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株式会社秋田銀行

株式会社秋田銀行

所在地 秋田市山王三丁目2番1号
業種  金融業保険業
従業員 1204人(うち男性667人、女性537人) 2025年10月1日現在
企業HP https://www.akita-bank.co.jp/

明治12年、第四十八国立銀行として創業した同行は、県内外に98支店、関連会社7社を有しています。経営理念「地域共栄」のもと、グループVISION「価値をつくる。未来へつなぐ」を掲げ、地域の課題を解決し、お客さまのニーズに応える質の高い金融・非金融サービスの提供を通じて、将来にわたる豊かな地域の実現を目指しています。

トータルサポートで子育て中の職員も安心して働ける環境づくり

主な取組

制度創設・改正等

  • 産後パパ育休制度<全期間有給>を創設
  • 短期間育児休業制度<全期間有給>の付与日数増加

企業の取組

取組のきっかけ・経緯

 2022年に改正された「育児・介護休業法」の施行に伴い、当行の制度も見直しをしました。
 当行では、職員のワークライフバランスの実現を後押しするため、仕事と子育てを両立させながら、ひとり一人の能力を一層発揮できる環境づくりに取り組んでおり、妊娠・出産にかかる各種制度の整備、産休・育休からの復職支援など、子育て期にある職員が安心して働くことができるよう取組を進めています。
 その中で、当時26.3%(2021年度実績)だった「男性行員の育児休業取得率」の向上を目指し、従来から運用していた制度の拡充や改正法に併せた支援制度の充実など、さらなる取組促進を図ることとしました。

具体的な取組の内容

産後パパ育休を全期間有給で取得可能に

 2022年の育児・介護休業法の改正に伴い同年10月から運用されている「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、法律で定める期間として、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)取得することができますが、制度運用にあたり、当行では、男性職員の柔軟な育休取得をサポートすることを目的にその全期間を有給で取得できるようにしました。
 “有給で取得できる”ことは、取得者にとっての複雑な手続きや収入減の不安解消、通常の有休と変わらずに取得できる安心感にもつながり、取得促進の一助になっています。

短期間育児休業制度の拡充

 当行では、従来より「短期間育児休業」として、5営業日を有給で取得できる制度を整えていました。法改正を踏まえ、この制度もより活用しやすい支援策となるよう連続5営業日を2回取得することを可能としました。
 こうした取組を推進するにあたり、育休の取得対象者だけでなく、すべての職員に対し、仕事と育児の両立支援に関する制度を周知しています。行内研修など、あらゆる機会を活用して各種制度を紹介・説明したほか、制度の内容は、誰が・いつ・どのような場面で何を活用できるのかを「仕事と子育て両立支援ハンドブック」にまとめ、全職員が閲覧できるようにしています。
 制度等を担当する人事部の担当者も、取得者に対してハンドブックの流れに沿って案内することができるため、お互いにやるべきことが明確になり、育休取得者の上司もどのような支援があるのか、手続きが必要かを把握することができます。

 また、女性活躍推進法及び次世代法に基づく一般事業主行動計画(2025年4月~ 2028年3月)において、男性行員の育児休業取得率の目標を「100%」と定め、育休取得対象者となる男性行員とその上長に対し、人事部から定期的に取得を呼びかけています。さらに、育休を取得しにくい部室店へも人事部担当者が理解促進のための働きかけを直接行うなど、目標の達成・維持に向けて行内全体で環境づくりを進めています。

取組の効果

 男性行員の育児休業取得率は、2021年度26.3%に対し、制度導入後の2022年度は118.2%と大幅に向上し、2022年度から2024年度までに子どもが生まれた男性行員全員が育休を取得しています。
 また、同上の行動計画で「100%」と明確な目標を示すことや、早期に「100%」を達成し、それを維持していくことが、男性も育休を取得することが当たり前という風土醸成につながり、今後、仕事と子育ての両立を希望する行員へのメッセージにもなっています。

直近の男性行員の育児休業取得率
2024年度 107.1%
平均取得期間日

※過年度に出産した行員または配偶者が出産した行員が、翌事業年度に育休を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがある。

 私たちは、“今しかない子どもとの大切な時間を充実したものにして欲しい”という思いで取組を進めています。
 育休を取得することによる自身の業務やお客様との調整、周囲の職員への負担を懸念する取得者への丁寧な声かけや、あらゆる機会を活用した全職員への働きかけの積み重ねによって全体の意識が変化してきました。

