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株式会社ホクシンエレクトロニクス

 

株式会社ホクシンエレクトロニクス

所在地 秋田市牛島西1丁目4ー10
業種  製造業
従業員 246人(うち男性107人、女性139人)
企業HP https://hokushin-elec.co.jp/

1991年に電子部品製造業として創業した同社、現在は半導体装置・制御盤、配電盤、アンテナ、FPCなどの多様な製品を部材調達・製造加工・品質検査・出荷の一貫体制で大手メーカーに供給しています。また医療機器向け気体用流量計などの自社ブランド製品の開発にも意欲的に取り組み医療機器メーカーに納めており、幅広い分野で開発・製造を手掛ける「多角的モノづくり企業」です。

“頑張りたい人の背中を後押しできる職場”を目指して
ー「社員の声」を活かした取組改善ですべての社員が納得できる環境づくりー

主な取組

社内の意識醸成

  • 社長が旗振り役となり、有給や育休取得を促進
  • 社員ヒアリングの実施
  • 「子どもの工場見学・ものづくり体験教室」の開催

企業の取組

取組のきっかけ・経緯

 当社は、女性社員が6~7割を占めており、特に子育て期にある方が多く在籍しています。取組を充実させてきた背景には、こうした女性社員たちも含め、すべての社員が「プライベートも安心して過ごせる職場づくり」を目指していきたいという社長の想いがあります。
 また、当社の管理職層は、男性の割合が多く、なかなか届きにくかった女性社員の声を会社の取組に活かしてもらおうと女性委員会を立ち上げ、社内の取組改善に反映させてきました。取組を通じて、会社の課題解決に自分たちの意見や提案が活かされていることを社員自身が実感し、当初、女性社員を対象にしていた委員会にも男性社員が加わったりと、社員の意識とともに取組も変化してきました。
 男性の育児休業に関しては、2022年の育児・介護休業法の改正に伴って「産後パパ育休」が開始されたことや、男性社員からの育休取得に関する相談をきっかけに社内での情報発信を強化しました。若い社員が将来安心して働いてもらえるよう性別を問わず育休取得を推奨しています。

具体的な取組の内容

社長が旗振り役となり有給や育休取得を促進

 当社では、 “頑張る社員を応援する会社”をコンセプトに、働きやすい職場づくりに向けて様々な施策を考案してきました。手探りな部分もありましたが、「取組は出来ることからやっていこう」と、社長とも意見交換しながらアップデートしています。
 男性社員の育休取得については、有給休暇の取得を促進する中で、育休も気兼ねなく取得できる風土が浸透してきました。社長自らが旗振り役となり有給の取得を呼びかけ、社員は、付与された取得可能日数の80%以上を消化しています。
 また、社員の声をもとに1時間単位の休暇を取得できるよう制度改正するなど、社員のワークライフバランスを後押ししています。
 育休の取得については、朝礼・部長会議・課長会議・社内掲示版による周知など、あらゆる機会を活用して周知を行い、取得者がいる場合には、対象者の所属する部門長が先頭に立ち、業務の調整を行っています。

社員ヒアリングの実施

2020年から商工中金が提供する「幸せデザインサーベイ」を活用し、社員の満足度を見える化しています。
 併せて、社員ヒアリングのサービスも活用し、社員からの要望や「こんなものがあったらいい」という改善提案も受け付けました。
 意見をもとに「まずはやってみよう」と、思いついた取組を具体化していくことが社員満足度へもつながっています。

子どもの工場見学・ものづくり体験教室の開催

 当社の事業は、半導体製造装置の生産が大きなウエイトを占めていますが、一般的には、何を作っているのかが伝わりにくい事業でもあります。社員の家族にとっても同じで、社員がどんな会社で働いているかを言葉では説明しにくいと感じています。
 そこで、社員のご家族に参加してもらう「子どもの工場見学」や「ものづくり体験教室」を開催し、どんな仕事をしているかを実際に見てもらうことで、家族にも応援してもらえる企業を目指しています。
 工場見学やものづくり体験教室に参加した方からは、「難しかったけど楽しかった」、「ほかのものも作ってみたい」、「また参加したい、他の行事にも参加したい」、「ママの会社を見られてよかった」といった意見があり、私たちがものづくりの楽しさを伝えることで、地域への恩返しにもなると感じました。教える側である私たち自身が、誰よりも「ものづくりのワクワク感」を再発見した瞬間でもありました。

