台120ー46
業種 製造業
従業員 74人(うち男性67人、女性7人)
企業HP https://ask-w.or.jp/
平成24年4月、東北最大級の規模を誇る大型製材工場として操業を開始。国内における一般製材の販売のほか、アメリカ向けの杉フェンス材の販売や、集成材業界に向けた原材料の安定供給など、供給拠点工場としても稼働。秋田スギの需要拡大とブランド価値向上を目指し事業展開しています。
誰もが安心して働くことができる環境を目指して
主な取組
業務改善・制度の周知
- マルチスキル化を推進し、誰もが休暇を取得しやすい環境を実現
- あらゆる機会を活用した制度周知と相談しやすい環境づくり
企業の取組
取組のきっかけ・経緯
生産性向上や人材不足の解消のため、従業員のマルチスキル化に着手しました。
当組合には、製材棟と小割棟の2つの工場がありますが、操業14年目を迎え、安定的な生産、人材育成の基盤が定着してきた現在は、個人が複数の異なる業務やスキルを習得し、組織全体としてレベルアップしていくことを目指しています。
また、新型コロナウイルスの流行が取組への意識を向上させる要因となり、育児だけでなく、自身の病気や通院、家族の介護など、個人の事情に合わせた休暇取得への理解が一層深まりました。
体制が確立されたことで、現在は、誰が休暇を取得しても支障なくフォローできるようになり、社内には「休みを取りやすい」環境が根付いています。
具体的な取組の内容
マルチスキル化を推進し、誰もが休暇を取得しやすい環境を実現
工場では、原木仕入れから、丸太や角材に加工する製材ライン、建築用の材料に加工するための作業ラインなど、出荷までに多数の作業工程があります。各ポジションで役割が異なるため、業務への影響を抑えつつ、個人の希望に応じた休暇を取得できるようにするためには、作業が特定の担当に固定されない仕組みづくりが必要でした。
そこで、不在者がいても生産に影響がでないよう、まずは、「お互いの仕事を知る」ことからスタート。工場長があらかじめ計画した対象人数、実施回数に応じて、定期的なジョブローテーションや異動を行っています。
2つある工場のうち、1つの工場内の異動だけでなく、工場間での異動も取り入れることで、忙しさの偏りや業務の全体が見えないことによる休みにくさを解消し、お互いさまの意識を醸成してきました。
定期的なジョブローテーションを通じて、多様な経験を促すことで、社員のスキルアップと組織全体の底上げに結びついています。
あらゆる機会を活用した制度周知と相談しやすい環境づくり
社内制度の通知や関係機関からの通達、連絡事項などは、全社員が目にできる場所に掲示するほか、定期的に開催する社内会議など、あらゆる機会を通じて情報発信しています。
有給の取得状況や育休の制度、インフルエンザの予防接種の案内など、社員に利用してもらいたい制度などを全員に周知しています。
また、休暇取得や各種制度を「活用できるのに使いづらい雰囲気」をつくらないよう、経営層から各現場の責任者に対し、各所属で積極的な発信をするよう働きかけるなど、普段からのこまめなコミュニケーションを大切にしています。
周囲への配慮やお互いさまの気持ちを育むことこそが、良好な職場環境を維持し、より良い風土を築くための鍵となります。
取組の効果
カバーし合える体制があるため、本人も周囲も抵抗なく休みを取得できています。相互フォローの体制が定着したことで、チームとして仕事をする意識も高まっています。
製造業は、製品の出荷・販売までの一連の工程があるため、多くの業務がチームプレーとなりますが、チームだからこそフォローできることや、業務の見直しや工夫によって解決できることも多くあります。
複数の従業員が、同時且つ長期にわたって休暇等を取得する場合の体制は、今後の課題の一つですが、これまで時間をかけて構築してきた体制や、部署異動で培った経験は、社員自身が自らの適性を発見する貴重な機会にもなり、仕事のやりがいにもつながっています。
育休取得者インタビュー
取得者プロフィール


お名前 Y・K さん
家族構成 本人、妻、長女(8歳)、長男(2歳)
直近の育休取得
2023年11月(約1ヵ月間)(第2子出生時に産後パパ育休を利用)
【部署】製造部 製材棟
製材棟マシンオペレーター業務を担当
取得スケジュール
取得者の声
Q 育休を取得された感想を教えてください。
A 第二子の誕生に合わせて、約1ヶ月間の育休を取得しました。期間中は、夫婦で育児・家事を分担していましたが、私は主に上の子の保育園の送迎や遊び相手、公的な手続きの対応などを担っていました。
1ヶ月というまとまった期間を取得できたことで、短期間の中で手続きに追われることもなく、上の子ともじっくり向き合うことができ、家族との時間を穏やかに過ごせたと実感しています。
妻からは、「お互いに無理なく過ごせて助かった」と言ってもらえて、家族にとっても自分自身にとっても、とても貴重な時間となりました。
Q 育休取得にあたり、仕事の調整はどのようにされましたか?