育休取得者インタビュー

取得者プロフィール

お名前 髙柳 さん
家族構成 本人、妻、長女(3歳)、次女(0歳)
直近の育休取得
2025年4月~5月
(第二子出生時に産後パパ育休を利用)

【部署】本店営業部法人営業課
 主に法人の取引先に対する融資相談など金融サービス全般に関する業務を担当。

取得スケジュール





取得者の声  ―髙柳さんに伺いました―

Q 育休を取得された感想を教えてください。

A かけがえのない新生児期の可愛さを24時間、間近で見ることができ、幸せな時間を家族で共有することができました。取得して本当によかったと感じています。
 第一子誕生時は、妻とも相談のうえ1週間の育休取得のみでしたが、第二子の誕生にあたっては長期間取得しようと考えていました。実際に新生児と1ヶ月間過ごしてみて、体力以上に新生児の育児における精神的な大変さを痛感しました。例えば、目を離した一瞬の隙に無呼吸になっていないかと心配したり、健診時に体重の増加が少なく心配したりと、精神的な大変さを感じながらも夫婦で不安や成長を共有できたほか、長女(3歳)のケアや産後の寝不足などで体調や精神面でも不安定となる妻のサポートなど、パートナーとしてのフォローの大切さも実感しました。

Q 育休取得にあたり不安に感じていたことはありましたか?

A 不在期間の仕事は、信頼しているチームのみなさんにお願いしていましたので心配はしていませんでしたが、育休取得時は、法人のお客様を担当していたので、すべてを自分でコントロールするのは難しく、大丈夫だろうかという不安はありました。
 ただ、職場のメンバーが快く送り出してくれたので、その気持ちに感謝しつつ、私からも何かあれば気兼ねなく連絡してほしいということも伝え、互いにフォローし合える関係性の中で取得できたことが不安解消につながりました。

Q 育休取得にあたり仕事の調整などはどのようにされましたか?

A 育休取得を決めてから早い段階で上司に相談・報告し、自分がいる期間に処理できるタスクと、他の方にお願いする業務の整理を丁寧に行いました。
 職場への報告は、妻が安定期に入った時期に実施した上司との1on1ミーティングで育休を取得したい意向を伝え、取得期間などがある程度固まった段階で担当先のお客様にも育休を取得することをお伝えしました。
 業務の引継ぎに関しては、突発的に発生する業務もありますが、年間を通じて定例的に発生する業務については、ある程度の期限が決まっているため、時期を前倒しして対応するなど、チーム内で育休前に処理したいタスクを共有することでスムーズに育休に入ることができました。

Q 1ヶ月間取得して良かったことはありますか?

A 新生児期だけに限りませんが、毎日お風呂に入れるなど、その時しかない瞬間を一緒に過ごせたのは本当によかったと思います。
 また、第二子が生まれて長女がどういう反応をするのかを心配していたので、育休中に長女との時間をたっぷりと取ることができたこともとても良かったです。

Q 第一子のときの週間と第二子のときのヶ月の取得では、違いは大きかったですか?

A 全く違いました。一人目のときも昼夜を問わない授乳・ミルクや沐浴など、新生児の育児が大変だということは身をもって経験したつもりでいましたが、子どもが二人となり、それが毎日となると妻一人だけでは本当に大変だったと思います。
 育休中の食事は私が担当していたので、不慣れながらにレシピアプリを活用して毎日の献立を考えたり、買い物したりと、自分なりにできることをしていました。“今日は野菜が安いから買っておこう”など、生活の中で鈍感になっていたところにも少し気づけるようになった気がしています。

Q 会社側の制度などで、あってよかったと思うサポートはありますか?

A 1か月間の取得であれば、全期間有給で取得できることは安心できる要因の一つでした。
 過去に所属した部署では、福利厚生などに関して行員にお知らせする立ち場だったこともあり、ある程度会社の制度内容は把握していました。各種制度が充実しているため、不安なく育休を取得できるということはとても心強かったです。
 また、職場のみなさんからは、育休に入る前に「いってらっしゃい」と快く送り出していただき、復職の際も「もう終わったのか!」と声をかけていただいたりと、職場の雰囲気にも後押ししてもらったと感じています。

Q 自分自身が育休を取得して、職場のメンバーに対する視点や対応など変化したことはありますか?

