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社会福祉法人水交会

 

社会福祉法人水交会

所在地 大仙市角間川町字町頭98
業種  医療・福祉
従業員 150人(うち男性58人、女性92人)
企業HP https://suikoukai.or.jp/

大仙市を拠点に障害福祉サービス業を展開する同法人は、施設入所支援事業を中心に、現在5つの事業所で事業を運営しています。心の行き届いたサービスを心がけるとともに、地域に根ざした福祉を通じて、誰もが自分らしく社会とつながり、共に歩める街づくりを目指しています。

人材は宝物。職員と共にアップデートする両立支援制度

主な取組

制度の改正・周知

  • 育児目的休暇の導入で子育てを頑張る職員を組織全体でバックアップ
  • 対象職員へのこまめな声かけ

企業の取組

取組のきっかけ・経緯

当法人では、子育てを行う職員が働き続けられるよう環境整備を進め、平成28年にくるみん認定を取得、同年に「秋田県子ども・子育て支援知事表彰」を受賞しました。
また、男女ともに活躍できる雇用環境の整備を行うため、次世代法及び女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画では、両立支援制度の利用状況の把握、改善点の有無を点検することを明文化し、取組の改善を続けています。
女性職員が半数以上を占め、子育て期にある職員も多く在籍している当法人では、早期から両立支援に関する取組に着手し、制度に対する職員の意見を吸い上げながらアップデートしてきました。女性の働きやすさを追求することは、結果として全職員の働きやすさにつながっています。職員に寄り添ったサポートを実施してきたことで、男性職員が育休を取得することも、当たり前の光景となりました。

具体的な取組の内容

育児目的休暇の導入で子育てを頑張る職員を組織全体でバックアップ

育児・介護休業法の改正に併せて、法人の両立支援制度を見直し、独自の“育児目的休暇”の内容を拡充しました。
育児目的休暇は、入園式・卒園式等の行事参加に加え、その他の育児にも柔軟に活用できる法人独自の休暇制度で、有給休暇や法定の子の看護休暇とは別に取得することができます。

【育児目的休暇】
日   数:年間5日(子どもが2人以上の場合は年間10日が上限)
対   象:小学校3年生修了まで
取得事由等:入園式・卒園式等の行事参加または所属長が育児目的のために休暇が必要と認めた場合時間単位の取得が可能

制度の充実が“支え合う風土”を育み、子育て中も安心して働き続けられる環境づくりにつながっています。

対象職員へのこまめな声かけ

対象者と法人の総務担当との面談を実施し、育休取得までに行ってもらいたい手続きなどを対象者に伝えています。
いつ、どんな手続きがあるのかなどの流れを時系列で説明することで、安心して取得することができる環境を整えています。
また、育休取得の際は、本人だけでなく周囲の職員へも丁寧に働きかけ、お互いの事情を認め合い、支え合える環境づくりを徹底しています。業務の調整により、慣れない仕事や追加の業務が生じることもありますが、部署全員でカバーし合えるよう、施設長自らが率先して協力を呼びかけています。

取組の効果

雑談や些細な相談事など、“実はちょっと悩んでいる”ことを話し合える風土が根付いているため、小さな悩みの種をともに考え、解決できる環境があります。悩み事は小さいうちに解決しておくことが、長く働きたいと思える職場づくりにつながるため、利用可能な制度や過去の事例なども参考にしながら、職員一人ひとりに寄り添った環境づくりを追求しています。

育休取得者インタビュー

取得者プロフィール

お名前 S さん
家族構成 本人、妻、長女(9歳)、長男(6歳)、次男(2歳)
直近の育休取得(第3子出生時に産後パパ育休・育休を利用)
①2024年9月(5日間) ②2024年10月(5日間)

【部署】後三年鴻声の里
障害福祉サービス事業所で利用者さんの支援計画の作成やモニタリング、関係機関との連携、職員の指導・育成などを担当。利用者さんがより豊かな生活を送れるよう包括的な支援を提供する業務を担っている。
【育休取得時の部署】地域サポートセンター川音
同上の業務を担当

取得スケジュール




取得者の声

Q 育休を取得された感想を教えてください。

A 第三子の誕生時に1回、生後1ヶ月の時期に2回目を取得しました。
3人目ということで「おそらくこれが最後だろう」という思いと、職場からの後押しもあり取得しました。
育休中は、行政の手続きや、妻の外出中の家事・育児など、夫婦で役割分担しました。上の子2人の世話もあるので、妻だけでは対応しきれなかったと感じる場面が多く、私自身も取得してよかったと感じています。
その時にしか得られない時間を一緒に過ごしたことで、家族にとっても記憶に残ると思いますし、子どもが大きくなったときに伝えてあげたいと思います。

Q 育休取得にあたり不安に感じていたことはありましたか?