取組の効果

 社長の「働きやすい環境にしたい」という思いと「社員から寄せられる声」の相乗効果で社内の雰囲気が変化してきました。取組は、できることから始め、気づいた都度アップデートすることで、社員の声をもとに取組が改善され、実践に繋がっていることを実感できるようになりました。そして、こうした好循環が社員の意見を引き出す呼び水となり、さらに要望や提案が集まりやすくなりました。
 何か困ったことがあったときは、“お互いさま”。育児や介護などで休暇を取得するときも、遠慮なく休んでほしいという想いで進めてきた様々な取組の積み重ねが、結果として、男性社員の育休取得をはじめ、すべての社員が休暇を取得しやすい職場環境につながっています。

育休取得者インタビュー

取得者プロフィール

お名前 W・H さん
家族構成 本人、妻、長女(4歳)、長男(2歳)
直近の育休取得
2023年8月~1月(6ヶ月間)
(第2子出生時に産後パパ育休・育休を利用)

【部署】ロジスティクス部(富山県駐在)
 顧客事業所構内物流作業のための荷役に関する業務を担当。

取得スケジュール





取得者の声

Q 育休を取得された感想を教えてください。

A 秋田県出身ですが、富山を拠点に勤務して10年以上になります。一人目のときは、里帰り出産で数ヶ月は妻の実家にサポートしてもらい、私自身は、出生から数日後に富山に戻りました。2人目の出産にあたっては、長女の保育園の準備や送迎、妻のサポートもあり、会社とも相談して6か月間取得することにしました。
 大きな違いは、子どもが1人か2人かで環境が全く異なることです。妻が入院している間は、長女と2人の生活になりましたが、それまで家事は妻が担う方が多かったので、“引き継ぎノート”を書いてもらい、それを実践していました。はじめは思うようにいかないこともあり、想像以上に大変でしたがとても貴重な経験でした。

Q 育休取得にあたり不安に感じていたことはありましたか?

A 育休取得期間は、チームの他のメンバーに負担がかかってしまうことが気がかりでした。
 業務の特性上、自分にしか出来ない仕事は多くないので、チームリーダーに注意点などを説明することで基本的な引き継ぎはできていましたが、通常よりも少ない人数で対応しなければならず、申し訳なさを感じることもありました。
 業務が忙しい時もあったと思いますが、快く送り出してくれたことに感謝しています。

Q 育休取得にあたり、期間はどのように決めましたか?

A 妻が産休に入る前に会社に相談しました。一人目のときよりも長めに育休を取得したいと漠然と考えていましたが、当時の業務内容や繁忙状況を考慮して復職時期を決めました。
 男性の育休取得者は多くないので、取得しにくいと感じていましたが、社長から是非取得して欲しいと背中を押されたことですごく安心しました。若い世代の社員たちも将来安心して取得できるよう声をかけてくれたと思いますが、私自身もその想いに共感していましたので、取得を決意することができました。

Q 6か月間取得したからこそ経験できたことはありましたか?

A 今まで以上に長女(第一子)のことを知る時間になりました。
 勤務時間や勤務地の都合上、それまで長女の保育園の送迎などができていなかったため、保育園の友達や先生の名前までしっかり覚えられていませんでしたが、この6か月間で話をする時間が増え、長女のことをたくさん知ることができました。
 これまでも平日に休みをもらうこともありましたが、通院や予防接種など、妻に頼っていたことも自分で行くことができ、これまで子どものために時間を取れていなかったことも経験できた喜びがありました。

Q 職場の同僚からかけられた言葉や対応で印象に残っていることはありますか?

A 育休中もプライベートで交流できたことがすごくありがたかったです。
 同僚が釣りをするのですが、私が育休中なかなか他の人と交流を持てなかった中で、帰りに釣った魚を届けてくれたりと交流が途切れなかったことが励みになりました。もちろん仕事のことで連絡を取ることもありましたが、仕事以外でも何度か連絡を取る場面があり、ありがたいなと感じました。

Q 職場の支援やサポートであってよかったと思うサポートはありますか?

