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株式会社和賀組

株式会社和賀組

所在地 湯沢市柳町二丁目2番40号
業種  建設業
従業員 80人(うち男性71人、女性9人)
企業HP https://www.waga.co.jp//

明治10年(1877年)の創業以来、150年近くにわたり、地域に根ざした建設事業を手掛ける同社は、土木・建築事業、鉄道工事、住宅事業、コンクリート補修・補強事業・地番事業・まちづくり事業など、複数の領域で幅広く事業を展開しています。

働きやすさの土台は、日常のこまめなコミュニケーション

主な取組

制度の周知・社内の意識醸成

  • 情報共有ツールを活用した定期的な情報発信
  • きめ細かいコミュニケーションで相談しやすい雰囲気づくり

企業の取組

取組のきっかけ・経緯

 当社は、“自分らしく長く働ける環境づくり”を目指し、福利厚生の充実と環境整備を進めてきました。
 女性の活躍推進の分野においては、妊娠・出産・子育てなどライフステージに応じた柔軟な制度を整備し、現場で活躍する女性技術者・管理者の積極的な採用・育成にも注力しています。業務では、施工管理やオペレーターなど、これまで男性が中心だった分野にも女性が従事しており、ワークライフバランスの実現を図りながら、性別に関わらず、社員が持っている能力を最大限に発揮できる環境づくりを進めています。
 子育て支援に関しては、従前より、法定の制度をスムーズに活用できるよう体制を整えていましたが、育児・介護休業法の改正による、育児休業等給付金の拡充、産後パパ育休の運用開始に伴い、男性の取得者向けの支援も充実してきたため、その情報発信を丁寧に実施しました。
 男性の育休については、2025年7月にはじめて取得者が誕生したばかりであるため、これから取得者が続いていくことを期待しています。

具体的な取組の内容

情報共有ツールを活用した定期的な情報発信

 当社では、社内の情報共有ツールとしてLINEWORKSを活用しています。福利厚生の制度なども、同ツールを活用して共有スペースに情報発信しています。
 妊娠・出産・子育てに関することはセンシティブな内容でもあるため、個別にどこまで踏み込んで話をして良いのか悩む場面が多くありました。以前は、育休取得の対象となる社員に情報が届きやすくなるよう、制度などの情報は、対象となる可能性の高い年齢層に絞って周知していましたが、会社として業務を滞りなく完了させるためには、育休取得者本人だけでなく周囲の社員のサポートが必要不可欠であり、安心して育休を取得してもらえるよう子育て支援に対するさらなる理解促進のためにも全社員に情報発信する形としました。
 LINEWORKSでは、個別メッセージも可能であるため、総務の担当者に何をどう聞いていいか分からず声をかけにくかったり、面と向かって話しにくいことも、他の社員の目を気にせずに相談することが可能になりました。
 制度の改正や国からの支援拡充のお知らせなどは、タイミングを逃さずに情報発信し、取得者や希望者からの相談をいつでも受けられるようにしています。

きめ細やかなコミュニケーションで相談しやすい環境づくり

 働きやすさを向上させるための土台は、日常のコミュニケーションにあると考えています。
 当社では、ホームページで社員紹介のコーナーを設けたり、SNSを活用して仕事以外の社員の様子を発信したりと、社内外問わずオープンな環境が構築されています。社員の子どもが生まれた際にも、会社を訪れた際の様子をインスタグラムで投稿するなど、オープンな対話、日頃のきめ細かいコミュニケーションが“お互いさま”の風土を育んできました。
 また、若い世代の社員も今後安心して育休を取得することができるよう、普段からこうした話題に触れ、育休を一定期間取得することによる周囲の社員への影響、自身の成長の機会を損なわないか、などの不安を解消していくことも必要です。
 性別に関わらず制度を利用しやすい環境を整え、育休対象者・希望者が気兼ねなく取得できる体制づくりを進めています。


