株式会社REALE Lab(レアーレ ラボ) 鈴木幸絵さん(秋田市)
2019年3月20日
起業までの経緯
梅だけを原料とし、無塩の独自製法による梅製品を製造販売する、株式会社REALE Lab(レアーレ ラボ)を平成27年4月に設立した鈴木幸絵さん。起業したきっかけは、独自の製造方法を自分自身で確立したことによります。「梅干しの無塩化に向けた研究開発をすることが、自分にとっての使命だ」と考えている鈴木さんですが、そのような思いに至るまでにはいくつかの転職と、趣味で続けていたという梅干し作りがあります。
鈴木さんは秋田県内の大学を卒業後、秋田市内の婚礼宴会場、郵便局に勤務しました。梅干しを自分で漬けるなど料理好きだった鈴木さんは、自分たちが口にする食品をより良くするための分析技術を身につけたいと思っていたため、秋田県総合食品研究センターへ就職し、研究開発職を目指すことになりました。
その後、宮城県の味噌醤油醸造会社で食品開発、研究をする仕事を紹介され入社。仕事で得た知識や技術を趣味の梅干し作りにも応用できるようになってきました。味噌醤油作りでは大量の塩分を使っていたため、「健康のために減塩に取り組みたい、梅干し作りの無塩化に挑戦したい」と考えるようになったとのこと。そして、梅干し作りの無塩化を実現させるための研究開発を自らが自宅などで行い、独自の製造方法を確立させました。社名にある「レアーレ」とは、イタリア語で「実現する」という意味で、目標を実現させるような研究開発ができたらという願いを込めて付けたそうです。
同社では、健康長寿の社会づくりを目指し様々な商品開発を行っており、秋田県特産品開発コンクール「あきた食のチャンピオンシップ2017」の秋田県知事賞を受賞するなど、独自製法による梅製品は高く評価されています。
家族の支え
「起業当初は無塩の梅に興味を持ってもらえなかったり、そもそもそんな梅って本当にできるの?と信じてもらえませんでした。ひとりで悩んだ時期もあり、とても大変でしたね」と鈴木さんは話します。無塩の梅の良さを分かってもらうには非常に時間がかかりましたが、商談会への出店や講演会などを通じて、何度も説明を繰り返したことで、少しずつ商品を買ってくれるお客様が増えていったそうです。「今では応援してくれるお客様もいるし、結婚後は支えてくれる家族もできたので、起業して本当に良かったです」と鈴木さんは語ってくれました。
起業後に結婚してからは、仕事と家庭の両立については、どちらもしっかりと取り組みたいという考えを持っている鈴木さん。夫のサポートを受けながら日々奮闘しているそうです。育児で手が離せない時は仕事を手伝ってくれるほか、家庭ではご飯作りや、子どもの寝かしつけなど、夫が積極的に関わっているとのことでした。
ワクワクすること
今後について鈴木さんは「仕事では、もっと多くの人に食べてもらえるよう、楽しんで研究開発を続けていきたいし、子育てでは、自分が望む人生を送れる子どもにしっかりと育てていきたいですね」と語ります。
鈴木さんのように自分のやりたいことを見つけるコツ、ヒントについて聞くと「気持ちがワクワクすることに敏感になること。ワクワクして取り組んでいることを想像するだけで楽しくなるし、成功にも繋がっていくと思います」と話してくれました。
株式会社REALE Lab
●住所 秋田市千秋明徳町1-21
●電話 018-807-3536
●HP https://www.reale-lab.co.jp/