A 不便を感じることなく取得できたことがよかったと思います。
 過去に取得された先輩もおり、総務の方に分からないことを相談した際に色々と教えてくださったので、手続きなども滞りなく対応することができました。

Q 自分自身が育休を取得して、職場のメンバーに対する視点や対応など変化したことはありますか?今後、取得を希望する社員がいたら、どんな声をかけてあげたいですか?

A 今後取得を希望する社員がいたら、心置きなく家族のことに専念してほしいという気持ちが強くなりました。
もちろん、育休取得後のフォローもしっかり行いたいと思います。
 会社内にも様々な立ち場の方がいますので、子育てに関しても考え方は多様だと思いますし、全員が同じ気持ちになることが難しい場面もあると思いますが、自分が育休を取得した分、取得者に寄り添えるのではないかと思っています。
 妻からもその期間だけでも取得してくれてありがたかったという言葉もあり、子どももすっかりパパッ子になりました。そうした経験談も伝えられると思います。

企業の取組Q&A  ―総務部 高橋さんに伺いました―

企業の取組について、総務部 高橋 英幸 さんに教えていただきました。

Q 男性社員の育休取得について、取得率などを教えてください。?

A
 令和4年度 33%
 令和5年度 100%
 取得期間の平均日数は、170日です。

Q 男性も育休を取得することが当たり前ということが浸透してきていると感じる場面はありますか?

A 「会社が変わってきたよね」と社員から感想をもらったとき、社員のワークライフバランスを後押ししようと取り組んできたことが定着してきたと感じました。男性の育休にフォーカスした取組ではありませんが、子育て支援や女性の活躍推進に関する各種取組を次世代法及び女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画に明記し、書くだけではなく実行していく取組として具体化してきたことが、意識の定着に活かされていると思います。

Q 取組を進めてきた中で見えてきた課題はありますか?

A 育休取得の観点では、社内の業務調整は課題の一つです。
 部門長が先頭に立ち、チーム内の業務調整や業務負荷の見直しを行いますが、人員が不足する場面では他部署から応援をしてもらい、部門だけに負担をかけず全社で業務をフォローしています。
 また、男性の育児休暇に関しても、ご家庭での理解を深める必要があると感じています。今後はお子さんが誕生した時には、会社からもメッセージやプレゼントを贈り、育児休暇を取りやすい環境をつくっていきたいと思います。

Q 業務調整をする際に所属長が先頭になって調整することや社長から取得の後押ししてもらえたことなど、役職者の積極的な働きかけが大切だと感じましたが、社員の反応などはいかがですか?

A 社長が現場を訪問する機会も多く、社員とは近い距離感でコミュニケーションができていると感じます。育休に限らず、「こんな取組はできそうか」「会社をこんな方向性に持っていきたい」と社長から取組のアイディアを提案してくれたり、会社のビジョンを情報発信しているので、その考えや想いが社員にも浸透しています。
取組を実践してみて、改善が必要なこともありますが、良いと思ったことを取り入れ実行していく風土が、組織全体にポジティブな刺激を与えていると思います。

Q 育休以外にも様々な取組をされていると思いますが、“頑張る人を応援する”制度や取組があれば教えてください。

A
【正社員化の促進】
 当社は、パートや準社員など様々な雇用形態があり、子育て期の女性社員が柔軟な働き方ができるよう取組を進めていますが、育児が一段落し、もっと働きたいと思っている社員を応援できるよう、パート社員を正社員・準社員に雇用転換する取組(公募制)を実施しています。
 正社員登用の公募には多数の応募があり、取組を開始して以降、毎年実施しています。それまで育児のために対応できなかった業務にも関わってくれたりと、ここにも“お互いさま”の気持ちが活かされています。

【カムバック制度】
 育児や介護のために一度退職した方を即戦力として迎え入れる仕組み「カムバック制度」も運用しています。育児等で時間の制約が大きかった方が、時期を経て、時間<収入に変化してくる方もいます。
 働く意欲のある方をしっかりサポートできるよう、これからも取組を充実させていきたいと思います。

 

<社内の様子と集合写真>