取組の効果

 男性社員の育休取得者第一号が誕生したことは、大きな強みになりました。社内全体として、社員の子どもへの関心も大きくなり、社員同士の声かけも増えているように感じています。
 また、総務担当から全社員に発信された情報は、現場作業を担うチーム内でも話題になることがあり、身近な先輩、同僚同士で話しをすることで、より理解が深まるきっかけにもなっています。
 何よりも説得力のある取得者の経験を身近に感じられる環境になったため、社員の協力を得ながら働きやすさ向上に向けた取組のさらなる充実を目指します。

 

育休取得者インタビュー

取得者プロフィール

お名前 坂本 智寛 さん
家族構成 本人、妻、子ども2人
直近の育休取得
 2025年7月~8月(約1月間半)
(第二子出生時に産後パパ育休・育休を利用)

【部署】
鉄道工事部(一級土木施工管理技士)

 

取得スケジュール





取得者の声  ―坂本さんに伺いました―

Q 育休を取得された感想を教えてください。

A 長男(第一子)のときは長期で取得していませんでしたので、第二子の誕生にあたっては、まとまった期間を取得できて本当によかったです。
 仕事のことを心配しなくていいように会社がサポートしてくれたおかげで、育児や妻のサポートに専念することができました。長男が生まれたときは、妻に頼る部分が多かったため、私が仕事のときに一人で育児をしていた妻を改めて尊敬しました。

Q 育休取得にあたり不安に感じていたことはありましたか?

A 現場を持っていたので、一人抜ける分、周りの社員に負担がかかってしまうことが心配でした。
 一人目のときは、収入減になることへの不安もありましたが、2025年4月からは給付金が拡充されることを妻からも聞いていましたので、経済的な不安よりも業務の心配の方が大きかったです。ちょうど新しい現場を担当する時期でしたが、早めに上司へ相談し、取得に向けて準備を進めることができました。

Q 育休取得にあたり仕事の調整などはどのようにされましたか?

A 妻の妊娠が判明してから、一番最初に相談したのはチームの業務を統括する部長です。
 部長からは、「育休を取得するのであれば、業務を調整できるように動くから」と言ってもらい心強かったです。
 出産予定日が分かり、担当する現場の着工と重なることが分かっていたので、代わりに担当してもらう先輩や協力会社の方々への説明を早い段階から行いました。現場の対応は、普段からチーム単位で請け負うため、チームだからこそ調整しやすい部分もありますが、お願いすべきことなどを整理して、事前に段取りを整えておくよう心がけました。

Q 同僚や上司からかけられた言葉や対応で印象に残っていることはありますか?

A 社長からも「仕事のことは任せてちゃんと育児をしてこい!」と背中を押してもらえたことが励みになりました。
 また、人手不足の中でも笑顔で「子育てに集中しなさい」と声をかけてくれる先輩方が多く、自分たちが育休取得を経験していなくても、状況を理解し全力でバックアップしてくれたことにとても感謝しています。
 また、育休から戻ってきてからも「これからたくさん頑張ってもらわないと!」と暖かく迎えていただき、自分の居場所を再確認できたことも嬉しかったです。
 私自身も後輩たちが安心して育休を取得できるようにしていきたいと感じました。

Q 育休を取得して、ご家族の反応などはいかがでしたか?

A 長男が生まれたときは、会社の休暇制度である慶弔休暇を利用しましたので、その制度の範囲内で休暇を取得しました。第二子の誕生にあたっては、給付金の活用や取得期間の調整など、妻ともよく相談していましたが、長男の夏休みとも重複していたため、「取得してもらえて助かった」と言ってもらいました。
 夜間の授乳などは長男のときに経験はしていましたが、育休を取得して、一日中ケアが必要であったりと育児の大変さを改めて感じました。

Q 自分自身が育休を取得して、職場のメンバーに対する視点や対応など変化したことはありますか?