A これまで女性の産休・育休は見てきましたが、男性の育休取得者とは同職したことがありません。もし、同じ職場に取得を希望する男性行員がいたら、自分を送り出してもらったときと同じようにサポートしたいですね。性別問わず育休を取得することが当たり前だということを職場全体、特に上司が認識していることが、取得者の不安解消になることを実感したので、特別なサポートというより心配なく取得できる環境を整えてあげたいです。

Q 今後取得を希望する方がいたら、どんな声をかけてあげたいですか?

A 取得できる環境にあるのであれば、迷わず取得した方がいいと伝えてあげたいです。
 子どものためであることはもちろんですが、それ以上に産後、体力的にも精神的にも不安定になってしまう妻を近くで支える存在が必要だと思います。ミルク、沐浴、おむつ替えなど、子どもへの直接的なケアだけでなく、家族として家庭を支える大きな力になります。

企業の取組Q&A  ―人事部 籾山さんに伺いました―

Q 男性行員の育休取得期間としては、どのくらいの期間取得されている方が多いですか?

A 短期間育児休業(5日)と4週間(28日)の産後パパ育休を活用する行員が多いため、平均で約2週間程度となっています。
まずは、すべての対象者が取得すること、次のステップとして、取得日数の増加を目標にして取組を進めてきました。

Q 男性も育休を取得することが当たり前ということが浸透してきていると感じる場面はありますか?

A 当行では、妊娠が判明して以降、男女ともに育休の取得希望日数などを記入する出産予定報告書を提出してもらいます。以前は、取得希望日数が数日のみという報告の行員が多かったのですが、最近は、はじめから1週間・1か月の単位での報告者が増えてきています。各部室店の雰囲気や風土を直接的に感じる場面は少ないですが、報告書の取得希望日数の変化は、そうした風土が浸透してきている証だと感じています。

Q 取組を進めてきた中で見えてきた課題はありますか?

A 取得率100%を達成して以降、目標設定は取得期間にシフトしてきました。人事部としては、期間を延ばしていきたいと思う一方、長期である分、人員的なサポートも必要になります。性別問わず育休取得対象が同一部署に複数名いる場合、取得期間が重複してしまうケースもあり、対象者が希望どおりに取得するためのサポート体制をどのようにしていくかが課題になっています。
 出産予定報告書や上司との1on1ミーティングの機会を利用して早めに相談してもらうことで、周囲のサポートとして取得者の希望に対応した準備が可能になりますので、制度や取組の周知は幅広く行っています。

Q 男性の育休取得に関連してつの制度をご紹介いただきましたが、反応はいかがですか?

A どちらの制度も“取得のしやすさ”につながっていると思います。
 国の給付金制度も手厚くなってきていますので、有給にしたことだけが取得率向上の要因と言い切れるわけではありませんが、「有給で取得できるのであればこの期間取得しよう」という決断の決め手になっていると思います。
また、前例が増えてきたことで、男性も育休を一定期間取得することが特別なことではないという認識になり、周りもそれを受け入れる環境が整ってきました。
 当行すべての部室店で男性育休対象者がいるのではなく、育休取得経験のある行員が異動などで様々な部署に循環していくことで、経験談として説得力のある後押しとなり、さらなる理解促進につながると感じます。

Q 企業で取組を進める上でのポイントやアドバイスがあれば教えてください。

A 制度があっても利用されていないときには、様々な機会を利用して説明をしてきました。取得対象者に声をかけたその時期には必要でなくても、その後時間が経って「制度を活用したいと思っていた」という状況に変化している場合もありますので、タイミングを逃さずに丁寧に伝えていくことが大切だと思います。
 育休は、1日でも取得実績になります。対象者一人ひとりへの“1日取得してみよう”という呼びかけが講じて「取得率100%」を達成することにより、育休取得への理解が一段と浸透し、企業全体の意識が変わっていくと思います。

Q 様々な取組をされていると思いますが、ご紹介した取組以外にも子育て世代の方を応援する制度などがあれば教えてください。

A 新しい制度としては、2025年10月から「1st Birthday休暇」を新設・運用しています。子育て支援及び働きがいの向上を目的として、子の満1歳の誕生日に利用できる休暇制度です。育児・介護休業法では、原則として子の1歳の誕生日の前日まで育児休業を取得することが可能ですが、育休を取得する女性職員の多くは、子の満1歳の誕生日が復職日となっていたことから、記念すべき初めての誕生日に家族でゆっくり過ごしてもらうために当行独自の制度として創設しました。この休暇は子の父親である男性職員も取得対象者になります。
 性別を問わず、子育て世代の職員が安心して働くことのできる環境づくりに向けて、取組を進めています。

【仕事と育児の両立支援に向けた主な取組】

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