A 不在期間中の準備や復帰後の対応は心配でした。
業務は、事務作業だけでなく、利用者さんの対応もあるため、利用者さんが不安にならないよう見通しを立てて準備していくことが必要です。
利用者さんとの普段からのコミュニケーションで信頼関係を築くことの大切さを再確認しました。

Q 育休取得にあたり、仕事の調整はどのようにされましたか?

A 育休前に自分で行う業務と、育休中に他の職員にお願いすべき業務を整理して、細かいところは、部署のメンバーと打合せを重ねました。スピード感が求められる業務を職員に任せるにあたり、サポート方法・進め方を上司と相談や検討するなどして周囲の職員にも協力をもらいながら調整しました。

Q 同僚や上司からかけられた言葉や対応で印象に残っていることはありますか?

A 法人からも取得を後押ししてもらったことが心強かったです。
法人としても、若い職員たちが安心して取得できる環境づくりにつながるよう声をかけてくれたと思いますが、快く送り出してくれる環境が整っていたことで安心して取得することができました。
また、女性が多い職場ということもあり、女性職員から子育てのことを教えてもらうこともありました。お子さんがいる職員が多かったので、何をフォローしてもらえたら嬉しいかなど、事業所の職員からアドバイスをもらえたことにも救われました。
復職後には、育休中の体験を施設長にも共有しました。この実体験は、今後育休を検討する仲間へ伝えていける強みになると感じています。

Q 今後、育休の取得を希望する社員がいたら、どんな声をかけてあげたいですか?

A パンフレットやチラシなどを活用しながら、結婚・出産・子育て時に利用できるサービスや支援制度を情報提供したいと思います。私自身も勉強になったので、不安を抱えながら調べたりしなくても、普段のコミュニケーションを通じて自分の経験を伝えていくことで、これからライフイベントを迎える方たちも安心して過ごしてもらえるようサポートしたいと思います。

企業の取組Q&A  ―総務担当 栗林さんに伺いました―

企業の取組について、法人本部 栗林 聡子 さんに教えていただきました。

Q 男性社員の育休取得について、取得率などを教えてください。

A 令和元年度から計3名が取得しており、取得率は100%です。
また、育休以外にも、時短勤務やフレックスタイムを活用している職員もおり、前例があることで新たに取得する職員の安心材料になっています。

Q 利用者さんの対応や業務の調整などはどのようにされていますか?

A 利用者さんの日常生活をサポートする支援員は、学校の担任のような担当業務がありますが、長期休暇を取得する場合や職員の異動の際には、あらかじめ利用者さんへの発表日を設けて周知するなど、混乱がないよう計画的に進める必要があります。事前に見通しを立てて丁寧に説明することで、利用者さんが心の準備をできるようにしています。
スムーズに受け入れていただけるよう、その点のケアには細心の注意を払っています。

Q 育休以外にも様々な取組をされていると思いますが、職員の意見をもとに創設・改善した取組などがあれば教えてください。

A 生理休暇(エフ休暇)の改正、SNSの運用開始、身だしなみの緩和を行いました。
職員がより利用しやすい制度となるよう休暇制度を見直したほか、SNS(インスタグラム)を導入したことで、日常の利用者さんの活動の様子などを、より多くの方に視覚的に届けることができるようになりました。
また、2025年6月からは、誰もが自分らしく、自然体で働くことができる職場を目指し、ヘアスタイルやヘアカラーなどの身だしなみの基準を自由化しました。職員のモチベーションアップにもつながっています。

Q 取組を進める上でのポイントなどがあれば教えてください。

A 人材は、組織にとって宝物です。限られた人員の中でいかに工夫していくかが重要だと感じています。
育休という視点に限らず、人手不足という社会全体の課題がある中で、今いるメンバーが協力しながら業務を回していくことは、「自分たちの工夫や改善でやり遂げられる」という成功体験にもつながります。
未経験の業務を担うことも、あるいは仕事を任せることも、互いの成長を促す「学び」と捉え、その経験を積み重ねていくことで、組織全体にさらなる柔軟な対応力をもたらすと考えています。