A 当社としては、男性の育休取得者第一号でしたが、仕事を一緒にしている協力業者にも育休を取得した方がおり、男性も育休を取得するのが当たり前なんだと改めて認識しました。
 今後、取得を希望したいという方がいれば、自社のみならず関わりのある業者の方にも取得を進めてあげたいと思いますし、相談に乗りたいと思います。部署が異なると直接的な業務のフォローはできないかもしれませんが、育休を取得するために準備したことや経験談をアドバイスとして伝えられると思いますし、同じ部署であれば、自分が先輩たちにサポートしてもらったように、安心して過ごせる環境をつくってあげたいと思います。
 また、当社の業務は、現場を管理・監督する業務も多いため、スケジュールは、ある程度予測して調整するこが可能です。一方、現場での作業は、流動的になる部分もあり、現場を抜けても問題ないか判断しにくい場面もあります。そこには、協力業者も含め若い社員も多くいますので、子育て世代の社員には、声をかけて可能なサポートをしたいと思います。

Q 今後、育休の取得を希望する社員がいたら、どんな声をかけてあげたいですか?

A 当社には、相談すれば丁寧に分かるまで教えてくれる社員同士の関係性があります。個人の事情もあるので、取得するしないの選択肢があることはもちろんですが、制度が整っていてもそれが活用しづらい雰囲気ではもったいない!
誰でも、まずは相談することからスタートすると思いますので、対面でなくても、既存のツールを使いながら気軽に相談してほしいと思います。

企業の取組Q&A  ―総務担当 近藤さんに伺いました―

Q 男性社員の育休取得について、取得状況などを教えてください。

A 育休としては、坂本さんが“取得者第一号”でした。
 過去にも取得対象者がおりましたが、今のように制度も充実していなかったこともあり、結果的に有給を利用して1か月休暇を取得したケースもありました。
 2025年4月からの給付金の上乗せ措置や保険料免除などにより、負担が軽減された状態で一定期間取得できる環境になりましたので、そうした情報をしっかり周知することで、育休を取得する社員が続けばいいなと思います。

Q 育休取得第一号ということで、手続きなどで不安などはありませんでしたか?

A 早期に相談してもらったことで準備しやすかったです。制度も改正されていますので、できることを調べながら対応していました。もちろん、業務の調整などで一番大変なのは、現場をもつ取得者本人だと思いますが、総務担当としては、取得者の方が不安なく育休を取得できるよう準備するのが役目だと思っていますので、会社への相談などを早い段階で対応してくれたことが、良い準備につながりました。

Q 職場内の雰囲気はどうでしたか?

A 育児にかかわらず、様々な理由で休暇を取得する機会がありますので、お互いさまだと思います。
 コロナやインフルエンザでは、一定期間の休みが必要になりますし、困ったときには他のメンバーの協力を得ながら仕事をする気持ちをみんなが持っていれば、気持ちよく過ごすことができると思います。
 取得者本人もお互いさまの気持ちで対応してくれたことが、円滑に業務調整できたカギだと思います。

Q 育休以外にも様々な取組をされていると思いますが、働きやすさ向上のための制度や取組があれば教えてください。

A 健康経営への取組をきっかけに1時間単位の休暇を取得できるように制度改正しました。
はじめは、「特に必要がないのでは・・」といった社員の反応もありましたが、社長とも相談し、「まずはやってみよう!」と制度を導入しました。結果的に、育児・介護などの理由にかかわらず、誰でも使いやすい制度となり、現場作業の社員からも好評の声が届いています。

Q 企業で取組を進める上で大切なことは何だと思いますか?

A 普段から相談しあえる雰囲気です。
 制度も改正されるので、分からないことがあったときには、私たちもその制度を勉強し直したり、相談を受ける中で、相談者から教えてもらうこともあります。些細なことでも聞いてもらえる環境は、私たちにとってもありがたいです。
 社内の情報共有や社員同士の交流だけに留まらず、社外に向けても普段の社員の様子を気兼ねなく発信できる地盤があることは、そこで働く社員の安心感にもつながっています。