A 業務のことについては、最初に、工場長と班長に相談しました。
妻の入院時期を考慮して、取得したい時期や期間などを上司に伝え、快く承諾してもらいました。
その後、部署内のメンバーにも共有しましたが、担当者にしか分からない仕事がなくなっていましたので、基本的な引き継ぎ事項を伝えることで、安心して育休を取得することができました。
Q 不安に感じていたことはありましたか?
A 以前から、マルチスキル化が進められており、休みを取得しやすい環境にありましたが、取得前は、自分が休むことでメンバーの負担になるのではないかという不安もありました。部署のメンバーからは、「頑張ってきて」と温かく送り出してもらえたことで、育休期間中は、仕事の心配をすることなく過ごすことができました。
Q 同僚や上司からかけられた言葉や対応で印象に残っていることはありますか?
A 育休の取得期間やスケジュールなどについて、上司から声をかけてくれることが多く、心強かったです。
はじめは、取得期間を悩んでおり、自分から伝えることに少し申し訳なさを感じる部分があったのですが、積極的に声をかけてもらったため、スムーズに取得に向かうことができました。
Q 自分自身が育休を取得して、職場のメンバーに対する視点や対応など変化したことはありますか?
A 感謝の気持ちが一番です。
もし、同じ境遇の男性社員がいたら、自分の経験談などを踏まえて取得を進めてあげたいと思います。
企業の取組Q&A
企業の取組について、
副理事長 近藤 勝也 さん
総務部 齋藤 悠子 さん に教えていただきました。
Q 有給や育休について、取得状況などを教えてください。
A 有給休暇は、年10日以上付与される従業員に対し、企業は年5日の確実な取得が法律で義務づけられていますが、当組合では、法定以上の年6日以上の取得を促しています。【有給休暇取得率は71%】
育休は、男女それぞれ取得実績があり、今後も従業員とコミュニケーションを取り、情報共有をして取得しやすい職場つくりを心掛けていきたいと思います。
Q 定期的なジョブローテーションや異動も取り入れているとのことですが、どのような作業・業務があるのでしょうか?
A 仕事内容としては、生産計画や進捗管理を行う「生産管理」、製材機・マシンのオペレート作業を行う「製材部門」、製材機等の設備保全業務、重機オペレーターや木焚ボイラーの運転業務、木材加工の研磨作業など、多岐にわたります。重機のオペレーターなど、資格を必要とする役割もありますが、資格取得に対しては、会社としてもバックアップしています。
また、少数であるものの女性も工場勤務しており、現在、パートで勤務されている方々にも面談を実施して、希望する場合は正社員への雇用形態の転換にも対応しています。
Q 社内での相談体制などはどのようにされていますか?
A 育休取得の際には、業務のことは工場長へ、扶養手続きなどは総務担当に相談・報告してもらう流れになっています。工場長へは、就業規則に基づいて、本人が希望する形で休暇や制度を利用できるよう管理職層からも働きかけをしています。
また、それ以外のことも総務担当を窓口として相談対応しており、社内制度の細かいことや、誰に相談したらよいか分からないことなどにも柔軟に対応できるよう、相談体制の整備を就業規則として定めています。
相談の内容は多岐にわたりますが、小さなことでも相談はあった方が良いので、相談者や他の社員の意見も聞きながら対応しています。
社員にとっても、こうした体制や関係性が構築されていることは、心強い存在になっています。
Q 制度を活用しやすい環境づくりのために、意識していることや工夫していることはありますか?
A 休暇や育休などの取得について、会社側として思うのは、取得者が「周囲の社員が取得することに対して本当はどう思っているのか」ということを気にせずに活用してほしいということです。必要な休暇・制度を堂々と利用してもらえるよう社内での働きかけを意識しています。
また、社員のワークライフバランスの実現を後押しするためにも、休暇の付与日数を増やしたいと思っていますが、生産への影響や安定供給のための工場間のバランスなどに配慮する必要があり、良くしていきたいと思う反面、簡単には解決できないジレンマもあります。だからこそ、今ある制度などを、より使いやすくするための工夫が必要だと感じています。
Q 休暇を取得しやすい環境などについては、若年層の価値観とも合致していると思いますが、採用活動等で実感する場面などはありますか?
A 採用活動の際も、会社側からの情報として、休暇の取得状況などを説明していますが、志望者からもそうした情報を質問されることがあります。福利厚生の内容など、働きやすさにつながる取組や情報は大切だと実感しています。
また、年間休日日数は、創業当初99日でしたが、工場の生産効率を上げることにより110日まで増加しています。有給休暇は、半日単位だけでなく、時間単位でも取得出来る制度もあり、個々の生活に合わせた休暇の取得方法や、育児休業明けの短時間勤務制度を利用している従業員がいる等、働きやすさの魅力も採用活動に活かしています。






